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私の居場所を見つけてください。  作者: 葉方萌生
第五章 かわいい我が子です

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□「娘が行方不明になりました」/ヨミの国チャンネル(2025/9/21)

00:00/07:15「突然、すみません。私はこのチャンネルを運営しているヤミコの母です。こんな場所から失礼します。動画を撮影してもらうのは初めてで、正直なにがなんだかよく分かっていません。だけど、娘のことを応援してくれている皆様にごう報告しなければならないことがあり、撮影をしてもらうことにしました」



01:03/07:15「単刀直入にお話すると、娘が行方不明になりました。私は娘とは離れて施設で暮らしているのですが、最近娘が訪ねてきたんです。えっと、いつだったかしら……。あ、そうそう、九月十日……だったわね。ごめんなさい。ちょっと私、物忘れが激しくて。そのときの娘は切羽詰まった様子で……自分の出生について知りたがっていました。こんなこと、ここでお伝えするのもどうかと思うのですが、娘は養子なんです。それも、引き取るに至った経緯がちょっと特殊で……話してもたぶん、信じてもらえないと思うんですけれどね。皆様はここで、娘が清葉病院に行っていたことを知っているんですよね……? 娘が教えてくれました。そこで私は若い頃に助産師として働いていたんですけど、妊娠して、自分の病院で産むことになったんです」



02:55/07:15「だけど、結局“流産”してしまって……。授かったのも不妊治療の末のことだったので、それはもう落ち込みました。そのまま仕事も辞めてしまって。失意の最中、真っ暗なトンネルの中をずっと歩いているような心地がしていたんですけど……。あれはちょうど、本来なら子どもが産まれる予定日のはずだった二〇〇〇年六月九日……泣いている赤ん坊を、見つけたんです」



04:05/07:15「清葉病院の裏手に森があるんですけどね。そこの入り口付近に祠があって……。『子作安寿の祠』というんですけれど、その祠は昔からこの辺では水子供養の祠として祀られていたんです。だけどその祠が壊れていて。びっくりしました。そしてその壊れた祠の瓦礫のなかで、赤ん坊が毛布に包まれて泣いていたんです。産まれたばかりという感じの大きさで、赤黒い皮膚で、まさに“赤ちゃん”って思った記憶があります」



05:14/07:15「さすがに目を疑いました。母親はどこにいるんだろうって周囲を探しましたが、それらしいひとはいませんでした。私は……いてもたってもいられなくなり、その子を抱き上げました。おむつもしていなくて、裸の状態で毛布にくるまるその赤ん坊が、流産で失った我が子のように思えて仕方がなかったんです……。ええ、分かっています。すべて自分の妄想で、思い込みだって。だけど、そのとき赤ん坊を拾ったのは本当なんです。そのときの赤ん坊こそ、このチャンネルを運営している娘のヤミコ……いや、みよ子です」



06:22/07:15「しかるべき手続きをして、彼女を養子として迎え入れました。だけどその後夫が亡くなってしまって……。夫が亡くなったのは事故だって言われたんですけど、どうしても事件としか思えなくて。私は、夫の仇を打とうとあの男を……。いや、なんでもありません。とにかく娘のことは本当の我が子のように愛し、育てました。血が繋がっていないはずなのに、繋がっているような気がするのですから、おかしいですよね」



06:49/07:15「どうか娘が戻ってくるように、ここに皆様に娘のことをお伝えしました。もし娘を見かけたら情報をください。なんでも……待っています。娘はいくつになっても可愛い我が子です。どうか……どうか、よろしくお願いします」





※動画は編集までされているものの、通信障害のためアップロードされず。非公開状態のままチャンネル内にとどまっている。


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