225 小学校最後の試合 ~第六試合前半戦(その2)~
「さあ始めましょう!」
オレは審判に声を掛けた
大会役員達はオレの(監督)がはなったダイレクトアタックでLPがほぼ0になっているからな
当分は再起動できないだろう
審判も大会本部が異常事態になっているのを感じていて、再起不能だと思ったようだ
<ピピーッ>
笛を吹いた
審判は
触らぬ神に祟りなし
そう思ってくれたようだった
下手に大会本部に行くと巻き添えを食らうと思ったみたいだがそれは正しい
なにせ篠塚教授だからな
学生時代はスポーツ関係の施設でアルバイトして迷惑な奴らを叩きだしたそうだ
ついたあだ名が『スポーツ施設の警備屋』
・・・どれだけ叩きのめしたんだか
そんな正義感溢れる教授が
『あの選手を出すな!』
なんて不祥事を聞いたらどうなるかは火を見るより明らかだ
ウチの監督が篠塚教授のメッセージを伝えた途端、大会本部はニュートロンジャマーを受けた原子炉のように鎮火した
・・・御愁傷様
オレは売られた喧嘩は高値で買うからね
そのためには手段は選ばない
真っ向から正々堂々不意を打って差し上げましょう
そういうこと
篠塚教授は業界の悪を成敗できる
オレは邪魔な奴らを一掃できる
うちの監督は元ゼミの担当教授に恩を売れる
みんなWin-Win-Winの関係だね
バカなやつらは試合が終わるまで茫然自失しているといいな
この試合が決勝戦で小学校最後の試合だからな
まあ、子供の都合で大人を振りまわすのはどうかと思うんだけどね
そこは『ボク子供だから判んない!』って言って誤魔化すことにしよう
あるいは懐メロでも歌ってみるかね
だからゆるしてちょんまげ
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その1が長かった分、今回は少なめ
試合は次から再開です




