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私の居場所を見つけてください。  作者: 葉方萌生
第五章 かわいい我が子です

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□西テレ『怪奇!日本全国心霊スポット探索〜呪われた廃墟に関する最後の動画〜』(2051/3/15)



MC「こんばんはー! 本日の『怪奇!日本全国心霊スポット探索』では岩手県某市にある霜月町の廃病院、清葉病院の裏手の森の奥で発見されたカメラに残された映像を解析してみました! 実は、カメラのすぐそばに携帯電話も落ちていたみたいです。スマホです。懐かしいですよね。便利だけどちょっと大きくて、やたらお金がかかる、ちょっと昔の携帯です。まあでも、今回ご紹介する映像はスマホではなく、GoProと呼ばれるカメラで撮影されたものです。いまも、最新機種が売っていますねー。見つかった機種は当時の最新機種でしたが、映像を解析するのがかなり大変だったようです。とまあ、そんな前置きは置いておいて、早速映像を流しましょう。それでは、どうぞ!」






~呪われた廃墟に関する最後の動画~





00:00/25:42 鬱蒼とした森の中が映し出される。映像がぶれる。しばらくするとようやく安定する。全身真っ白で、長い髪の毛の女が映し出される。





03:52/25:42 震えるような女の声が入る。

——ワタシ……ハ……ココ……。





04:14/25:42 ばらばらの祠が映し出される。

撮影者「子作……安寿の祠……」





05:25/25:42 女の顔が、突如子どもの顔に変化する。

——やっとあえたね。





06:01/25:42 女の霊が追いかけてくる。撮影者が逃げ出したため、映像が激しくぶれる。

「どうして……!」





08:35/25:42 撮影者が廃病院である清葉病院へと向かっていく。

「助けて!!」





11:25/25:42 清葉病院の中へと逃げていく撮影者。足音が多重に聞こえる。

スマホで誰かに電話をかける撮影者。

「や、山吹せんせい……たすけて、ください」





13:19/25:42 撮影者はほとんど暗闇の病院の中を、無理やり進んでいるという感じで突き進む。どこからともなく、赤ん坊が泣くような声が響く。

「い、岩手の清葉病院です……足が……勝手に動いて、」

「ここに、来なくちゃいけないと、思って」





16:27/25:42 撮影者の荒い息遣いと、多重の足音が響き渡る。撮影者の声はひどく掠れている。

「は、い……」





18:04/25:42 電話の相手に必死に何かを訴えかける撮影者。歯がガチガチと鳴る音が不協和音のように響く。

「見たくないものが、見える。聞きたくない声が、聞こえるっ……」





19:36/25:42 撮影者の息が上がっている。

「私っ……このまま、死んじゃうの、かな」





20:02/25:42 タンタンタンと階段を上るような音。この辺りから、撮影者の様子がおかしくなる。

「山吹先生……私、先生には伝えていなかったんですけど、赤ちゃんができたんです。元彼との子です。私はどこかで、この子がいればまだ彼ともつながっていられると思っていました。でも、本当はちがうのかも……」





21:22/25:42 撮影者の声は聞こえない。長い廊下を突き進んでいる足音と、赤ん坊の声と、風がひゅるるると吹くような音が同時に重なり合う。

再び階段を下りる音と、ギイ、と扉が開く音が響く。





23:24/25:42 慌てていた撮影者が突如落ち着き払った様子に変わる。

「山吹先生。私ね、養子だったんです。母と父の。それで、DNA鑑定もしたんですよ。そしたら鑑定結果では、母と歴とした親子だったんです。血が繋がっていたんです。これってどういう意味なんでしょうね?」





24:06/25:42 笑い声がいくつも重なる。撮影者は気がふれてしまったように、もう恐怖心は見てとれない。

「すみません。今のぜんぶ、冗談です、ふふっ」





25:10/25:42 何か固いものを地面に落とす音と、衣擦れのような音がかすかに響く。

「ごめんね、ただいま」






お か え り







<了>


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