↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
2/27

嫌われちゃったらどうしよう……うっかりぽつん、らんゴイぽろん。

★前回のお話★


新しい街で友だち作りに挑戦中の藤井らん。

“へん語”を“ふつう語”に変えながらがんばる彼女の前に、

アクアマリンの瞳を持つ少年・矢沢健太が、やさしく声を掛けてくれた。


へん語少女とアクアきらら王子、ここからどうなる?

後編スタートです♥



「友だち……いっぱいいそう」

 ぽしょり。


 こんなきらきら王子さまだよ?

 ほっとくほうが、逆にムズん……


「友達……残念ながらいないんだ……ひ、一人も」

 ぽしょ返し。


「うそうそうそ!」

 ツインテびゅびゅびゅびゅん。

 目ん玉、ぼーん! だよぉぉぉ!

「これも、本当……」

 矢沢くん、にがにがにっこん。

「……私といっしょだ」

「え……藤井さんも?」

「えへへ……うん。ゼロ人……」

 頭かきかき、舌ぺろん。

「そう……なんだ」

 あ、びっくりしてる。

 矢沢くんも私のこと「友だちいっぱいっぽい」って見えたんだ。


 なかよしのメ、ぴょこん……わくわく。

 もっと、おしゃべりしたいな。


「あ、あのっ……このあと予定とか……ある?」

 おずおず、そわそわ。

「ううん、特に……かな」

(……わっ)

「じゃ、じゃあっ……あそこのベンチで……話そっ」

 公園指さし、ぴっ。ドキドキ。

「……うん」

(わはぁっ)

 やったぁぁ。

 ぱぁぁぁぁ。

「じゃあ、行こ!」

 るんるんてくてく。

 矢沢くん、少しうしろをてくてくてく。

 だれかとおしゃべりできるっ。

 うれしすぎて、テンションぴゅぅん!


 ベンチへタッタッタ。

 座るとこ、いじょーなーしっ。

「ここでいい?」

 指、ピッ。

「どこでも」

 にこっ。

(はわわぁ)

 矢沢くんのにこり、ハンソク級にきれいだよぉ。

「じゃあ、ここで」

 ふたりでちょこん。

(わわわ)

 男の子の横っ……すごくきんちょうするぅぅ。

「誰もいないね」

 矢沢くんぽつり。

「……うん」


 しーん。


 公園の時計ちらっ。

 十時。

 土曜の朝なのに、ふしぎなくらいしずか。


「ひみつのかくれんぼ、ぴゃるん」

 ぽろっ。


「え……」


(……え?)


 ――はっ。

 また、ことばのクセでちゃった。


『らんちゃんって、へんなの』


 ドク……ン。


(うぅ……)

 ひかれてたら、どうしよう。


 私のバカーーーーーーー!


 ひとりぼっちがイヤで、遠くの高校に来たのに。


 友だち作り、失敗したくなくて、ふつうのことば、いっぱい練習してるのに。


 たった数日でおわっちゃうなんて、ヤダ――


「……藤井さんってさ」

 びくっ。

 スカートぎゅっ。

「表現が、すごく鮮やかだよね」

(……へ?)

 顔ぱっ。

 矢沢くん、ふんわりにこ。

 ドキッ。

「へ、へんな言い方って……思わない……の?」

 ドクン、ドクン。

「思わないよ。むしろ……綺麗だと思う」


 ドキン。

(……うれしい)

『きれい』なんて、初めて言われたよ。


「自己紹介のときから、そう思ってるよ」

「じ、じこしょうかい……?」

 え?

 私、なんか……言った?

 血の気、さー……

「あの……私、なんて言ったの……?」

 汗たらたら、ガクブル。

「……覚えてないの?」

 矢沢くん、ぽかん。

(なははぁ……)

「私、どうもみんなの「ふつう」とズレてるみたいで……気づくと、ヘンテコことば言っちゃってるんだよね。む、無意識で。だからね、なにしゃべったか覚えてないんだ……」

 おでこぽりぽり。


 まいったなぁ……


 これ、ハジの上ぬりどころじゃないよね。

 ハジ、ペンキでべったーん。

 ぬりたてほやほや。


「だからその……みんなに『めんどー』って思われて……ずっとスルーされてたの」

 目線、地面にストーン。

 ついでにココロもずどん。

(ううう……)


 風、さわさわ。

 はっぱさん、シャカシャカ。


 矢沢くん、なんにも言わない。

 もしかして、困らせちゃったかな……

 こわくて、顔……あげらんないよ。


「そ、それでね……知り合いゼロの高校なら、いちから友だち作れるかなぁって……またよけーなこと言ってる? えへへー……」

 なんか、矢沢くん相手だと安心バリアがはずれて、

 言わなくていいことまでベラベラ。

 ことば、勝手にダッシュ……いいかげん止まってぇぇ。

「ご、ごめんねっ……こんな話、されても困るよね」

 スカートぎゅぎゅっ。

 目、合わせられないぃぃ。


「それは……本当に、つらかったね」

 矢沢くんのぽそり、耳にじわん。


(はあ……)

 やっぱり……気、つかわせてる。

 困らせちゃった――

「藤井さんの言葉の深みを理解できないなんて……損してるよ」

(……え)

 頭、そろっ。

 トクン……

 わらってる……

「君の自己紹介、すごく印象に残ってる」

 矢沢くん、ふわり、にこ。

 空へ顔くいっ、まばたきひとつ。

「名前のあとにね……『たくさんの「おはよう」を交わせる友だちを見つけたい』とか、『卒業アルバムのどのページにも笑顔がある毎日がいい』って言ってたよ」

(ひえっ! あわわわわ)

 私、そんなポエムみたいなこと言ってたの?

「ハ、ハズ……」

 顔、ボッ。

「ぜ、ぜんぜん恥ずかしいことなんて……! それで、藤井さんのことを覚えたっていうか……うん」

 矢沢くん、かぁぁぁ。

「え、あ、そ」

 ぽぽぽぽぽ。

(あうあうあう)

 いま、春だよ?

 ふたりの顔だけ真夏だよぉ。

(ボーボー……あ)

 なんか……ちょっとだけ思い出したかも……


『ふ、藤井らん……ですっ』


 あのとき、きんちょーで顔バクハツしてて。

『ふつう』を意識してことば探したのに、

 頭ん中まっしろで。

 気づいたら口が勝手にしゃべってて、

 そのあとキオクがバチッと飛んで……

 再起動ギギギ、寮のベッドで天井ぽかん、じー。


(そっか)


『たくさんの「おはよう」を交わせる友だちを見つけたい』

『卒業アルバムのどのページにも笑顔がある毎日がいい』

 そんなこと言ってたんだ、私。

 って……入学初日からクラスメイトに『へんな人』って思われてたらどうしよう。

 汗、だばだば。

「僕も藤井さんみたいに、カッコよく自己紹介しようと思ったんだけどさ。結局『よろしくお願いします』が限界だったよ」

 ほっぺ、ぽりり。

(はうぅ……)

 矢沢くん、にがぁくわらってるけどさぁ。

 それがせーかいだって思うよぉ……

 目立たないあいさつ、いちばん……!

 うう……なんで私、

 あんなポエムバクハツしちゃったんだろ。


「……さっきのあれ」

 矢沢くんがぽそっ。

「な、に……?」

 また私、やらかした?

 ハラハラハラ。

「ほら、僕が声をかける前にさ。『しゃぼんのあまみ』って……」

(えーっと……)

 言ったの……かな?

「うん」

「……それとさ」

(うひっ)

 ま、まだあるの……?

「僕を見て、『アクアマリン』って言ってたよね」

(あわわわわ)

 はい、言いました……ぷしゅぅぅ。

「ごごごごめん! へんなこと言って」

 あたふたあたふた。

「変なんて、ぜんぜん」

 矢沢くん、ふるふる。

「……そうじゃなくてさ。藤井さんの言葉って……僕にはその……ま、眩しいくらいで。無理に『普通』に合わせなくても……その感性、すごく素敵だと思うんだって、言いたかっただけ」

 にこっと、へにゃん。


 トクン……きゅっ。


(うれしいなぁ……)

 私のへんことば。

 この街で、はじめて「ステキ」って言ってもらっちゃった。


「僕も藤井さんと同じように、卒業アルバムのどのページにも笑顔がある毎日がいいから、無理して自分を作るのはやめようかな」

(え?)

「……ムリ、してるの……?」

「……うん」

 ちょっとだけ、すー……アクアぱたん。

「……嫌われるのが怖いからね」


(そんな……)

 つくりものなんて思えないくらい、

 横顔、すごくきれいだよ……

 あと、姿勢だってシュッだし、

 きらわれポイント、見当たんないよ。


「アクアマリン……か」

 矢沢くん、ぽつり。

 ふた閉じまぶた、すっ、ぱちん。

 アオい目、きらり。

 吸いこまれそう……


 私へ、にこっ。

 またまたどっきん。


「僕を褒めてもらえて、本当に嬉しかった。藤井さんの言葉って……僕だけじゃなくて、きっと誰かの救いにもなると思うんだ。だから……『普通』に惑わされず、そのままの感性を大事にしてほしいな」


(……矢沢くん……)


 そんなふうに言ってくれるなんて……

 ちょっとくすぐったうれしいよぉ。


 さっきのことば。


『暗いって言われるほうが多いんだ』


 あんなふうに言ってたけど。

 こんなにあったかいことばが言える人なのに、

 どうして、だれも気づかないんだろ。


「……矢沢くんのよさ、見えてないなんて……もったいないよ。ほんとに」

「藤井さん……」

 まっすぐで、人をよく見てて。

 こんなにキモチのきれいな人に気づかなかった周りの人たちに、言ってあげたい。


「矢沢くんを『暗い』でまとめちゃうの、もったいなすぎるよ」


 それに――


『表現が、すごく鮮やかだよね』


 そんなふうに私を見てくれた人は、どこにもいなかった。


「……ありがとう」

 矢沢くんのやさしいにこり、ふわり。

 風……しゃぼんの香り、ぽんぽんふわん。

「私も……私を見つけてくれて、ありがとう」


 ずっと「へん」って言われてきたことば。

 矢沢くんのほわほわひとつで、むねがぽわん。


(……泣きそう)


 友だちになりたい……けど……


『らんちゃん、めんどくさい』――ズバン。


(うぐっ……)


 最初はやさしくしてくれても、

 そのうち『めんどくさ』ってなってくるかな。

 はぅぅ……

『めんどくさい』すっかりトラウマ。


 でもでも!

 せっかくおしゃべりできたのに、このままバイバイしちゃったら、

 ただのクラスメイトでおわっちゃうよぉ。


(どうしよ……)


『友だちになってください』って言っちゃう……?

 ああああ、でも……!

 スカートぎゅぎゅぎゅ。


「ふ、藤井さん」


 びくくっ!

 ツインテ、びょぉぉん。

「はははははいっ!」

 背すじぴーん。

「もし……迷惑じゃなかったら、明日もここで……話せたらいいなって」

「……へ?」

(あわわわわ)

 へんな声出ちゃった……!

「君の前だと……無理しなくていい気がするんだ」

「う、うん……」

 ぽぽぽ。


 高校生活のはじまりに、ちいさな声がころん。

 私の世界に、花びらひらり。

 桜がふわり、ぽぽぽんぱぁ――

























読んでくれて、ありがとうございましたm(__)m

次回更新は、明日朝7時です☀

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。