1休み目「クイズ!スカーフの色」
キーンコーンカーンコーン
1時限目が終わり、チャイムが鳴り響く。
「くぅー! 1時限目終わりっ。数学から始まる1日とかマジで疲れるからやめて欲しい」
若干雅楽がかった伸びをしながら小言を漏らしているのは、隣の席の古田涼太。中学からの友達で、授業の合間の5分休みはいつもこいつと喋ってる。
「なあ、スーモもそう思うだろ?」
「風斗だから。菅原風斗。別に物件探してないから」
昨日はルート(勝手に根号つけるなよ)
一昨日はスーホ(かわいそうな白馬かい)
このノリ何回やるんだ。毎回ツッコむ俺の気持ちにもなってくれ。
「あ、そうか。ごめんごめん」
「毎回しっかりツッコんでるのに『あ、そうか。ごめんごめん。』で終わらすなよ」
「ていうか、次の教科なんだっけ?」
涼太は目を細めて時間割をじっと見つめながら言う。
「家庭科だと思う」
「家庭科か。ってことは片桐せんせ?」
「そうだけど、お前先生のことせんせっていうタイプ?お嬢様が先生に問いかけてるみたいになってるけど」
「そう聞こえただけだろ。そんなのどうでもよくて、お前に片桐先生クイズを出したい」
「クイズ?」
「そう。片桐先生っていつもスカーフ巻いてるだろ?今日のスカーフの色を当ててみて」
「涼太は答え知ってんの?」
「知ってるよ。今日の朝、廊下で見たからね」
「んー。片桐先生のスカーフの色なんて意識したことないな」
俺は思わず頬杖をつく。
「50:50で二択にしますか?」
「四択だったのかよ。先言えよ。使う使う」
「A:赤 D:白 さあ二択になりました。」
「うーん...Dの白!!」
少し考えるふりをして、俺は高らかに答えた。
涼太は俺をじっと見つめ、
「ファイナルアンサー?」
完全にクイズミリオネアだ。
50:50という言葉を聞いた時ちょっと怪しいと思ったが、やはり。
「ファイナルアンサー。」
俺は切羽詰まった顔で宣言する。
内心スカーフの色なんてずっっっとどうでもいいが、ここは全力が乗っからせてもらう。
涼太は本当にそれでいいのか? という顔をしながら
「ファイナルダンサー?」
なんだ急に。聞いた事ないぞ。
「ファイナルダンサー。」
俺は再度宣言する。
涼太は本当に本当にそれでいいのか? という顔をしながら
「アイラブ母さん?」
「アイラブ母さん?ファイナルアンサーのイントネーションでアイラブ母さんって言った?」
思わず聞き返してしまった。
「アイラブ母さん?」
また聞いてきた。
意味がよく分からないけど、
「アイラブ母さん!」
涼太はニヤケながらじっくりと俺を睨む。
本家くらい溜めているので、謎の緊張感が二人の間に走る。
どうだ...!
「正解は先生が来てからのお楽しみ!」
「あんなに溜めといて!?」
その直後、2時限目が始まるチャイムが鳴った。
「お、片桐先生が来るぞ。菅原風斗の回答はDの白!果たして正解してるのか!どっちだ、どっちだ!」
お前ほどの熱量は俺にはないぞ。
ガラガラという音と共に教室のドアが開く。
片桐先生のスカーフは...
赤だった。それも昭和のヒーローが巻いてそうな鮮やかな赤だった。
「不正解!」
涼太はニヤニヤしながら小声で叫んだ。
「ということで菅原風斗さん、残念ながら1000万円獲得ならずです...」
残念そうに涼太が言う。
1000万円の問題だったんかい。




