228 小学校最後の試合 ~第六試合ハーフタイム(その2)~
とある雨の日のことだった
ザーザー降りでグランドが使えないためサッカー部の練習は体育館で行われていた
当然野球部やバスケ部といった面々も同じように体育館を使う
そのために時間を区切っての使用になっていた
体育館の使用時間でないサッカー部の面々は体育館の壁際に座って待っていた
ストレッチとか準備運動とかしても時間が余るのだから当然である
暇なのでオレは怪我防止についての啓発活動をすることにした
要は危険行為をすると危ないよ、である
例えば
ヘディングをすると首に結構負担がかかるんだよね~、そういえば首を痛めて半身不随になった柔道の選手がいたっけ~
脳みそというのは頭蓋骨のなかにあって安全に思えるけど実はタッパーの中に入ったボールと同じだから衝撃を加えるとマジでヤバいよ
ボクサーは頭を頻繁に殴られるせいで網膜剥離をしてある日突然目が見えなくなる
頭を殴られ過ぎて平衡をつかさどる所がやられたせいで45度傾きながらじゃないと歩けなくなったボクサーがいる
指は結構繊細なので突き指をして腱を痛めると指が変な風に曲がるって接骨院の先生に脅される
みんな結構喜んでくれた(はず)
所が今になってGKはサッカーの中で一番ヤバそうなポジションだからやりたくない
だからオレがやってくれそうだからやって貰っていた
というわけで後半戦もよろしく
そう言われた
・・・心当たりがある
非常ーにある
しまった!
強化しすぎたか!
と言うやつだな
まあ実際にオレも見えないように帽子の形をしたヘルメットしている
あとグローブも特注だ
象が踏んでも壊れないくらいの装備だと自信がある
仕方がない、やりましょう
前途ある少年少女のために頑張りましょう!
・・・マンガや小説だとヒーローが一番危ない所を受け持って盛り上がる
だけど現実だと罰ゲームになるのは何故だろうな




