第20部
夕方家に帰ってきたパパとママは二人そろって言った。
「不思議なことがあるもんだな」「不思議なことがあるのね」それだけだった。
まるで何事も無かったかのように、みんなは楽しくカレーを食べた。
「のぶ美ちゃん、腕前あがったわね」とママが言ってくれた。
食べ盛りの三つ子の姉妹、一重、二重、三重もてんでにお替りをした。
多い目に作ったのに、のぶ美もジュノもお替りができなかった。
楽しい家族団らんだった。
女子寮大食いチャンピオンの、のぶ美はこの後空腹に耐えきれずカップラーメンを5杯食べた。
次の日、夏休みの第一日目、朝ごはんの後に、大山のぶ美はジュノに聞いてみた。
「ねえ、ジュノちゃん、私の未来を見る方法って無い?」「無いことは無いけど……」ジュノは言葉を濁す。
「ちゃんと、自分の死ぬ最後まで見るなら、レンタル未来タイムテレビ借りてあげるけど、タイムテレビのレンタル料金と一回の使用料はとても高いから、途中でもうーーいやだーーって投げ出すなら、借りてあげない」
「自分が死ぬまで?!」のぶ美はドン引きになった。
「うん。見る勇気ある?」「早送りはできるの?」「三倍速と六倍速と十倍速があるね」「全部で上映時間は何時間くらいかかる?」「こっちの側が時間を止めて見ればいいよ」「時間止めれるのか、じゃあ、いいや見るっ!」
「本当に見るの? 見るんだね! 嫌だって言いっこ無しだよ?!」
「わかったよ……言わないようにする」「よしっ!」
「じゃあ、いくよっ」
ジュノは時間を止めた。そして自分の携帯電話を取り出すと、いろいろ操作した。
のぶ美とジュノの目の前に大画面テレビのコマンドが開いた。