239 練習メニュ―を決めよう(その4)
サッカー部の頭脳担当の上杉目線です
新たな犠牲者が発生したようです
そりゃそうです
転生者が居れば犠牲者が出るのもお約束?
・・・御愁傷様です
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「も~木下のでいいじゃん」
学校帰りに小川が上杉に愚痴っていた
もー勘弁してくれ
と一緒に帰っている上杉は思った
小学校の頃からの付き合いなので言動が似てきていた
・・・もしかしたらユニゾンの特訓なしで第六使徒を倒せるかもしれない
話を元に戻す
愚痴を言いたい気持ちは判る
上杉は思った
なにせ同じ学校になったのでサッカーが一緒にできる!と喜び勇んでいたんだ
サッカー部を作った!
これから一緒にサッカーできる!
実に騒がしかった
ところがようやくサッカ―部始動だ!と思ったら、しょっぱなから躓いた
練習メニューが作れなかったのだ
バカなの?
アホなの?
一回死んでみる?
木下に冷めた目で見られたのだ
これで落ち込まない方がおかしい
実際に海よりも深く小川は落ち込んでいた
大体、中学生に練習メニューを作らせるな
上杉は大声で言いたかった
小学校の頃、キャプテンをしていたが練習は監督が仕切っていた
高校大学とサッカー部だったらしい
その練習から小学生に必要なモノを抜きだしていた
もちろんレベルを小学生に下げて、だ
この練習は結構効果があった
先生がそう言っていたので皆は夢中で練習した
おかげで試合に勝てるようになった
だから練習は監督が決めるものだろう
そう思っていた
ところが中学になった途端、練習メニューは自分達で作ろう、である
非常識な
上杉は心底そう思った
・・・ここで木下に面と向かって言わないだけの判断力が残っていたのは僥倖だろう
言えば精神的にボコられるのは確実であった
小学生の頃から
練習メニューを作り
おバカな生徒をおだてて練習させ
試合になったら手足のように使い勝つ
なんて先生でも難しいことを平気な顔でやっている木下の方が非常識なのだと上杉は言いたかった
いや木下にできるんだから小川達もできる
そう言う木下の方がおかしいと言いたい
・・・オレ達がサッカーの技術を憶えるなら木下はもう少し常識を憶えるべきだと思う
いくら頭をひねっても作れないものは作れないんだ
だから助けてください
そこは木下にきっちり言いたい
大体、小川からの愚痴を聞くのもそろそろ限界だ
期待が多かった分、その反動も大きかった
できるだけ(木下が)小川を虐めてくれるな
上杉の本音だった
落ち込んだ小川の面倒をさせられる身にもなってくれと言いたい
いや、イジメるならフォローもしろ、いえしてください
切実に思った




