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第六十四話
「善なる者の意志、力だけのものだ。魔王を利用した邪悪なる者の意志が暴れた時バランスを取るようになっている。そしてそれは1000年前の戦いでも姫と勇者に力を授けたのだ。因みに当時の勇者もお前のような者だ」
お前のようなと言われ勇は目を丸くし彼女に近づ小声で問う。
「ちょっと待って、俺みたいな異世界転生してきたのがもう前にいたっての?」
「ちょうど日本人だな。戦国の時代らしい。が、やつはあの乱世にありながら自分より他人を優先して死んでいた。ゆえにこの世とは異なる魂、心を持つやつの魂を呼んだのだ」
話を聞くと勇は武蔵坊弁慶のような頑丈かつ忠義ある武人が浮かんだ。が、微妙に時代が違うことに気づく。
「だから同じように俺ともう一人も呼んだってわけか」
勇は自分がこの世界にきた理由に納得した。
「もう一人の方は微妙に違うが似たようなものだ。他に質問は」
「ないよ」
勇は善なる意志に答える。
「他の者は他に聞きたいことはあるか」
「いえ、今のところは」
善なる意志にハリーが答えた。
「一つ、いいでしょうか」
恐る恐る聞こうとしたのはクリムだ。




