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前世の世界へ帰ってきた 終

前話に続き、あはんうふん的な展開ありなのでご注意をm(_ _)m


一応、これで一区切りとなります。

「う、あ……」

 フッと意識が浮き上がる感覚がし、俺は眠っていたことを自覚する。

 何とか開いた目に映るのは、浴室の風景ではなく、何処かの室内だ。

 シてる最中、抱き上げられて浴室から運ばれたのは、かろうじて覚えていた。

「ヒュー、バート?」

 魔法か風呂に入れてくれたのかはわからないが、色々とベタベタだった体はさっぱりとしていたので、してくれたであろう相手の名を呼ぶが反応はない。あと、声の掠れが酷い。

 周囲へと探知魔法を広げるが、ヒューバートの気配は感じられない。

 もちろん、俺以外の『人』の気配もない。

 チラリと窓へと目をやると、射し込む光は夕暮れの気配がした。

「……まさか、1日近くヤラれるとは」

 浴室でのやり取りも夕方で、今確認した窓の外も夕暮れ時ってことは、そういうことなんだろう。

 ヒューバートの精力というか、俺への執着を甘く見ていた気はする。

 苦笑しながらギシギシとする体をだましだまし動かして上体を起こすと、ベッドサイドに用意されていた水差しから水を注ぎ、ゆっくりと飲む。

 改めて周囲を見渡すと、そこは見覚えのない内装の部屋だった。

 たぶん、ここがヒューバートの使っている部屋なんだろう。

「……もしかしてこのベッドのマット、俺がここで前使ってたやつ、か?」

 ふと前世で寝心地が気に入ってたマットを思い出し、そっとシーツをはぐってみると、やはりというか、そこには見覚えのある猫みたいなカタチの薄い茶色の染みがあった。

 俺がベッドに座りながら本を読んでいた時にコーヒーを溢して出来た染みだ。

「劣化で捨てたんじゃなかったのかよ」

 苦笑いして、ここにいない『悪友』へと突っ込むが、もちろん答えはない。

 前世の俺を思い出すため、ヒューバートがベッドから引っ剥がして自室にしていた部屋へ運び込んだんだろう。

 自惚れではなく、そう思った。

「……愛が重いって思えない辺り、俺もヤバいよな?」

 吊り橋効果だと思おうとしたヒューバートからの愛は、それこそ一晩かけて全身に覚え込まされた。

(クオン、起きたー)

 何となく違和感すらある下腹部を撫でてると、相変わらず間の抜けた音と共に幼児姿のディアベルが姿を現して、俺の肩口へと乗ってくる。

「ちょうど良かった。俺の服取ってきてくれるか?」

 シャツを破られたまでは記憶にあるが、他の服も見当たらないので、俺は今素っ裸だ。

 人目がないとはいえ、全裸でうろつきたくはない。

 全身色々と跡とか、いかにもヤラれました感があるし。

(あいー)

 気の抜けた返事と共にディアベルが消え、すぐに服を抱えて現れる。

「今度は『収納』にも服を入れとくべきだな」

 冒険者として仕事をするなら、外泊もあるだろう。あとは、食料とか鍋とか……。

 服を着込みながら、ボーッとそんな事を考えていると、翼のある猫の姿になったディアベルが胸元にぽふっと埋まってくる。

「どうした? なんか元気ないな」

(魔力ちょーだいー)

 くたりと液体化しそうなディアベルは、力なくふにゃふにゃ鳴いて、撫でていた俺の指先をペロペロ舐めて訴えてくる。

「勝手に吸っても良かったんだぞ?」

(約束したもーん)

「本当に律儀だな、悪魔は」

 ほら、と笑いながら、練り上げた魔力を意識して指先へ集中させる。そこで、違和感を覚える。

 異様に自分の魔力量が増えている気がしたのだ。

 何だったら、少し魔力過多に似た感覚すらある。

 魔力過多は、成長期とかで魔力が一気に増えることによって起き、主な症状は頭痛や発熱ぐらいだ。

 だが、ひどい場合は、暴走した自らの魔力で死に至ることすらもある。

(ヒューバートのせいー)

「ん?」

 俺の態度で、何を考えているかわかったのか、ディアベルが拗ねた声でそんな事を言ってきて、俺は首を傾げてディアベルの背中を撫でる。

(魔力多いヒトはー、体液にも魔力たくさんあるのー。だから、クオン魔力過多になりそうだったの!)

 むぅと音が聞こえそうな顔をする猫という可愛らしいディアベルの姿に癒やされ、俺は一瞬ディアベルの言葉を聞き流しかけるが、すぐ魔力過多の理由を悟る。

「あー、それでか」

 薄っすらとしか記憶には残っていないが、うん、まあ……すごかった記憶はある。

 アレが全部魔力に変換されたせいで、魔力過多になりかけたとしたら、納得しかない。

(途中で吸いたかったけど、ヒューバートに睨まれたから、空気読んだんだよ、僕ー)

「そっか、ありがとな…………途中?」

 褒めて褒めてと甘えてくるディアベルを撫でながら、途中という単語に、俺は何となく嫌な予感を覚える。

(そー、途中。ずっとヒューバート、クオン独り占めして返してくれなかったのー)

「……昨日から、ってことだよな?」

 意味としては間違ってないはずだが、ディアベルの態度から感じる『途中』という単語の表す空気感が、なぜだか不穏だ。

(違うよー? えっと、一昨日の前の日ー)

「一昨日の前から……って、三日前!? 俺、そんなに寝てたのか?」

(んーん? クオン寝てたの、今日のお昼頃から? ヒューバート、学園に呼ばれて行ったからー)

「え」

(ずっとヒューバート、クオン離してくれなかったのー!)

「……マジか」

 ぬかろ……そんな夢幻かと思ってた単語を思わず呟きかけるが、七……八……それ以上の可能性が高いことに気づいてしまい、頭を抱える。

 前世のバイト中でも会わなかったとんでも存在が、どうやらとても身近にいたらしい。

(クオン相手だからじゃないー?)

「どういう意味だ?」

(クオンが死んで生まれ変わって、記憶がない間も、ヒューバートは何度も僕を喚ぼうとしてたみたいだよー?)

 俺の指先をあむあむしながら、呆れた様子のディアベルの尻尾が指し示すのは、ヒューバートらしく几帳面に整えられた本棚だ。

 近くにある机は、インクのシミや傷など

目立つ古ぼけた机……って、あれも俺が使ってた机だ。

「俺が還るなんて可能性は……?」

(ある訳ないでしょー? 今のクオンがいるのは、僕の召喚に成功して、僕がクオンを気に入ったからだもんー)

「だよなー」

 ふらつく下半身に何とか力を入れ、俺はディアベルを抱えたまま懐かしい机へ歩み寄り、何となく撫でてみる。

 ヒューバートはどんな気持ちでこの机を使っていたんだろう。

(えーっと、これー)

 俺の感傷を他所に、ディアベルが器用に尻尾で引き出し、ふわふわと浮かせて渡してきたのは、手書きのノートだ。

 表紙にはナンバーが振られていて、そこには3桁の数字が並んでいる。

「研究ノートか」

 パラパラと眺めただけでもわかる。

 これには、ディアベルの言う通り『悪魔』を喚ぼうと足掻いたヒューバートの姿があった。

「まさか、これ全部そうなのか?」

 震える指先で本棚から何冊か取り出してみたが、全て同じような研究ノートだった。

(だから、ヒューバートは異世界召喚なんて魔法陣描けるようになったんだし、無駄ではなかったのー)

「そういえば、そうだな。ある意味、ヒューバートの執念のおかげで再会出来たんだよな、俺達は」

 二度と会えない俺をずっと想い、俺の仇を討つために、ずっと召喚の研究を続けてくれていたヒューバート。

 その姿を想像すると、胸が痛くなる。

「馬鹿だなぁ、ヒューは。モテるんだから、いくらでも相手はいただろうに」

 俺は苦笑いしながら、ノートを本棚にしまう。

「まぁ、これだけ思い切りヤれば、満足したんじゃないか? 手に入れられなかった相手を求めていたから、忘れられなかったんだろ、つまりは……」




(クオンって自信家なくせに、なんで時々、異様に自己評価低くなってお馬鹿になるんだろー? とりあえず、ヒューバート、がんばれー?)




 ディアベルが何事かうにゃうにゃ言っていたが、腹が減ってきた俺は気にせず、違和感のある下半身を何とか動かして歩き出した。

「そういえば、ヒューも何も食べてないってことか?」

 ずっとヤリっぱなしだったみたいだし。

 お腹に優しい鶏肉入りのお粥を作っていた俺は、鍋を掻き混ぜながら襟巻き状態で寝ているディアベルへ話しかける。

(わかんなーい)

「それもそうだな。ディアは空気読んでくれたんだもんな」

 ふにゃーと鳴いているディアベルの頭を優しく撫で、俺は出来上がったお粥を、お椀と深めの皿によそってお盆に乗せる。

「部屋で食べるか」

 一瞬ヒューバートの部屋に戻ろうかと思ったが、部屋の主がいない上に事後の気配も色濃い部屋で食べる気にはならず、俺は自室の方へと足を進める。

(クオン、僕が運ぶよー?)

「そうか? 頼む」

 少しふらつく俺を心配してくれたディアベルの言葉に、遠慮なく甘えることにして、俺はお盆をディアベルへ預ける。

 まあ、ディアベルは猫の姿なので魔法で運んでくれているが。

「熱いから気をつけろよ?」

(僕、さいきょーだから大丈夫ー)

 今日は猫の姿で食べるつもりらしいディアベルに、一応声をかけると、何処かで聞いたような台詞が返ってくる。

 地球のアニメか漫画だろうか。

 ずっと俺に憑いていたというディアベルは、意外と地球の文化に精通している。だから、『モミジさん』の言ってる事も理解出来てたんだろう。

 向こうはきっと甘酸っぱい青春してるであろう時に、俺は数日であはんうふんな展開だとは……。

「モミジさんは、少女漫画してるかなー」

 お粥をレンゲですくって、ふぅふぅと冷ましながら、チラリと見ただけの同郷の少女を何となく思い出す。

 米料理したせいか。



(『ここは後日談が描かれた特別編の時間軸だったのね!』『年上もありかしら。この世界、みんな若く見えるし』『慈愛溢れる聖女してれば、みんなチヤホヤしてくれるし、本当に楽勝よねー』)



 俺の呟きに反応したディアベルが、喜々としてものまね付きで『モミジさん』の近況を教えてくれる。

 関わりたくはないが、楽しそうなので少し見てみたくはあったり? 触らぬ神に祟りなし、って言うからな。向こうから来ない限りは……。

「ヒューは巻き込まれてないか?」

 そう思ったはずだが、口から出たのは自分でも予想外の問いで、反射的に口元を手で覆う。

(浮気しないか心配なのー?)

 お粥を食べ終わったディアベルが、にやーにやーしながらからかってくる。ついでに口周りの毛皮に付いたお粥のベタベタを俺の服へ擦りつけている。

「ちが……わない、のか……?」

 否定しようとした俺は、即答出来ずに首を捻る。

(聞いてみればー?)

 程よく冷めたお粥を食べつつ悩む俺に、俺の服を使った毛づくろいを終えたディアベルがのんびりと鳴いて答える。

「誰に……って、帰ってきてたのか」

 ディアベルの視線を辿った俺は、いつの間にか部屋の入口に佇んでいたヒューバートに気付いて軽く目を見張る。

「おかえり……あー、俺の言ったことは気にしないでくれ」

 恋人でもない相手を捕まえてヤキモチじみたことを口にした気まずさから、ポリポリと頬を掻いて視線を泳がせた俺は、ヒューバートを見ないようにして軽い口調で告げる。

「ただいま……その、だな、体調はどうだ? どこか、痛むとかは……」

 俺の発言は聞こえていなかったのか、おずおずと訊ねてくるヒューバートに、安堵した俺はけらけらと笑って、なんともないと手を振る。

「見ての通りだよ。初めてって訳じゃないし、回復魔法もポーションもあるし、ディアもいるんだ」

 俺の答えを聞いて肩を揺らしたように見えたヒューバートに、肩を竦めて答えた俺は、程良く冷めたお粥をゆっくりと食べ進めていく。

 魔力とお粥でお腹が膨れたらしいディアベルは、いつの間にかベッドの上へ移動して丸くなって眠っていた。

「それより、仕事は大丈夫だったのか? 三日ぐらい無断欠勤したんじゃ……」

「──それより話がある。クオン、私はその場限りの勢いで貴様を抱いた訳ではない。まして、前世で手に入れられなかった相手だから執着していて思い切りヤれば満足、なんて軽い気持ちでは決して無い!」

 俺がディアベルから視線を外すと同じタイミングで、ヒューバートは先程までのおずおずとした様子から表情を一変させ、駆け寄ってくる勢いのままダンッとテーブルに拳を叩きつけて声を荒げた。

 思わず息を呑んだ俺は、反射的にベッドで丸くなっているディアベルを再度振り返る。

 すると、寝ていたはずのディアベルの尻尾がペチペチと揺れている。

 やはりというか、ディアベルが先程の俺の『思い切りヤれば云々』発言をヒューバートへこっそりと伝えたようだ。



(こじれたら面倒臭いもーん)



 俺に気付かれたことに気付いたのか、ディアベルはそんな謎発言を残して姿を消してしまう。

「いや、あのな、ヒューバート。俺ってそんなお綺麗な生き方してなかったからさ。ヒューバートに俺みたいなのは勿体無いと思うし……あ、俺はヤル用の愛人ってのはどうだ? 俺としては全然構わないぞ?」

 椅子に座ったままの俺を押し倒しそうな勢いでにじり寄ってくるヒューバートを、俺はそんな軽口と一緒に両手で押し返そうとしたのだが……、


「黙れ」


 怒った顔もお綺麗なヒューバートは、短く吐き捨てると、俺を物理的に黙らせることにしたらしい。

「…………変わった味だな」

 何度も角度を変えて長々口付けられ、ボーッとヒューバートを眺めていると、ヒューバートは唇を舐めて怪訝そうな表情でそんな事を呟いている。

 お粥の味付けは和風にしたので、ヒューバートには食べ慣れない味だったんだろうか。普通に材料は売ってたんだが。

 醤油と味噌があまり流通してないことから考えると、向こうでいう和風というか東の国の味付けはこの国ではまだ珍しいのかもしれない。

 もう少しすれば『モミジさん(聖女)』の料理とか、『モミジさん(聖女)』が好きだってことで有名になって庶民にも多少は広まるだろう。

「一応、こっちにもある味付けだけど、やっぱりこの国の味に慣れたヒューには合わないか」

 話を逸らそうと鍋に残っていたお粥を示して肩を竦めてみせると、ゆっくりと首を振ったヒューバートが俺の皿からレンゲを取りあげ、残っていたお粥を一気に掻き込んでいく。

「お、おい!」

 突然の奇行に俺は慌ててヒューバートの腕を掴んで止めようとするが、その勢いは止まらない。

「火傷するなよ?」

 程良く冷めてはいるはずだが、念の為そう声をかけてもヒューバートは止まらず、鍋の中身を一気に空にしてしまった。

「えぇと、そんなに腹減ってるなら、もう少しガッツリしたもの作るか?」

「ごちそうさま。いや、大丈夫だ。あと、これは初めて食べる味だが美味い」

「そっか、良かった」

 ふへ、と気の抜けた笑い声を洩らしながら、ヒューバートの手から空になった鍋を受け取る。

 自分の作った物を美味しいと誉められると、やはり嬉しいものだ。それが好きな相手なら特に……。

 そこまで考えて俺は、はた、と片付けの手を止めると、こちらを見ていたヒューバートを見て納得してしまい、くすくすと声を上げて笑う。

「俺、ヒューバートのこと、好きだったんだな」

「は?」

 突然の俺の告白に、当たり前だがヒューバートからは訝しげな声と睨みつけるような視線が飛んでくる。

 ディアベルから散々からかわれてはいたが、俺は前世の時からヒューバートを好きだったのだと今さら改めて自覚した。

「いや、気付いてなかったけど、前世の俺はヒューが好きだった、って話……って、痛い痛い!」

 無言で見てくるヒューバートに耐えられず、俺は誤魔化すように笑って繰り返す。が、不意に俯いたヒューバートから腕をキツく掴まれて、抗議の声を上げる。

「だった……?」

「な、なんだ?」

 俯いたヒューバートの言葉がうまく聞こえず、痛みを堪えながら聞き返すと、顔を上げたヒューバートからキッと睨まれる。

「過去形、なのか!?」

「え、え? いや、違う……けど……?」

 鬼気迫る表情に、質問の意味がわからないまま瞬きを繰り返してヒューバートの問いに首を振って見せる。

「私も、前世からずっと貴様を想っている」

「だから、それは吊り橋効果だっ……て……」

 椅子に押しつけられるような体勢で繰り返される問答に焦れたのか、また物理的に反論を封じられる。

「前世から、と言っている! ……残念ながら罪悪感程度で相手へ好感を抱けるほど、私は聖人君子ではない。前世でクオンが私を友人だと言う度、私は何度もクオンを犯すことばかり想像していた。クオンが死んでからも、クオン以外を見たことも、ましてや欲情したことなんて一度もない」

 長い口付けの後でも息を乱さないヒューバートは、ギラギラとした目で俺を見ながら熱っぽく囁いて俺の首筋へと顔を移動させる。

「……私を信じられない、か?」

 計算ではないだろうが、椅子に座った俺の首筋辺りから、窺うように上目遣いで見つめてくるヒューバートに、無いはずの母性本能的なところにキュンとした気がする。

「それは、俺の台詞だろ。生まれ変わったとか、前世であんなバイトしてたのに、今さら好きだった、とか……。普通、信じてもらえないよな」

 実際、俺が逆の立場なら疑いそうだ。というか、まず疑う。

 今になって不安を覚えた俺に対し、ヒューバートはフン、と鼻で笑って、じゃれるように唇で俺の首筋へあちこち触れてくる。

「多少見た目が変わろうが、私ならわかる。どれだけ貴様の幻と生きてきたと思う? 貴様の笑い方、私を呼ぶ声、魔力の気配、触れた時の温もり、一日たりとも忘れたことはないからな」

 ディアベルの言う通り、ヒューバートの執着を俺は甘く見ていたのかもしれない。

「……もし捨てるときは、スッパリ捨ててくれよ?」

 負け惜しみというか、絡め取られるような怖さに俺は冗談めかせて告げながら、初めて自らヒューバートへ口付ける。




「そんな日は一生来ない。




──死んだって離してやるものか」




(捕まっちゃったねー)




 俺にだけ聞こえる声で嘯く悪魔の声を聞きながら、俺はヒューバートの背中へ腕を回して笑っていた。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます(。>﹏<。)


一応、これで完結してますが、モミジさんとかモミジさんとか『アレ』とか、書きたいことはあるので、また更新するかも……?

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