LOG.51|ずっと、親友だ|Brother
俺とリュウトは、
工場に拉致されてボコボコにされた。
最後に、デス君は言った。
デス君
「お前ら、今日から犬な」
「うちの組の連中が呼んだら来い」
「何時でも、どこにでも、だ」
「返事は、”わん”な。」
シン
「…」
リュウト
「…」
俺たちは、
両手を縛られたまま、
椅子に座らされた。
チンピラ
「わかんねぇかぁ!?」
「返事はぁ!?」
「”わん”だろうが!」
バカーンと
俺の腹を蹴り上げた。
シン
「う!」
「ゲホ」
「わん」
デス君
「よぉーし!」
「次はオメーだ!アイドル顔!」
リュウトに鉄パイプを向けるデス君。
リュウト
「…死んでも言わねー。」
チンピラ
「あぁ!?」
「まだわかんねーかぁ!?」
「クソガキがぁ!」
鉄パイプを食らうリュウト。
リュウトが椅子ごと
バターンと倒れた。
シン
「ま、まって!ゲホ」
「まってください!」
「リュウトは関係ないでしょ!?」
デス君
「あぁ?バカかお前…?」
「こいつも穴兄弟だぞ?」
シン
「…うん?」
「ゲホ」
「リュウト、マジか?」
リュウト
「……ごめん」
「実は…ゲホ」
「前に俺もマスターの店で…」
「でも俺も知らなかった…」
「誰の嫁か、なんて…ゲホ」
「というか既婚者ってことも、」
「知らなくて…手を出した。」
チンピラと揉めた、って…
その時の話ってことか!
マスターが4号機見て、
パニックになってたのもソレか…!
デス君
「まだ言ってんのかぁ!?」
「さっきからテメーコノヤロー!」
「知らねーわけねーだろって!」
倒れているリュウトの顔に
ツバを吐きかけるデス君。
デス君
「にしてもテメーら、気持ちわりぃなぁ」
「地元の先輩の嫁、穴兄弟だぜ?」
「クズの仲間は、やっぱクズだな」
「キメェんだよ!クズコンビが!」
怒鳴られながら
顔を踏まれるリュウト。
リュウト
「ゲホ、テメーコノヤロォ…ゲホ」
「次は街で、ゲホ」
「すれ違っただけで殺してやるからな…!」
「せいぜい用心しとけよテメー…」
「怖けりゃ今のうち俺のこと殺しとけよ…!」
ギロッと下から睨むリュウト。
デス君
「おぉ、しびれるなぁオマエ!」
「出会い方が違ってりゃ、」
「オマエも、こっち側だったかもな!」
さらにデス君が
鉄パイプを振りかぶる。
デス君
「ほら、諦めんな!」
「またイキがってみろオラ!」
「何回でもぶん殴ってやる!」
何度も、何度も、
鉄パイプや踏みつけを喰らうリュウト。
鈍い音が、
俺の耳から遠くなっていく。
リュウトと穴兄弟なんて
マジのガチで、どーでもいい。
とにかく、やめてくれ。
負けてるリュウトは、見たくない。
俺達は…
無敵じゃなきゃ、ダメなんだ。
ガタン!
ドタンバタン!
ギィギィ
なんだか、
工場の外が急に騒がしくなった。
その時、
シャッターが開いた。
パトカーが数台。
ごっつい警察官が
ずいっと、1歩前に出た。
警察官
「またお前かぁ…。」
「通報があってきてみたら…」
「見覚えのある顔だなぁ。」
デス君
「アイツ…マル暴の…!」
「クソ、またブタ箱かよ…」
チンピラ
「マジかよ」
大勢の警察官が
チンピラや、デス君を取り押さえた。
そんな中、
救急車も到着した。
俺たちは
救急車に運ばれた。
ーーー
数週間が経過した。
俺の会社は…潰れた。
いや、潰した。
デス君だけではなくて、
デス君の組織に
手を引いてもらうために、
結局、
1000万ぶん取られたからだ。
デス君は捕まったから
何も問題ないと思いきや、
こっち系の組織は結構しつこくて、
顔を覚えられてしまった以上、
もう街で目立つことは許されない。
マンションも売った。
それでも1000万は
かなりギリギリだった。
俺にはもう…
何も残されていなかった。
唯一、
俺の周りに残されているのは…。
金でもなく、名声でもなく…
リュウト、だけ。
俺は松葉杖をつきながら
ある病室の前まで来た。
リュウトの、病室。




