第21話 魔法
本日23時に21話更新予定です。
※タイトルをまた若干変更しました。
また誤字・脱字や批評・感想なんでも気軽に頂ければ創作意欲に繋がりますのでよろしくお願いします。
「「「「「……………えええぇえぇぇぇ!!!」」」」」
「え?魔法全属性の適正って…。」
「そんなの聞いた事ない…。」
マジックキャスターのカーバルとエチルが驚愕の表情で唖然としている。
「俺達も聞いた事ねぇぞ。」
ジンがそう言うと、シェールも頷いている。
「って、なんでそこのお嬢ちゃんまで驚いてるんだ?」
シェールが指さす先のそこのお嬢ちゃん…ソフィちゃんも目が点になって固まっていた。
「あっ……そういえばソフィに言う機会なかったねぇ……ははは……。」
おいおい。言ってなかったのかよ…。
「お兄ちゃん、魔法6種類使えるの?」
ソフィちゃんが俺に確認する様に話しけてくる。
「いや、6種類適正があるっつーだけで、使えるかどうかは別でしょ。」
「すごーーーーい!!やっぱりお兄ちゃん凄い!!」
ソフィちゃんは顔を『ぱぁぁぁぁ』と輝かせて俺に抱きついてきた。
ふむ……いいですねぇ……。小動物の様でホントカワイイ(笑)
「でも、適正があるってだけでその……。」
ん?何か殺気を感じる……。チラッ
ソフィに手を出したら……○す!!!
そこには無言で拳をポキポキ鳴らしながら殺気のオーラを纏わせているアイル様がいた。
……心の声が視覚化して溢れてでるんですけど。カ゛クフ゛ル
全く、ソフィちゃんに手なんて出す訳ないだろうが……。
……後、10年後………3年後でいい?
ガスッ!!
アイル様のチョップが俺の後頭部に炸裂した。
「な、なにすんだよ!!」
「何かソフィに対して邪な事を考えた気がしたから……違った?」
「…………し、してないよ?。」
「私の目を見て話しなさいよ。」
「ねぇ、アイル様?」
「何?」
「ちょくちょく私めが邪な事を考えてそうな時にご注意(殴る)を頂いている気がするのですが、もしかしてですけど……アイル様には人の心を読む事が出来たりするのでしょうか?」
「………パンツの事なら分かるわよ?」
アイルは優しくニコリと笑いかけてくる。
え?何?俺の事なら?俺の事をそんなにす……
「パンツが邪な事を考えている時はすぐいやらしい顔でニヤニヤ笑ってるからすぐ分かる。」
真顔でそう答えるアイル様。
………え?マジで?(笑)
顔に出てたの?ポーカーフェイスのつもりだったのに‥…。
邪な事を考える時にはアイル様に顔を見せないようにしないといけないな……。
「でも凄いねぇ……全属性持ちと言えば、過去にはコランダム級の最高位神官『フィフィス・カリー様』と、同じくコランダム級だった『天舞・フランジェール様』ぐらい……。現役の冒険者では聞いた事もないし、いない筈だよ……。」
エチルさんが感嘆の声を漏らす。
「でも適正はあるけど使えるかどうかは別の話なんじゃないの?」
俺は魔法について全く理解していない。
そもそも魔法をどの様に発動させるのか、魔力の感じ方も使い方も知らないのだ。
ガガン村長から貰った剣から何かしら感じる事が出来た。
それが魔力だとアイルは教えてくれたけど、それをどう活用すればいいのか分からない…。
すると神官風のカバールさんが俺の疑問に対して答えてくれる。
「適正があれば扱えてしまうのです。逆に適正がない場合はどんなに努力、時間をかけても使う事は出来ません。それが魔法です。
ですが適正があったとしてもそれなりに修行を継続しなければいけませんけどね。魔法使いは終わりのない修行の連続ですよ。」
過去にどんな辛い修行をしたんだろう……。カバールさんが遠い目をしている。
勝手に辛い修行風景をイメージする。
滝に打たれたり、水の中で息を止めたり、火あぶりの刑とかされたんだろうか…。
「シュギョウシタカラ……か……。」
「え?」
「あ、嫌、何でもありません。」
エチルさんが俺の独り言に反応したが俺は咄嗟に誤魔化した。
もし魔法が使えるようになっても「シュギョウシタカラ」でやり過ごせるな。便利な魔法の言葉…「シュギョウシタカラ」
しかし魔法とか使えるのか?いまいちピンと来ない。
まだドラゴン○―ルみたいに『気』をぶっ放す方がイメージしやすいな…。
アイルが見せてくれた水魔法でも感動したぐらいだし…。
それに先ほどキラーアントの群れを焼き尽くしたソフィちゃんの『広範囲炎突風』なんてビビりまくってたからね俺。
そうだ。希少な『魔法使い(マジックキャスター)』がここに4人もいるんだ。
本人は苦手そうにしているけど…アイルも魔法使えるしね。
さわりだけでもいいから教えて貰えないかな?
「魔法‥…。ソフィちゃん、エチルさん達は魔法発動させる場合、何かコツとかあるんですか?」
「そうねぇ‥…。魔法の詠唱をしながら魔素の流れを感じ取りその使用する魔法のイメージ像を作り上げていく感じかなぁ。」
「コクコク」
エチルさんが顎に人差し指を当てながら答えてくれる。
その脇でソフィちゃんが「そうそう!」と同意しているのか頷いている。
「ソフィちゃんも同じ感覚なんだ?ふーん、イメージ大事……ね。
あと魔法の属性についてなんだけど、『火』と『水』はわかるとして他の4つ『風』『土』『光』『冥』ってどんな系統の魔法なんですか?」
「エチルさんは何の魔法属性があるんですか?」
続けてソフィちゃんが興味深そうにエチルに尋ねる。
「実はあたしも一応2種類の属性持ち(マルチプルキャスター)なんだ。」
「へぇぇ!凄いじゃないですか!?」
「あなた達に言われると嫌味にしか聞えないなぁ……。」
エチルさんは苦笑いしながら頭をポリポリしている。
「いやいや、ほんとですって!俺はまだ何も使えないので……。ほんと単純に凄いと思います。それでエチルさんの属性は何なんですか?」
「あたしは『水』と『土』。水は攻撃なら最上位であれば洪水を巻き起こす事も出来るし、一番使われるのが、治癒系のイメージが一番ね。
私は『水』系統の上位魔法の『氷』が得意なんだけどね。」
エチルさんはそう言うと手の平に野球ボール大の氷の塊を事もなげに発現させる。
相変わらず何もない所から突然、氷が出て来るとか……まだ信じられないな……。
続けてエチルさんが土魔法について説明をしてくれる。
「土魔法についてはその名の通り、地面の形状を変化させる魔法ね。」
「へぇ~……。今、その土魔法とか見せてもらえたり出来ますか?」
「私も見た事がないからみて見たい!!」
「いいわよ~。命の恩人の頼みじゃね!」
俺とソフィちゃんがリクエストするとエチルさんはニコリと笑い快諾し魔法の詠唱を開始する。
「大地の精霊達よ、我の声を聴き願いを叶えたまえ、そしてその力をここに示せ!!『山脈脈動!!』」
ドン!!…ガガガガガガガガ!!
エチルさんが詠唱を終えると、地面から「ドン!!」と言う突き上げる振動を初めに感じると、その後、突然、目の前の大地が盛り上がり幅5m、高さ3mほどの土の壁が形成された。
「「「うぉぉおおおお!!すごげぇええ!!」」」
リクエストした俺とソフィちゃんだけじゃなく、アイルも同様の感嘆の声を漏らす。
「す…凄いです!!初めて見たぁ!!」
ソフィちゃんは初めて見る土魔法に目をキラキラさせて興奮気味だ。
魔女っ娘だから仕方ないね…。
「しかしこの高さなら野盗だけじゃなくて、モンスターからの防御としても十分に使えるなぁ‥。」
「お?この魔法の活用法に気付くとは流石変態さんね。そう、この魔法は主に防御系に特化した魔法なの。四方に壁を作って、中央で防御に徹したり、野営する際に襲われたりしない様にしたりね。」
エチルさんはそう説明しつつ俺たちにウィンクする。
しかしさり気無く変態さんよばわりされるのは心外です…。
エチルさんは防御用に特化した魔法と言っていたけど…敵の真下から発動させたら十分以上に攻撃にも使えそうだな…。
オフェンス、ディフェンス双方で活躍しそうな魔法だ…。
「私も初めて見たけど、実際、目にすると凄い魔法ね…。」
アイルも目の前の土の壁に触れながら感心している。
「そ、そこまで凄いもんじゃないわよ……ふふん。」
エチルさんは謙遜しつつも俺たちの感嘆の声にまんざらでもない感じだ。
「どや顔になってるじゃねぇか」
「う、うるさい!!///シュッ!!」
「アブネッ!!」
「チッ!!外したか…‥。」
エチルさんが得意満面でいるとシェールが余計な事を言った為、エチルさんの氷の矢が地面に座っていたシェール(仮)に向けて放たれた。
股間辺りに矢が突き刺さった氷矢を見つめてリーダー(仮)は青ざめている。
「お、お前!!今、詠唱してなかっただろ!!」
「は?あの程度の小さい氷矢なら無詠唱で出せるの…口には注意しなさい…。」
リーダー(仮)のシェールはブルブル震えている。
この人……本当に『白銀級』なのか…?
「この土壁もさっき言った通り、イメージを膨らませて発動させてるのか……。」
「そ!魔力量は人に寄るけど、発動させるには『イメージ通り』に放てるかが重要なの。」
エチルさんはそう言いながら俺に教えてくれる。
イメージ通り……か。
俺の記憶の世界の人間はこういったマンガや映画が身近に存在していたので妄想するのは得意な筈だ。
俺は主に邪(アッハ~ン、うっふ~ん)な妄想ばかりだったけど…。ムフ。
ボコッ!!
1人でニヤニヤしながら邪な妄想を膨らまそうとすると俺の内情を察したかの様にアイルのパンチが飛んできた。
「な……いきなり何すんだよ!!」
「またニヤニヤしてイヤらしい顔してたから現実に引き戻してあげたの!ありがたく思いなさい!!」
しまった……。すっかり忘れてた。
顔に出てるらしいから今度から顔を隠さないといけないんだった……。
気を付けなければ……。でもご褒美(鉄拳)と考えれば悪くない‥…かな…。へへ……。
ボコッ!!
「後の残りの『光』と『冥』はどんな魔法なんですか?」
「その二つの属性を持つ人は余りいないけれど、『光』魔法の代表的な力はその名の通り、明かりの変わりになる魔法が使えるらしいね。
いわゆる暗い所でも松明とか必要ないって事ね。
後は魔法適正のオーブも『光』魔法で制作されたって聞いたなぁ。」
魔法適正のオーブって、都市ギルドにあったあの玉か…。
そう言えば、名前は忘れたけどコエ○ザイム級のなんちゃら様が作ったとかなんとか都市ギルドの副ギルマス、リッターさんが言ってた様な気がする。
クリエイト系(創造)の魔法って事かな?
ここには使える人がいないから今一想像出来ない。
「残りの『冥』で知られている代表的な魔法は『転移魔法』とか『アイテムボックス』が使えるらしいね。」
「え?転移って、瞬間移動みたいな事ですか?」
「認識的にはそれであってるよ。」
転移って事はテレポーテーションって事だよね。
魔法すげぇな。そりゃ科学とか発達せずに魔法の方が発達する筈だわ。
「アイテムボックスってのは?」
「簡単に言うと、異空間に物体を格納出来る魔法…らしいね。旅の必需品の『水革袋』もそれの応用ね。」
あぁ……最初にアイル達と出会った時にウェアウルフの返り血を洗い流した際に使用した水が出てくる革の袋か。
あれも便利だよなぁ。
しかしあれ、どうやって作ってんだ?
「エチルさん、あの『水革袋』って、どうやって作ってるかご存じですか?」
「……知ってる訳ないじゃな~い。(笑)そもそもこの『冥』魔法の使い手も少ないんだし。」
「アイテムボックスの魔法についてですけど、例えば人間だったり、生き物も収納できたりするんですか?」
「話に聞く限りじゃ無機物しか無理みたいね。パンツ君が言ってる様な有機物はダメっぽいらしいよ?」
「入れたらどうなるんですかね?」
「具体的には知らないけど、試しに『水革袋』に水以外の別の物…例えば食品とかを入れると二度と取り出せなくなるのよ。だからもし人間とかいれたりしたら…二度と出てこれないかも……ね。」
こ~っわっ!!
「あ、あと、『冥魔法』の特徴的な魔法がまだあった。」
「え?何ですか?」
エチルさんが急に不気味な笑みを浮かべて俺たちを見る。
「それはね……。」
「それは……?」
「…………死霊使い……って事。」
「………!?」




