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18.新たな出会い

 枯ら煤をフォリアに送った次の日、リベラはやつれた顔で寮の廊下を歩いていた。


「結局、あの後悲しと嬉しいの感情がぶり返して一気に泣いてしまった・・・」


 フラフラと窓の外を歩き、ふと外を見ると何人かの生徒が集まっている


 階段をスタスタと歩き寮の外に出た。さっきの子達は何もないところに集まっていた、もしかしたら何か珍しいものがあるのか


 リベラは草むらに隠れてこっそりと何をしているのか見ることにした


「お前、さっきから黙って何様のつもりだよ」


 女子生徒達が1人の女子生徒に怒鳴っている。ローブの色は黒色だから、リベラと同じ寮の生徒だとわかった。もう1人の生徒は暗めの緑色のローブを着ていた


 リベラは察した、これはカツアゲの瞬間だと


▷


 あれはリベラが酒場の手伝いをしていた時だった


 いつものように顔なじみの客達が集まる時間になった時だった。いつも早く来る客がいないことに気付き、皆不思議がっていた


「あいつが遅れるなんて珍しいな」

「探しに行くか?」


 その時だった、身ぐるみ剥がされた男が泣きながら酒場に入って来たのは


「チンピラにカツアゲされたぁぁぁあ!!」


 どうやら、店に来る途中でチンピラに囲まれて金と服を奪われたらしい


 それを聞いた仲間達は席を立ち酒場から颯爽とどこかへ走っていってしまった。リベラとカツアゲされた男だけが店に残りさっきまでの賑わいが嘘のように無くなった


「ちなみにカツアゲって何?」


 リベラはカツアゲと言うものを知らなかった


「カツアゲって言うのは1人に寄ってたかって金なんかを奪う行為さ」

「ふ〜ん・・・それよりパンツ一枚でカッコつけて席座んないで、汚い」

「ふっ・・・なんか傷つく」


 数分すると客達が帰って来てお金が入った袋を男に渡した。どうやらチンピラ達を見つけお金を取り返してくれたようだ


「いい、仲間だね。こうやってお金を取り返してくれたんだから」


リベラは笑顔で男に笑いかけた。すると


「リベラちゃん・・・違うんだ、今日、僕がお金払う番でお金なかったらタダ酒飲めないから」


その言葉が耳に入った瞬間、乾杯の音が聞こえた


「今日は飲むぞぉぉ!!」


「だから皆んな、僕のお金取り返すの必死だったんだ」

「・・・うん、なんか、ごめんね・・・」

「謝らないで・・・なんか涙出て来た」


 振り返ると笑顔で笑いながら酒を飲む変質者がいた


「リベラ、今日暇だから少し手つだ・・・何これ!?」

「フォリア、見ない方がいい、大人の金銭的な問題だから」


▶︎


 この状況は男が話してくれた寄ってたかってそのものだ。リベラは自然と立ち声が出た


「君達!カツアゲは人をダメにするからやめた方がいい」


 相手をなるべく刺激しないように考えるとこんな言葉が出た。


「えっ?」


 リベラの方を全員が見ていた。すると、1人の生徒が何か言った


「ねっ・・・ね〜、あいつ昨日、湖で暴れた奴じゃない!?」


 なぜか声を震わせながら言う生徒、それはどう言う意味かと頭にハテナマークを浮かべるリベラ


「そっそういえば、確かにあいつ湖で」

「私達、窓の外から見てたから間違いないよ」


 すると同じ寮の子達が声を合わせていった


「湖の化け物!?」


 そう言い残すとすごい勢いで走り去ってしまった。後に残ったのは他寮の生徒1人とリベラだけだった


 他寮の生徒はリベラの方を見て言った


「あっ・・・ありがとう・・・ございます?」

「どう・・・いたしまして?」


 リベラは他寮のその子に話しかけた


「大丈夫?」

「はい、おかげさまで」

「カツアゲ」

「えっ?」

「うん?」


 どうやら、カツアゲされそうだったのではなく、ちょっかいをかけられていたようだ。


「そういえば、ローブの色が違うけど」

「はい・・・私は他寮の生徒です・・・」


 なぜ、他寮の生徒がリベラ達の寮にいるのか不思議だった。リベラはそれが気になり訪ねてみたすると


「さっきの人達に連れてこられて・・・」

「なるほど、暗めの緑色のローブって確か成績優秀者の寮だっけ」


 女の子は小さく頷いた。目をキラキラさせてリベラは尋ねた


「優秀者ってことは魔力も多いの?」

(成績優秀者なら魔力量も多くて私のと比較できる)


 そう思ったリベラは真剣な顔で聞いた


「いえ、私は魔力が平均以下で勉強だけで寮に入ったんです」

「そうなんだ・・・」


 そうなるとリベラの魔力量が正常化どうか分からない、成績優秀者の魔力量がわかれば自身の魔力が高いのかわかるのに


(まぁ、先生の「珍しい」って言うのはこの学校にはあまりいないって言うことだろう)

「勉強って何位から優秀者の寮に行けるの?」

「100位以内に入れば私と同じ寮に入れます」

「ちなみにあなたは何位で」

「勉強は全科目1位です・・・実技の方は1000位以下で・・・」


 魔法学校の勉強には多くの勉強科目がある

古代魔法語,魔法論理学,魔法史,魔法薬学など。今、リベラが思い出せるのはこのくらいだがこんなのはほんの一部に過ぎない


 思い鐘の音が響き、女の子は背を向けた


「あの?・・・そろそろ授業が始まるので私はこれで」


 ローブについているフードを目深に被り去っていった


 次の日


 授業が終わると生徒達は食堂に向かった

魔法学校は寮ごとにクラス分けをされている分けられているのは寮の建物クラスくらいだ。なので学校教室から出て長い廊下を通れば他の寮の生徒とも会える


 リベラの耳にはイヤリングが付いている

この学校に来てまだ数日しか経っていないリベラにとって学校内を知っておかないといけないのだが


▷


 昨日の夜のことだノクスが訪ねて来た


 紅茶とお菓子をテーブルに出し、座りながら話した


「明日、学校を案内しようと思うんだが」

「いきなりだね、案内なんて別にいらないけど」

「そうだよな、友達に学校を案内して貰えばいいし」


 リベラは目を泳がせながら紅茶を飲んだ。その姿を見てノクスは明日案内をすることにした


「でも、聖女騎士団が校内を歩き回って大丈夫なの?」

「正直言うと全然問題なんだ」


 咽せながらティーカップを置くとため息をついた。そうなるとどうやって問題にならないで案内をするのか考えた。その時、ここに来る前に買ったイヤリングのことを思い出した


 席を立ち、机の引き出しから金属片を取り出した。おじさんが王都から出る前にくれたものだ


 金属を端を小さく砕き、テーブルの上に置き覆うように手を置いた。目を閉じた


「何を」

「今、集中してるから話しかけないで」


 数分後、リベラは目をゆっくりと開け手を離した。ただの金属片のかけらがイヤリングになっていた


「これなら、どこからでも話しかけられる」

「ただのイヤリング?」

「私の魔力で作ったから案内をするなら思うだけで私に聞こえるようになる」

「でも俺、イヤリングつけたことないから穴空いてないぞ」


 確かにノクスはイヤリングをつける穴が開いていない


「今開けるから大丈夫」

「いや、別にいいけど」


 リベラはノクスの耳を軽く掴むと一瞬にしてイヤリングの穴が開いた


「痛くない?」

「大丈夫だ、あんまり痛くないんだな」


 ホッとするとリベラが笑いながら言った


「魔法の相性が悪いとかなり痛いんだけど。まぁ、良かった良かった」


▶︎


 今、ノクスはいないのでイヤリングで会話しながら案内をしてもらっている


「1階の・・・次を右の所に図書館がある」

(ここか)


 空中に浮かぶ本達、山のように本棚があり圧巻な光景だ。


 図書館を見渡しながら歩いていると2階の席に見覚えがある背中を見つけた。リベラを階段を上りこっそりと女の子が座っているテーブルの前に座った


 女の子は真剣な目で本を読んでいてこちらに気がついていない


 リベラはペンと紙を持って来て、紙に何かを書き女の子の前に置いた。女の子は本を読み終えると横に紙があることに気づき開いてみると


[昨日は名前を聞けなかったけど私の名前はリベラ]


 前を見るとうつ伏せで眠っているリベラを見てスクっと笑い、紙に文字を書いた


 しばらくするとリベラが起きた、目の前に女の子はもういなかった。しかし、手に紙が握らせてあって開いてみると紙に文字が足してあった


[私の名前はステラ]













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