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第66話 呼ばれた理由1


俺がソフィちゃんの杖に思いつきで属性付与した魔法は、第5位階魔法の『底無沼魔法ボトムレスワンプマジック』と言う、とんでもない強力な魔法である事が判明し、また、魔力、攻撃力もステータスアップすると言うおまけつきの破格な性能を持つ魔法具マジックアイテムと化していた……。


………うん。やっちゃってるぅ!!

その杖を使い、ソフィちゃんはあっさりと角兎ホーンラビットを泥沼に嵌め溺死討伐していた。



「ソフィ、パンツ……。これじゃモンスターの素材が取れないよ。」

「「あ……。」」



アイルのツッコミに、俺とソフィちゃんは茫然とする。

先程、『底無沼魔法ボトムレスワンプマジック』を使った場所は、既に何事もなかったかの様に元の硬い地面に戻っている。

その地面からは角兎ホーンラビットの両耳と角の先端だけが僅かに地面に見えており、そこに角兎ホーンラビットが埋まっている事を示しているが、中々シュールな光景だ。

肉を食べるにしろ、討伐金を得るにしろ、モンスター本体か一部が必要になる。

掘り起こすのも手間だしなぁ……。


………。

!!



「アイル!!」

「な、何!?いきなり叫ばないでよ!ビックリするでしょ!」

「今度はアイルの属性付与の効果を確認する番だ!」

「え?何を…………そうか!!」



アイルも直ぐに察し、剣を抜き魔力を込めて、埋まってしまった角兎ホーンラビットの辺りに剣先を向ける。



「よーし!行くよぉおおお!!山脈脈動マウンテン・プロージョン!!!」

ドン!!ガガガガガガガガガ…………



アイルが剣に魔力を込めて土魔法を唱えると、轟音と共に目の前の地面がせり上がり、埋まっていた角兎ホーンラビットが姿を現した。



「「おおおおぉぉ~」」



俺とソフィちゃんは同時に感嘆の声をあげる。

どうやらアイルの剣への属性付与も上手くいったみたいだな。

ガガンさんが属性付与したので間違いがある訳ないけどさ。


再び日の目に出てきた角兎ホーンラビットを俺達は土の中から取り出して、俺の収納魔法ストレージマジックに収納する。

さて、この後、どうするか。



「何か、あっさり効果確認出来ちゃったな。どうする二人とも?村に帰る?」



俺がアイルとソフィちゃんに問いかける。



「私はもっとこれでモンスターを倒したーい!!」

「あたしもこの剣の効果……と言うか、土壁の防御力がどれだけあるのか試したいからもう少し討伐して行かない?」



アイルもソフィちゃんもまだまだ新しいおもちゃを試したりない様で、

二人は引き続きモンスターを討伐しながら武器の効果確認を継続する事になった。

アイルとソフィちゃんは同時に草原に駆け出して、モンスター討伐へと向かう。

1人残された俺は草原に腰を下ろし、胡坐をかく。

空は雲も一つなく、既に春の陽気が感じられる程に陽が射しており、ぽかぽかしていて気持ちがいい。


とてもモンスターが出る様な草原とは思えないな。

俺は大の字になってウトウトしだす。

遠くから、アイルとソフィちゃんの魔法を使う声が聞こえて来るが、それさえも子守唄の様に眠気を誘う。

俺は静かに目を閉じると眠気に促されるまま眠ってしまった。

………

…………………

………………………………

「おーい。起きなさーい。起きろー。起きろってのも変か。精神だけこっちに呼んでるから本体は寝てるし。プックスクス!」



何だこの一人ノリツッコミをしている女の子?女性の声は?

アイルやソフィちゃんの声とは違う。



「早く起きなさい!!!」

ボスッ!

「痛っ!誰だ一体!!」



寝ている俺の脇腹に衝撃が走る。

どうやら脇腹を蹴られたみたいだ。



「遅いよ起きるの。しっかし頑丈ね。人外なスキル与えすぎちゃったなー。」



俺が起きると周囲は真っ白でキラキラと光っている。

まるでダイヤモンドダストが辺りを舞っているかの様な幻想的な世界……俺がこちらの世界に来た?際に光に包まれた世界が拡がっていた。

どこだここは。


そして目の前には赤と白を基調とした羽衣に身を包んだ女性が立っていた。

目元は切れ長で鼻もスッと通っており、一目で見惚れてしまう程の美人さんだ。

そして一番にめに留まるのが、七色に煌いている髪が靡いている。

瞳の色は淡い青色で引き込まれそうな程に澄んでいる。

しかし……肝心のおっぱいはちいさ……


ボコッ!!



「貴様!!女神を前にしてどこを見ている!!無礼者め!!」



いたた……いきなり殴られた……。

何だよ。久しぶりに俺の固有スキル『眼見巣琉ガンミスルー』を発動しようとしたのに……。

朝はアイルにボコられるし、夢?の中まで殴られるなんて何て日だよ。

それに俺はメリッサ村前の草原で眠りかけていた筈……。



「……………すみません。あなたは……どちら様ですか?」



俺は目の前に立つ羽衣姿の女性に恐る恐る語り掛ける。



「それ聞いちゃう?簡潔に言うと、私は女神だよ!」



………。

…………………。

簡潔過ぎて何もいえねぇ……。



「…………はぁ。」

「はぁっ……て、もっと驚いても良くない?」



いきなり暴力振るわれるし自分で女神なんて言っちゃうなんて……なんて痛い人なんだ。



「これ、夢でしょ?」

「うーん。はっきり言うね。これは夢ではない!そしてここは天界!神が住まう世界!!!」

「……………って言う夢なんですよね?で、どこまでが夢?俺が車を運転中に光に包まれてから、あの草原で居眠りしかけて今現在、あなたに会うまでが夢?」

「だから夢じゃないって!!あんたは地球の日本から私が召喚したの!この世界の調整役コンコードの為にね!!」

「?……すみません。何を仰っているのかさっぱりわからないです。」



何だいきなり。

世界の調整役コンコードって何だ。



「まだ信じてないわね。分かった。あなたの前の世界での人生を教えてあげる。

あなたの本当の名前は神代 ゆかり38歳。

両親とは既に死別していて結婚はしていない。

仕事は地方の運送会社の輸出入を担当している業務に就いていた。

そして美少女ゲームが大好きな少しロリコン気味のむっつりすけべなおっさんでしょ。

ちなみに女性の経験人数は6人て所ね。プレイ内容も言ってあげようか?あんた結構ねっとり攻めるタイプだねぇ。ほほぉう中々テクニシャン……」

「いや!ごめんさない!!女神様!!信じるからヤメテ!!」

「あっそう?信じてくれた?まぁ兎に角、あなたは残業を終えて帰宅していた所を私があの世界に召喚したの。おまけのチート能力を付与してね!テヘ!!」



可愛らしく自分をげんこつする仕草をしているがリアクションが古い。

夢にしては俺の人生を事細かに述べすぎだな。

本当に夢ではないのか?やっぱり。

しかし召喚てまたベタな事を。

ラノベか。いつの間にか俺にラノベ展開来てたのかこれ!?



「俺を召喚したんですか?」

「そ!!召喚だけチャチャッとやっちゃったんだけどさぁ、召喚中に別件の急用が入っちゃって!説明するのを忘れ……遅れただけだからメンゴメンゴ。ね!許して!テヘペロ」



これ本当に神様なの?

随分とノリが軽い。

と言うか、説明するの忘れただろ絶対。



「あのー、女神様?召喚とかって普通、召喚される時に神様とご対面してから召喚した経緯説明とかするもんじゃないですか?」

「だよねー。だから今、説明に来てるでしょ?許してー。」



言葉では謝罪をしているが、言葉に心が籠っていない棒読みだ……。

反省してないだろ。



「だって私、神様だし!!そのお詫びって訳でもないけど、破格のチート能力を授けてから放り出……………召喚してあげたのよ?逆に感謝して欲しいね!!」



今、放り出したって言おうとしたよね。この女神様。



「破格のチート能力って、そもそも何の能力を付けたんですか?いきなり異世界に来て人外の能力身についてるしでこちとら怖かったんですよ!」

「でも便利だったでしょー?魔法は使いたい放題だし素手でも敵なし!しかも若返って不老ふすぃ(不老不死)のオマケつきだよ!!」

「へー…………ってえ!?不老ふすぃ(不老不死)って、死なない上に歳取らないって事!?」


※ブクマ登録して頂いてありがとうございます!

今後とも誤字、脱字報告・評価・ブクマ等して下さるととても嬉しいです!

感想など頂ければ作品の方向性の参考にもなりますのでよろしくお願いします。

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