表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生特典のない俺は最強の布陣で異世界に挑む  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/60

第14話:金は湧かない。でも、支援は飛んできた。

「……また、拾ってしまった。」


夕方、裏庭。パン屑を追いかけていたら、藁の山の中にいた。全身泥だらけ、ガリガリの幼子。泣き声も上げず、ただ目だけがきょろきょろしていた。


「名前は?」


「……アオ。」


「今日から“リオン育成所・第ニ期生”だ。」


気がつけば、俺の周囲には再び増え始めていた。最初の精鋭たちが巣立ったあとも、街には“助けを求める目”があふれている。


そう、俺はまだ3歳半。戦えない、魔法もない、でも――拾うことはできる。



---


しかし。


「さすがに……財政がきつい!!」


食費、寝具、衣服、文房具、訓練道具、読み物……子供が10人増えるたびに出費がぐんと跳ね上がる。


今や第ニ期生は15名。さすがのうちの屋敷でも、予算調整にヒィヒィである。


そんなとき――


「リオン様、お届け物です。」


届いたのは、分厚い封筒。金色の封蝋、豪華すぎる便箋。その中身はなんと――


「援助金!?え、銀貨じゃない、金貨で来た!?」


「王都貴族数名から、“育成活動への感謝と継続支援”として送られたものです。」


お礼状にはこう書いてあった。


“先日頂いた人材は全員即戦力でした。次の推薦人材を楽しみにしております”


「……なんか、俺、商社の人みたいになってない?」



---


そこからが早かった。


次々と届く支援依頼。内容はこうだ。


・「うちの家に優秀な家庭教師を育ててくれ」

・「次期当主の従者候補を数名紹介してほしい」

・「王都の研究所に、読み書きのできる助手を斡旋願う」


「いや、うち、就職課じゃないし……。」


でも、子供たちにとってはチャンスだ。将来の居場所。自立の足場。


俺は考えた。そして――


「リオン育成所・推薦制度」設立を決意した。


内容はこうだ。


・一定の課程を修了した者に推薦状を発行

・適性に応じた進路選択を提示

・送り出した者が成果を出した場合、次期育成資金に還元


そう、教育も資金も“循環”する仕組みを作るのだ。


「育てて、送り出して、また育てる。これが俺の生存戦略――ver.2!」


リオン・フォン・エルトレード、3歳8ヶ月。金銭支援と信頼が“仕組み”を生み出した夏の始まりである。


つづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ