死の館と霊能少年 XI
「君は、だれ?」
僕にとって幽霊は幼い頃から見る事ができた、当たり前に存在するものだった。
「!こら、また一人で迷子になったらどうするの!」
でも、母さんは幽霊が見えない。父さんは…もういないので話を聞いたことはないが、きっと見えたわけではないのだろう。母さんの僕を見る目はただ不思議そうで、気味が悪いとは思っていなさそうだったから、見える誰かと接した経験は無さそうだった。
幽霊にもいろんなのがいる。人の幽霊もいれば、動物やなんだかよくわからない生物の時もあった。ただ、みんな意思を持って喋り返してくれることだけはない。表情や身振りで何かを訴えるだけだ。そこに悪意はない…と僕は思ってる。
小学生になったある日、同級生の給食費がなくなる事件があった。みんなが必死に探したけど見つからなくて、盗まれた子はずっと泣いていた。
「…え?」
その時、近くの男の子…の幽霊が両手でどこかを指差していた。片方は泣いてる子の近くの子を、もう片方は…その子のランドセルだった。
「そこにあるの……?」
僕はその子のランドセルを探そうとしたけど、本人にすごく邪魔された。当然だ、他人に自分のものを漁られるなんて嫌でしかないし…ましてや決定的な証拠があるんだ、絶対に見られたくないだろう。
結果、ランドセルを持ちながら揉み合いになって、そのうちにランドセルの中のものがばら撒かれる。中には無くなったはずの給食費もあった。
「あ…」
「ち、ちがう!コイツが僕を犯人にしたくてわざとここに隠したんだ!」
犯人の子はそう主張した。
当然僕も違うと反論したけど。
「じゃあどうしてあそこにあるって思ったんだよ!」
「それは……」
僕はありのままを話しても誰にも信じてもらえなかった。
そこで知った。『見える』というのは特異で、『見えない』のが普通だっていうことを。
でも、もう遅かった。結局、給食費は僕が盗んだことにされ、僕はいじめの標的に。
やがて僕は引きこもりがちになって人を信じられなく…なったりはしなかった。
子供であっても習慣づいたものというのは恐ろしく、幽霊の思いを遂げさせる…成仏させるって言うのが正しいかはわからないけど、そんなことをいじめられても毎日続けていたら、不思議なことにイジメは止まった。
いや、止められた…が正しいんだろう。
僕をいじめようとする子が出ると、たちまちその子に不幸が訪れる。怪我だったりね。
だから一年も経つ頃には僕をいじめる子はいなくなった…けど。
『気持ち悪い……』
結局僕は一人だった。当然だ。関われば不幸になる人間なんて誰も付き合いたくない。
今までずっと、僕は一人だった。小学校ではまともに同級生と話すこともできず、中学でも爆速で噂が広まって。僕の話し相手は物言わぬ幽霊達。悪霊もいるけど、僕を怖がらないだけマシだった。
だからだろう。目の前にいる女の子が、僕がどれだけ望んでも見つけられなかった『自分の世界の理解者』を簡単に諦めようとする事がどうしようもなく許せなかった。
「良い訳ないだろ!こんな装置に押し込められて!もう家族と会えるかすら分からないのに!このままで良い訳ないだろ!」
泣きながら流は叫ぶ。声には怒りと哀しみと…そして、決意がこもっていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
諦めるユウハを前にした流の思い…というところでまた明日です。
さて、集中投稿をするとここで書く事がなくなって困りますね。
最近、友人に勧められてゲーム実況でもしたいと思っています。配信スタイルがいいのかもしれませんが、声や諸々考えた時に声を出さなくて済むようなゆっくり実況の方が時間はかかるけどやりやすいのかな、とも、思っていたり。どうでもいい話でしたね。それではまた!




