街の花屋娘
自然豊かな森に囲まれた街そこが私の故郷であり、全てが始まった場所であった
私の名前はフォリアこの花屋の娘です
朝早く私はいつも街から出て森へ花や薬草などを取りに行く、普通はどこかから仕入れる物だが昔、その辺に生えてる雑草を金貨3枚出して買ってしまったことがあった。それ以来、森で実際に採取することにしたのだ
「父さん森に行くけど何かとってきてほしいものある?」
「フォリア、母さんの傷の薬草があと少ししかないから取ってきてくれ」
「わかった」
扉を開けると冷たい空気が体を震わせてきた、まだ朝日が昇ってないからやっぱり寒い、振り向き言った
「行ってきます」
まだ朝日が昇る前に私は外に出る、その方が見つからない可能性が高いからだ
母さんは昔、雑草でぼったりをしてきた奴に突き飛ばされて足を怪我してしまった。医者に診てもらったが高価な薬草を数年間は使い続けなければ足は不自由なままらしい
父さんが医者に薬草のことを聞くと陽に当たってしまうとただの薬草になってしまうらしい、なので暗いうちに取るため私は日が昇らないうちに出かけるのだ
この街は明るい朝や昼間は普通に外と行き来はできるが夜になると高額な通行料金がかかる。なぜなら森には魔物がいて夜に外に出ると襲われるから
私も最初は怖かった、実際に私は何度もというよりも毎回魔物と遭遇している
ある時は川を渡る時、ある時は背後から、ある時は真正面から。小さい時から何度もそう言う経験をすれば多少の代用はできる
門の側に来るとあくびをしている門番と顔が真っ青な門番が二人立っていた、外壁は人の何倍もある。私は見つからないように外壁を木を足場に石と石の間に手を入れて数秒で壁を超えた
「今日はあの二人が門番だったんだ・・・昨日の夜あれだけ飲めば二日酔いにもなるか」
暗くても私の足は前へ足に続けた、森へ着くと持ってきたローブを体に纏い土や葉を擦り付けた、魔物の中には匂いに敏感なものが多い
森の中に入ると足跡を見つけた
「大きさ、形的に血鳥の子供かな?血鳥は飛ぶから注意しないと。
・・・そういえば、血鳥の好物の中にあの薬草があったよな、急がないと!」
走りながら時々岩陰に隠れながら進んだ、血鳥は文字どうり血の鳥だ。血液があると飛んできて襲う凶暴な魔物の一種
薬草を探していると奇妙なことに気が付いた、土に足跡があったしかも人の足跡だ
「街の人はこの森を怖がってこないし、たとえ迷い込んでもここまで来る間で魔物に襲われる」
ふと、上を見ると薬草が崖の上に生えていた、今日は思ったより早く見つけられたので良かった。岩を登って薬草取ると嫌な匂いが鼻を通った
「血の匂いがする!?なんで?」
辺りを見渡すと崖の上から赤い塊が体の横を通って地面に落ちた、びっくりしてまた上を見ると血鳥がすごい速さで飛んでいるのが見えた
薬草を回収して岩を登り切ると1人の騎士が血鳥と戦っていた、騎士は私に気がつくと言った
「何でこんなところに人が!?あなたは早く逃げてください、このままだとあなた死にますよ!」
「違う、今にも倒れそうなのはあなただ」
血鳥には狩の習性がある、体当たりと同時に鋭い嘴で獲物の皮膚に傷をつけて、仲間を呼ぶ。仲間は血の匂いに釣られて何羽もの大群がやってくる
この森は魔物の通った跡や長年人が立ち入らなかったことで障害物が多い、血鳥はそんな森に慣れているこの地域に多くいる魔物なのだ
私は騎士の姿がはっきりと見えているわけではない。明け方の前の夜の暗さと木々による視界不良、だかそんなことは関係ない本来ならすぐに助けに行ける問題なのはこれほど多くの血鳥が集まっていることだ。
「おかしすぎる!?何でこんなにも・・・」
1羽の血鳥が私に向かって飛んできた、私は腕を振り上げて地面に血鳥を叩きつけた。すると、血鳥の口の中から赤い花びらの切れ端があることに気が付いた
「これって・・・まさか!?」
私は騎士の方を見て考えた
「あまりにも多い血鳥、それにあの花の花びら・・・なるほどそう言うことか!」
私は大声で騎士に叫んだ、しかし鳥の鳴き声にかき消され聞こえない。私は騎士の方へ走り出した、血鳥の群れに飛び込み騎士の剣にあたらないように近づこうとした血鳥が顔に体の中に貯めていた血が偶然顔にかかってしまった、しかし私は騎士の方に手を置き叫んだ
「あなた、血愛花の花を持ってるでしょ!どこにあるの?」
騎士は驚きながらポケットの中にあると言った
私はポケットの中にある血愛花が入ってる袋を力一杯遠くに投げた
すると、不思議なことに血鳥達が一斉にどこかへと飛び去って行った。私も騎士も安心してホッと息を漏らした
「これで大丈夫です」
「ありがとうございま・・・わぁぁぁ!?」
私は何に驚いているのかわからなかった。だが、血鳥はもういないから大丈夫だとなぜか満足げに帰ろうとした時、騎士が私を呼び止めた
「申し訳ありません私の剣で怪我をさせてしまいました、すぐに治療をしないと跡が」
私は不思議だった、別に剣に切られたわけでも怪我をしたわけでもないのにと思っていると
「女性の顔に血を流すなんて私は 失格です」
「顔に血?・・・はぁ!?」
「そういえば、血鳥に飛び込んだ際血鳥の血が顔にかかったんだ!やばい、早く説明しないと・・・と言うか目が開かないどうしよう」
血が顔にかかったことで目がしみてしまい目が開けられなくなってしまった
騎士が血を拭いたが取れない、血は時間が立てば自然と取れるそれまでは目は開けられないことを説明した
二人は落ち着き話し始めた
「改めて、助けてくれたことに感謝いたします」
「いえ、とんでもないです、それにしてもなぜあなたはそんな危ないところに1人でしかも血鳥が好む血愛花を持っていたのですか?」
初対面の相手に急に話しかけるのは失礼かもしれないが血愛花を持っていたのは気になってしまう
血愛花は血鳥の好む花だ
血鳥にとって血愛花は特別なものなのだ最高の食事であり最高の愛情表現である、人間にとってもとても貴重なものなのだ
時間帯によって全く価値が異なる花、夜の間に取れば高価な値が付き朝や昼になると低賃金で取引されるそんな珍しいものだから王都でしか手に入らない
それに、人間が花を取ると血鳥達が渡すまいとやってきては収穫した人を襲う
「上司からの命でこの森付近の街へ調査をしにきたのです」
「命ですか。それは大変ですね・・・って、そんなことを言っている場合ではないです」
騎士は不思議そうに首を傾げました、私は収穫した薬草を手に取る言った
「血鳥にやられた傷にこれを塗ってください」
「これは?」
「傷薬それと」
私は薬草を回復薬の中に入れて騎士に渡した
回復薬だけでは血鳥の傷には効くがそれは外からの傷だけだうちからの傷は治りにくい、薬草を液に浸すだけでも効果に大きな違いがある
瓶を騎士に渡すと騎士は咽せながら飲み干した
「かなり苦いですね」
瓶を受け取ると騎士は血愛花のことを話してくれた
森に入った時に見つけ、珍しものだと知っていた。
騎士は私に尋ねた
「あなたは血愛花がなぜ珍しく高額で取引されているかわかりますか」
「はい、血愛花は命を救うことのできる花だからです」
血愛花は花一輪で人間一人分の血が手に入る
花を水浸すと誰にでも与えられる血が手に入る効果なものだ、だが明るいうちに収穫してしまうと水に浸けても血にはならない日が当たらなく暗いうちに収穫したものだけが命を救う花なのだ
「私のいるところもですが騎士は戦い血を流すことがあります、見つけた時は体に問題がなかったので血鳥が来ても倒せました・・・ですが」
「この地域は特に血鳥が生息しなていて森の中ならさらに血鳥はいます。しかもあなたは足を痛めてしまったそれにより戦いずらかったのですよね」
騎士は驚いた何故怪我のことを知っているのか不思議だった
「足の動きが僅かに重く感じたのと剣を振るう動きは洗練されているのにおかしいと思ったからです」
「すごいですね。見ただけでそこまでわかるなんて、今の私には助けてくれたことに対しての感謝を返すことはできません」
騎士は私の手を取った
「いつか、また出会うことができたらその時は。あなたにお礼をさせてください」
その声は今でも頭の中から抜けることはない
朝日が昇り顔から血が剥がれると目を開けようとした、しかし朝日の眩しさで騎士の姿は光の中に消えて行ってしまった
目が光になれる時にはすでに騎士の姿はなく薬草が入った瓶が地面に置いてあった
私が崖から降りるとさっき落ちてきた血鳥が朝日にあたり消えるところだった
この地域では血鳥が多くいるのは知っているが消えるところは初めて見た、消えた血鳥がいた場所をよくよく見ると血愛花が一輪咲いていた
私は目を大きく見開いた
たとえ、昼間に街中へ血鳥が迷い込んでもすぐ倒される森の方は危険だとみんなが言っていたのはもしかして
「日にあたると力が弱まって倒しても血愛花はできないだけど、夜に血鳥が無くなって朝日を浴びると貴重な血愛花が手に入る・・・」
夜は高額で朝や昼になると価値が低くなるのはそのせいか、日にあたり続けると花の力も弱くなるだから安いんだ
私は納得したこんなすごいことに気がつけたのだから
「って!?感心している場合じゃなかった」
私は急いで血愛花を収穫した、一度収穫すればそれ以上弱ったりはしない
私は少し笑ってしまった
あの顔も名前もわからない騎士さんのおかげで面白いことに気が付いたのだから
するとお腹から(ぐ〜)と鳴ってしまった
そういえば、暗いうちから何も食べていなかったのだ
ふと、血愛花を見ると思った
「これ食べられるかな?血鳥達にとっては最高の食事なはずだし食べられるよね?」
私はホイッと花を口の中に入れて食べた
味は何だか鉄の味が全面的に出ていて不味くもなく美味しくもないものだった
私は朝日が昇りきったことを思い出し急いで街に戻った




