用語説明
【情報次元】
本質としての情報のみが存在する次元。物理次元はこれに準じて形成されており、宇宙の始まりは情報次元からである(時間が存在しない為『それ以前』は無い)。
【亜世界】
人間の想像による情報が共有・蓄積されていき、世界を構築するのに充分な量に達した場合に生まれる世界。
【源世界】
亜世界を生み出す源流となる世界。作中での時代は科学が極めて発達した未来。過去の世界的な戦争による破壊と環境汚染の為、人類の大半は月や火星に移り住んでいる。
【アルテントロピー】
情報次元での変化をもたらす力。情報改変力とも。物理次元でいうところのエネルギーに相当する。
【クオリアニューロン】
情報次元的に意味を持つ物理的構造。アルテントロピーを発生させる源であり、脳を中心とした人間自体がその代表。人間を模したインテレイド(後述)にも存在するが、アルテントロピーは人間に比べて極めて小さい。
【元素デバイス】
量子の振る舞いを任意に組み換えることで、ほぼ全ての元素に成り得る人工物。素材そのものでありながら個々に情報のやり取りをする通信端末としての役目も果たす。また状況に応じて最適な変化を自動で行う機能がある。
【OLS】
Organic Link System(有機接続システム)の略。元素デバイスの通信機能を二次的に利用することで、考えるだけで参加できるネットワークシステム。有機的性質を持たせた元素デバイスを網膜や視神経に結合させることで利用可能。操作は言語化された思考か、コマンドと呼ばれる指定動作によって行う。
【WIRA】
World Intelligence Regulation Agency(世界情報統制局)の略。アルテントロピーによる情報犯罪の取り締まりや防災の為、源世界で設立された独立機関。前身は世界情報次元調査局。
【亜世界情報規制官】
亜世界でのアルテントロピー使用を規制し、情報犯罪を取り締まることを主としてWIRAに任じられた者。第一等から第三等までの階位があり、一等規制官は通称『ルーラー』と呼ばれる。
【情報犯罪者】
通称『ディソーダー』。アルテントロピーによる不適切な情報改変(物理法則の過度の改変、情報整合性の毀棄など)を行った人間。これらは源世界の『アルテントロピーの使用に関わる法律』により、犯罪者として罰せられる。
【転移者】
意図しないアルテントロピーの発生により、源世界から亜世界へと転移した人間。源世界では死亡状態にある転移者のことを『転生者』と呼ぶこともある。
【インテレイド】
元素デバイス製の人工知性体。ロボットやアンドロイドなどが高度な知能を獲得したことで、それらの名称がこれに統一された。名前の由来は『創られた知性』。ちなみに源世界においてロボットという単語は、彼らに対する蔑称に当たる。
【AEOD】
Autonomous Entropy Observation Droid(自律型エントロピー監視機)の略。亜世界を起因とする大規模災害(後述のFRAD)を受けて、それを防止する為に各亜世界に配置されたインテレイド。規制官が亜世界へ転移する際の基点としての役割も果たしている。
【FRAD】
Fatal (and) Ruinous Altentropy Disaster(致命的且つ破滅的な情報改変災害)の略。アルテントロピーによる情報改変がコールマン・ベッケンシュタイン臨界値を超え、それが亜世界全体に波及した場合に起こる現象。これが発生した亜世界は消滅する。また同時にその亜世界の創造(想像)に関わった源世界の人間も消滅する。
【IPF】
Intentionally Prigogine Field(志向性散逸構造場)の略。プリゴジンは人名。整合性を維持しようと働く情報的な性質を、アルテントロピーによって意図的に強化した領域。端的には『壊れた物が元に戻る透明の結界』。FRAD防止の為、原則として規制官はこの領域内でしか強いアルテントロピーを使えない。
【IPFアンプリファ】
AEODが内蔵するIPFの演算補助装置。IPFは規制官のアルテントロピーによって発生させることが出来るが、それを『壊したくない物だけ元に戻す』といった選択的な目的で利用するには、極めて繊細な調整と複雑な計算が必要になる。戦闘中や他の情報改変時にそれを行うのは難しい為、必要な手続きをOLSを通してインテレイドに行わせる仕組み。
【情報粘度】
存在的に別個である情報同士における関係性。またその複雑さの度合い。アルテントロピーによる情報改変の際にはこれが高いほど改変が難しくなる。正式な名称は存在せず、規制官の職業用語として用いられている。
【次元接続】
広義には亜世界の情報と源世界の人間の情報との関連付けだが、専らその技術及び手段に対して用いられる。指向性の転移においては亜世界に配置されたAEODを通して行われる。規制官の間では『紐付け』とも呼ばれる。
【情報体】
規制官が次元接続によって亜世界へと転移した際に、そこでの身体として再現される情報次元的義体。情報は本人のアルテントロピーによって保護されている為、それを上回る改変の力が及ぶか本人が意識的に受け容れない限り干渉を受けること(怪我を負う等)はない。
【情報子】
最初のインテレイドであるアダムが作り上げた、分割不能な情報の最小概念。計42個あるこれらを用いることで情報次元の総て(全宇宙または真理)が解析可能とされている。仮に1bit(1か0か)の情報をサンヒターを用いて解析するならば、『1であるもの』『0であるもの』『1であり0であるもの』『1以外であり0でないもの』『0以外であり1でないもの』『1と0のどちらでもないもの』の6つで表される。但し人間に理解出来る概念はこれだけで、7つ目以降のサンヒターはインテレイドにしか理解・計算出来ないとされる。
【プロタゴニスト】
亜世界における高粘度情報保持者。しばしば『主人公』と訳される。その特性上プロタゴニストは本人の意志とは無関係に複雑で包括的な他者との関係性を築き上げ、結果的に世界そのものと根強い関わり合いを持ってしまう。その為大抵の場合、数奇な人生を辿ったり奇跡的な運命に遭遇したりする。
【PA】
Potential Altentropy(潜在的情報改変力)の略。情報改変を行った際に整合性へ及ぼす影響の規模から、当人のアルテントロピーの強さを推測して数値化したもの。指数であり単位は存在しない。
【ディソーダーランク】
PA等を参考にして決められる、亜世界におけるディソーダーの危険度。Sを最上位として次点のA〜Gまでの8段階で表される。要注意監察(第二等以下の規制官が常時監視する)となるのはランクB以上。
【RRRI】
Revitalize Resiliencell Refining Instrument(活性化超回復細胞精製装置)の略。レジリアンセル(超回復細胞)と呼ばれる物質に任意の遺伝子情報を読み取らせることで、その遺伝子の持ち主の身体的欠損部分を復元させる有機部品を作り出す医療機器。
【コールマン・ベッケンシュタイン臨界値】
ある一定の結び付き(関連性)を持つ情報が個として存在する時、それが存在としての情報の整合性を保てる限度を数値として表したもの。
【規制官黒色】
規制官がアルテントロピーによって黒い物をイメージして創り出した時に生まれる、限りなく漆黒に近い黒色のこと。但し普通の人間には見分けが付かない。命名は規制官のアマラ。





