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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・三章 幻獣保護区でのひと騒動

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調査完了!

 結局、幻獣保護区内の安全が確認できるまで五日の期間を要した。

 翌日から騎士隊を派遣し、広い範囲で調査を行ったという。

 思っていたよりも早かったな、という印象だったのだが、クラスメイト達は口々に退屈だったと言っていた。

 それに関しては、アリーセも同意を示す。


「やはり、同じ熱量で五日間も自習するというのは難しかったですわ」


 四日目、五日目は集中力が切れ、散漫になっていたという。


「そういうふうには見えなかったけれど」

「勉強しているように見えて、考え事をしている時間もありました」

「そうだったのね」

「先生がいるというだけでしゃっきり背筋が伸びて、しっかり勉強に集中できるので、普段の授業のありがたさを感じました」

「それはたしかにあるわね」

「ミシャのほうが勉強がはかどっていましたね」

「それはたぶん、雪国出身だからよ」


 長い期間、何もできずに家に閉じ込められるというのは雪国の日常だった。


「大雪が降って、外に一歩も出ることができなくなるの」


 使用人達が行う屋根の雪下ろしを手伝いたいなんて言っても、両親から危ないからダメだと言われ、大人しく部屋で過ごすことしかできなくなるのだ。


「大変でしたのね……」

「ええ。でも、集中力もついていたみたいだから、結果的にはよかったのかもしれないわ」


 まあでも、普通の状況であれば、ここまで熱心に勉強できなかっただろう。

 今回は学期末の試験勉強という目標があったので、頑張ることができたのだ。


「あと、幻獣保護区内の安全確認がもっとかかると思っていたのよね」


 想定していたより早かった。

 そんなわけで、本日から幻獣保護区内での幻獣探しを始めることができるのだ。

 生徒全員に魔導眼鏡と何かあったときのための転移の魔法札、監視を目的とした妖精族が派遣される。

 魔法札は湿気でダメにならないよう、防水加工は施されている。

 妖精はハムスターみたいなネズミに蝶の翅を生やした子が派遣された。


『よろしくでちゅう!』

「喋った!!」


 驚くエアの前で、妖精は自慢げな様子で胸を張る。

 前回の妖精はうっかりしている部分があったからか、妖精のランクもアップしているようだ。


 学年主任であるアイン先生が生徒の前に立ち、本日のミッションについて説明し始める。


「いいか? 幻獣を発見したら近づかず、刺激しないように大人しくしておくんだ!」


 魔導眼鏡はただ見るだけで記録されるという。


「薬草の採取も意識が散漫になるから禁止する! 幻獣探しに集中するように!」


 その口調は厳しいが生徒達がケガをしないよう、トラブルに巻き込まれないように、と思うがゆえなのだろう。


 アイン先生の話が終わると、クラスの担任がやってきて、各々が担当する区域について説明してくれた。


「〝にゃんこ大好き班〟は、東にある草原区ねえ」


 湿地帯ではなくてよかったと思う一方、緑竜に会える可能性がないとわかって少し残念になる。


「区域内に幻獣保護局の人達や先生がいるけれど、十分気をつけるのよお」

「はい!」


 そんなわけで、私達〝にゃんこ大好き班〟は草原区に出発することとなった。

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