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そう簡単にはいかない

ご無沙汰です。

 僕は撃沈していた。文字通り撃沈である。っく、体術じゃないから――体術はさすがに体格差とか経験とか僕は人間だからチートらしきものは期待していなかった――そこそこいくかなと思ったが前外しである。そうまさかナイフ投げ――或いはダガーでも可――がこんなにも難しいとはっ。


 ぶっちゃけ、魔力コントロールの方が簡単である。


 体術の練習はまだしていない。パーパが「そろそろナイフ投げぐらいは平気だろう」との事で始まったナイフ投げ。全て外した。ちなみにパーパは全部木片の中心部――印が1センチ程度のバッテン――に全て当てていた。パーパは人であろうか?――いや、精霊だけども。


 「まぁ、これから練習すればいいだろう。」


 ちなみに木片がある半分くらいのところまででナイフは落ちた。当たらない以前の問題である。


 っう、別にいいんだ。僕はいざっとなったら魔法でホローして……魔法が使えない状況下に陥ったら僕の未来破滅しかないけどっ。


 「魔法を上乗せする方が難しいはずなんだが、魔力を乗せて投げるのも当てれるのにな」


 そう、魔法で効果をつけたヤツや、魔力を乗せ投げるのは当たる。狙った場所に当たるかはともかく、とりあえず当たるのである。ただ、普通のヤツが当たらないだけで。


 そう、例えるなら応用問題は出来るけど、基礎は全然ダメな子である。


 何故だろうか。――というか、冒険者としての必要最低限身につけたいことが身につかないなど。悪夢である。


 魔法というモノは想像力の産物である。ソレは娯楽がありふれた世界から来た僕からしてみれば、難しいという部類ではない。


 体術は、元よりの才能と努力が必要であるといえよう。僕は魔法に関しては才能があったといえる。体術に関しては、努力すれば上の方には行けるかもしれないけれど本物には敵わないだろうレベルである。


 つまり死ぬ気で訓練しろと何かが言ってるのかもしれない。いや、そもそも冒険者になるには必要不可欠だけれども。


 冒険者はなにも魔物だけを相手にするわけではない。時にして人も相手にするだろう。その時に一々魔法を使っては過剰戦力であることは間違いないし、万が一にでも一般の人が巻き込まれれば大変な事になる。主に責任問題とか……。ゆえに、体術は絶対身につけておきたいモノだ。――ちなみにコレは、パーパの友人であり、現役冒険者(S級)に聞いた事実談である。色々と大変らしい。聞いたときに凄い遠い眼をしていた。武器を使う体術も習うのだ。そもそもソレは体術というか謎だが。


 でもやっぱり習うなら剣――ただし二刀流に限る――である。最終手段として魔法で自分の身体を操る……。その手がっ!?


 「えいっやー」


 魔力の流れを感じ――パーパがやっていたようなイメージを脳内でつくる。足を軽く引き投げたナイフは先ほどと打って変わって真っ直ぐに、吸い込まれるかのように中心部に当たった。


 「なるほどその手があったか」


 僕は魔力の上乗せだけで、身体を操ることは頭から抜け落ちていた。無念である。


 「だが、やはり魔法が使えない状況下では意味がないから普通のも特訓しような」


 頭を撫でられ妙な達成感に浸っていた僕は、パーパの言葉に撃沈した。


 やはり、何事もそう簡単にはいかないらしい。


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