第72話 俺の本当の気持ち
46件目
聞いてしまいましたか……。本来であれば私から伝えるところあのような形になって申し訳ございません。先程の物語はまだ続きがございますのでそちらは私の方から語らせていただきます。
勇者大和と結婚した女性は戦闘姿がかっこいい。と見惚れ、引かれていったのです。
ですが、魔王が討伐され平和になった時代。魔物は減少し、勇者が出る幕はないということで戦うこともありませんでした。
彼女自身、理想とする勇者像とどんどんかけ離れていく大和を見て行けなかったのでしょう。
扱いは徐々に雑になり、最終的には浮気し大和は離婚しました。
離婚した大和は1人ぼっち。
私たち神も魔王を討伐したので、メールも送らなければ、夢にも現れることもありません。
その時大和は、心の支えであったのは彼女ではなく女神だったということに気が付きますがもう遅い。
大和は後悔し、毎晩「記憶を消してもいいので、再度転生し魔王討伐させてください。」と。願い続けましたが生きてるうちに叶うことはありませんでした。
そして創造主は特例として、あなたがあちらの世界で死んでしまったらこちらの世界に転移させるとことを決定事項としたのです。
ここまで早く死んでしまうとは思っておりませんでしたが、あなたが転生したのはそういう理由です。
そして、この事は神アカラは知りません。
彼女はあなたのことで頭がいっぱいで、文献などを漁り大和のその後を考えたことがなかったのでしょう。
神アカラの行動は少しどうなのか? と思うところもありますが、私からすれば元神キリの方が異常です。
彼女の言ったことは大体はあっていますが、彼女は地上に降り立つために何匹もの天使を殺しています。
我々神のお手伝いや、地上への入口等に派遣されていた天使合計100匹は殺したでしょう。
そして、神々もそれに気づき攻撃を開始しましたが、彼女はまさにそれを待ったかのように天使を攻撃先に強制転移させ殺させ、その間に地上に落ちたのです。
その後も、数々の転生者を殺し彼女から聞いたと思いますがスキルを奪い自分の配下に譲渡、もしくは彼女自身が所持しております。
それが真実です。
彼女に心を奪われる感覚があるのは分かります。
実際にある神も力を貸してしまいました。
ですが騙されないでください。
私はどんな形になろうともあなたの味方であり続けます。
そして、あなたを正しい方向に導きます!!
……。
ピロン!!
また、メールか。
なんとも言えない気持ちを消すことができないまま俺はメールを開く。
2件目
相変わらずせっかちな神ですね。
確かに彼女が送ったメールの内容に間違いはありません。
ですが、考えてみてください。
天空でただ地上を覗き信託をあたえるだけ。
そんな他人行儀な神を信じることに値しますか?
私はあなた様を直接助けるべくこの地に舞い降りたのです。
あなた様のことを1番寄り添い親身になっているのは私です。
私がもっともっとあなた様のことを考え、理解し、行動しているのです!!
あなた様、愛しております。
愛してるね……。
正直いって今目の前にキリが来たら相変わらずドキドキするし、こんなに綺麗な女性が俺なんかを。なんて考えちゃうけど、それもこれも俺の前世が勇者大和だったからにすぎない。
それに、俺に会うためといいながら天使を殺してまでやってくるってことも意味がわからないし。
正直いって怖い。
神々は俺と比べ物にならないぐらい寿命を持っているから考え方が違うのは理解できるが、常識の範疇を超えている。
信用ができない。
そもそも俺の前世がどうだからと言って、俺のこの先の人生が変わることでも無い。
俺は俺。
この世界にクソスキルを譲渡され何度も殺されかけてないつくばって何とか生きてるのが俺。
ああそうだよ!!
初めての街で借金生活は合わされ、街を出るなり不運の連続。
この世界から嫌われてる俺だよ!!
思い出したらイライラしてきた!!
そもそもだよ。
なんで俺はこんなことでいちいち悩んでるんだよ。
前世の俺なんて関係ない。
今の俺がどうすべきかだろ!!
確かにキリは可愛いが、やってることは最低だし何を考えているのかも分からねぇやつだぞ?
そんなやつに時間を割く余裕があるか?
アルトなんてどうでもいい!!
キリなんてどうでもいい!!
決まってることは、魔王討伐したら、アカラを俺と同じ目に合わせてやる!!
ただそれだけだ!!
前世を知ってる程度で俺の人生を測れると思うなよ!!
こっちは守ってきたもんがちげぇんだよ!!
今世でも、お前ら神なんかにくれてやるもんか!!
ピロン!!
また、キリか?
47件目
その気持ちは大変ありがたいのですが……。魔王討伐したら、同じ目に合うというお話少し考えてみた方が良いかと……。私は会議とかで忙しいので……。
知るか!!
こんな薄暗い部屋なんかにいたら、こっちがやられる!!
俺は部屋を飛び出し、宿屋から出ようとした瞬間何かにぶつかってしまう!!
「いてっ。」
ぶつかったものは、デカくそして石のように硬い。
ぶつかったこっちが、尻もちを付いている転んでしまうぐらいだ。
「おいおい、相変わらず弱っちいことやってんな!!」
「なっ!!」
誰が相変わらずだ!!
俺はイライラしてるんだよ!!
邪魔するんじゃねぇ!!
さっさと外に出て気晴らしたいんだ!!
「おいおい、久々に会ったのに無視か?」
「は?」
「おっ。生意気言うようになったか。そうか。修行でもつけるか? あん?」
逆光で顔が全く見えず、誰だか分からないが今の俺は喧嘩買うぜ!!
俺は手を付きながら立ち上がったその瞬間、顔がしっかり見え徐々に冷や汗が出始める……。
「ちょうど近くにいたからやってきたのに会って早々その態度かよ。なっ。」
「原物。そういうのはまだよく分からないけど、この人はしょうがないと思う。お金もすぐに盗まれるぐらいだから。」
「……。」
原物はとある少女を肩車させ、俺たちが止まってる宿屋にやってきた……。
イライラしてた俺だが、今は心が小さくなりドキドキが止まらない……。
やらかした!!




