第27話 お酒の嗜み
沢山の方にお読み頂きまして感謝です!
これからも不定期ですが更新していきますのでお付き合い頂けると嬉しいです!
今は午前中でギルドが最も混雑する時間帯でもある。
『復癒草』の依頼達成報告と、キラーアントとギガントパイソンの鱗と肉を換金したかったが取りあえずシェール達の宿泊の予約をしてから時間があれば換金に戻る事にした。
それにステフのおっさんもアイルとソフィちゃんが帰って来なくて心配しているだろうしな。
「帰りましたー!」
アイルが元気よく宿の扉を開けるとステフのおっさんが勢いよくカウンターの裏から走り込んで来た。
「おめぇ達!!無事だったか!!」
そう言うとアイルとソフィちゃんをきつく抱き寄せる。
「おじちゃん……痛いよぉ……。」
ソフィちゃんが静かに抗議の声をあげる。
全く、幼気な幼女と美少女を同時に抱き寄せるなんて………羨ましいぞ!!
「あぁ……すまなかった。お前たち、どこも怪我とかしてないのか?」
「う、うん。何ともないよ。どうしたの?一体。」
「どうしたもこうしたもあるか!帰って来ないから心配するに決まってるだろ!!それに昨夜、この街の外壁を何かに攻撃されて崩れ落ちたって聞いてたし……まさか巻き込まれてたりしないかと思って眠れなかったんだぞぉ!!」
ステフのおっさんは涙目でアイルとソフィちゃんをまた抱きしめて頬ずりしている。
アイル苦笑しつつステフのおっさんから顔を引き剥がす。
「心配かけてゴメンね。昨日の昼には帰る予定だったんだけど、色々あって野営してたんだよ。」
「色々って何があったんだ?」
ギロッ……。
「おめぇが何かしたのか?(怒)」
「え?俺?」
ステフおっさんはいきなり俺を睨み付けて拳をポキポキし始める。
え?何で俺に怒りの矛先が向くのでしょう?
「おえめが何かヘマやらかしてアイル達を危険な目に合せたんじゃねぇのか?あぁぁん!?」
ステフおっさんが俺に詰め寄ってくる……顔近い……暑苦しい………
チューしようなんてしないぞ……。威圧感がゴイスーだ……。
と言うか、そもそもアイルが道に迷ったからこんな事になったんだけどな……。
俺が涙目で気圧されているとソフィちゃんが口を開く。
「おじちゃん!パンツ兄ちゃんは何もしてないよ!!」
「ほんとかぁ?……ソフィがそう言うなら……。」
ステフおっさんはそう言うと俺に対する威圧を弱める。
ソフィちゃん!!ほんとカワイイね!!!
後で何か買ってあげるよ!!
「……何もしてない……ねぇ……。」
アイルがジト目で俺をみながらボソッっと呟く。
「アイル様?魔法の件はなにとぞご内密にお願いしますよ?」
俺は耳元でアイルに囁く。
「う~ん……どぉ~しよっかなぁ~?」
アイルが悪戯っぽく笑いかける。
「じゃあさ!パンツが私達と正式にパーティ組んでくれるなら黙っておいてあげてもいいよ!!」
「へ?それだけでいいの?」
「それだけって……パンツみたいな規格外の『化け物』がいてくれれば冒険も安心してできるじゃない!!」
アイルは笑顔で握りこぶしを作りながら俺の胸に軽くパンチしてくる。
化け物って……しかし俺としても今更違う連中と冒険者パーティを作ったり参加するのもめんどくさいし、こちらの世界?に来てからお世話になってるアイル達と居た方が変に気を遣わなくていいしやりやすい。
それに美女と美少女でパーティなんて……正に『両手に花』状態で冒険出来るなんて……そんなの……サイコ―じゃないかぁ!!それにまたラッキースケベにありつけるかもしれないし……グフフフフ。
ボコッ!!
アイルの右ストレートが俺の顔面を捕えた。ごっつあんです!!(ありがとうございます)
アイルがステフおっさんに『太陽の風』の4人パーティが泊まりたい事を伝えると、ステフのおっさんは快く承諾した。
そう言えばあの4人が泊まるきっかけが酒だった事を思い出す。
「ステフさん、この宿に帝国のお酒があるってアイルから聞いたんですけど美味しいんですか?」
「ん~そりゃうめぇぞ!俺も自分用にも酒仕入れてるぐれぇだしな。それに俺の出身は帝国だし酒なしの人生なんて考えられねぇぜ!!」
「え?そうだっだの?知らなかったぁ!」
「おじちゃん、プリンタイ帝国の出身だったんだ!」
ステフおっさんの出身についてはアイル達も初耳だったらしい。
しかし『プリンタイ帝国』って何度聞いても違和感ありまくりだな……。
しかも名産品が酒って……。
痛風一直線の国っぽいな……。
「それで、お薦めのお酒とかあるんですか?」
「そうだな。酒蔵によって味も全然違うからなぁ……。これなんか初心者にはお薦めだぜ。」
ステフおっさんがそう言いながら一本の瓶をカウンターから取り出した。
その瓶には薄い琥珀がかった液体が入っている。
「これはなんですか?」
「これは『クレリキュー』って酒だ。甘いから飲みやすいぞ。」
そう言いながらステフがいつのまにか小さ目のグラスにその酒を注いでいく。
「ほれ、少しだが飲んでみ?」
まず匂いを嗅いでみるとなるほど、甘い香りがしてリンゴみたいな匂いがする。
果実酒?酒に詳しい訳ではないが、大体の見当をつける。
そして俺は少しその液体を口に含んでみる。
「!?これ、うまい!」
「だろ?」
りんごジュースの様な甘い香りが鼻腔を刺激して芳醇な香りが口の中に広がる。
そしてアルコール特有の刺激を感じる。
これは……飲みすぎるとヤバそうな酒だな……。
ジュース感覚、カクテルの様な酒だがアルコール度数は高い気がする。
俺は一気にグラスを煽って飲み干す。
すると俺が満足そうにしていると横でそれを見ていたアイルとソフィちゃんが話しかけてくる。
「ねぇ!パンツばっかりずるい!!私にも頂戴よ!!」
「私も飲みたーーーい!!!」
「おめぇ達はまだ成人してねぇだろ?ダメだ。」
アイルとソフィちゃんが俺と同じ酒を寄越す様にステフに詰め寄るが、ステフは断る。
「ソフィは兎も角、私も来月で成人するからいいじゃない!!と言うかもう成人でしょ!!」
「……全く…しゃーねーなぁ。少しだけだからな?」
「やったぁ!!」
ステフおっさんがショットグラスの半分程注ぎいれてアイルに手渡す。
アイルがそれを受け取り喜ぶ隣りでソフィちゃんは頬を膨らませてぶーたれている。
「ずるい……お姉ちゃんだけ……。」
「ふっふ~ん。ソフィも早く大人になりなさい?そしたら飲ましてあげるよ?グイッ!」
アイルは俺の真似をしたのか躊躇う事なく一気に煽って飲み干した。
「ソフィちゃん、今度、美味しいお菓子でも買いに行こ?ね?ステフさん、何か似たような飲み物ないですか?」
俺はソフィちゃんのご機嫌取りをする事になった……。
白金級の魔法が使えると言っても、ソフィちゃんはまだまだ子供だ。
大きくなったらおじさんとよさげなBARで大人のお酒を飲もうよ……グフフフ
ドコッ!!
俺がソフィちゃんのご機嫌取りの為に屈んでいた所にアイルの拳が俺の脳天に振り下ろされた。
「いたた……。アイル……そのすぐ手を出すの止め……て。」
俺は頭を摩りながら顔をあげるとそこには目が座据わっているアイルが俺を見下ろしていた……。
あ……あちゃー…そんなベタな展開ある?いや、まさかね‥…。
「おい……プァンツゥ……また……ソヒィに変な事を考れらたらろ?」
えええぇぇ!!もう呂律が回らなくなってる!一杯飲んだだけなのに!!
「おい!!ぷあんぅ(パンツ)!!聞いれるろかぁ!!」
「あ、はい。聞いてます。」
果実酒1杯でここまでべろベロになるか!?しかもショットグラス半分程しか飲んでないのに……。
ん~~しかし絡み酒はほんとめんどくさい。
記憶の中にある会社での飲み会が頭を過ぎる。
女子社員(BBA)がいきなり俺に絡んで来て飲み会が終わるまで、
ず―――――――――っと2時間、会社と家の愚痴を延々聞かされた。
他の皆は我、関せずと近づいて来なかったし全然楽しくない飲み会だった……。
俺って今まで気づかなかったけど、絡まれ体質なのかぁ……。
ステフおっさんにもいきなり絡まれたし……。
「おい!!ぽぉんつぅ(パンツ)!!聞いれるかぁ?」
「は、はい!何ですか。」
「あんられぇ……あんら……なぁんでそんなに強いんれすかぁ?」
「ねぇ……何でなんでしょうねぇ……僕にもよく分からないですよ。」
「はぁぁぁぁ?分からないって何よ!!わたひにも喋れない秘密でもあるって言うんれすかぁ!わたひも強くしなさいよぉおお!!ずるい!ずるい!!」
アイルが俺の襟を掴みガクガク揺さぶる。
んな無茶な……。その前にお酒に強くなった方がい……。
いや、この展開だとベタに翌日には記憶がないとかなってそうだから今後、酒は飲まさない方がいいなこれは。うん。
今後、アイルが一人立ちした後にそこらの変な男に引っかかって飲まされたあげく凌辱されたりなんかしたらいけないからな!!
「おい!ぴゃんつぅ!!無視するなぁぁあ!!!」
ボコッ!!
「ぐふッぅ!!!」
やばい……これは最悪だ……アイルの凶暴性が発露している。
絡み酒でも最悪の展開だ。
しかも酒のせいで力加減が出来なくなってるし……。
これじゃ変な男も撃退しちゃいそうな勢いだ……。
「す、ステフさん、た、助けて……アイルに水を……。」
俺はチラとステフおっさんに目をやるが既にそこにおっさんの姿は無かった。
ソフィちゃんも居ない。
俺はぐるりと周囲に目をやると、丁度、おっさんがソフィちゃんを抱き上げて宿から出て行くのが見えた。
「さぁ!ソフィ!久しぶりに一緒に買い物でもするかぁ!好きなモノ買ってやるぞぉ?」
「え?ホントに!やったぁ!!」
ステフとソフィちゃんはそんな事を言いながら宿から出て行こうとするとステフがこちらを振り返り親指を立ててニカッと笑っている。
…………いやいやいや、どー見てもそんな雰囲気じゃねーだろ!!
何、『気を利かせました』的な演出繰り出してんだ!!
と言うか逃げたろ!!あのおっさん!!
ガシッ!!
俺の頭を力強い手が掴み離さない……。
「ふぅうぅ……何か頭がほわほわして気持ちいぃ………。今ならドラゴンも倒せそうな気がするろ……。ねぇ?ぴゃんつ(パンツ)もそう思うれしょ?」
「…………はい。そう……思います。」
「……な、訳ねーらろぉぉぉおぉぉおーーーー!!」
ばちー――――ん!!
ドカゴロゴロガシャーーン……
俺は背中を思い切り叩かれて吹っ飛ばされてしまった。
その勢いで宿の待合室のテーブルと椅子が散乱する。
ツッコミが激しすぎる……。
「あはっはははははは!!!ぴゃんす(パンツ)ったらおかっかしぃ~~んだららぁぁ……。もぉおおお……………。すぅすぅ」
シーーーーーン。
「…………え?嘘!!いきなり寝た!?酒癖ワッル!!いや、イイのか?寝てくれた方が安全(俺の身体が)だからな。」
しかし……こんなカウンターで1人寝かせるている訳にもいかないし、部屋まで運んどいてやるか。
午後からギルドに行くつもりだったけど、この分じゃ無理だな。
俺はアイルとソフィちゃんの部屋に運び入れる為にアイルをおんぶする。
勿論、アイル様の豊満なおっぱいを背中で堪能したのは言う間でもない。
歩く度に背中にぷにゅぷにゅ当たる感触がタマランチ!!かいちょおおお!!
俺は部屋へ続く階段を昇る際にも不必要に上下に揺れて『oppai』の感触を楽しむ。
階段を昇っては降り、昇っては降り……を10往復ぐらい繰り返した。
そして11往復目に入ろうとした時にいつからいたのだろう。
宿の入り口に客がいた。
「何やってんだ?」
そこには『太陽の風』の4人組が俺を白い目で見ていた。
oppai……いいですよね……。




