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第32話【ラブラブチェキセット……ですか?】



「二名様こちらへどうぞ♪」


 あの後、わたくしは黒川優花とペアでカフェの二人席に案内されてしまいました。

 とんだ屈辱ですわ。


「貴方の所為で二人席に案内されて散々ですわ」

「こちらこそ、アンタの所為で……散々よ!」


 あら? それって……


「もしかして、桜井百合とのデートを邪魔されて怒っている感じなのかしら?」

「そ、そんなこと言ってないでしょうが!」


 これは、いい機会ですわね。

 この前、桜井百合、本人に二人が姉妹(設定)ということは聞いていますが、今度は黒川優花の方に確認してみましょう。


「そう言えば、桜井百合は貴方のお姉ちゃん(設定)なんですってね?」

「……百合が言ったのね?」

「否定はしませんのね……」


 ……姉妹設定は本当なんですわね。


「因みに……貴方が『ネコになる』のも本当のことですの……?」

「あ、アイツ!? そ、そんなことまで喋ったの!?」

「ほ、本当ですのね!?」

「う、うっさいわね……」


 この照れよう……本当に黒川優花が『ネコ』なのですわね。正直、意外ですわ……二人の感じから『ネコ』っぽいのは桜井百合だというのに……いいえ、人は見かけによらないものかもしれませんわね。


 すると、店員さんが注文を取りに来ました。


「ご注文をお伺いします♪」

「えっと注文は……」

「この『原人コラボ二人でラブラブちゅちゅミラクルジュース&チェキセット』をくださいですわ」

「ぶほっ!」

「か、かしこまりました~♪」


 そして、注文を聞き終わった店員さんがいなくなると……


「何ふざけたものを注文してくれているのよ!」

「仕方ないでしょう! 限定キーコースターをもらうにはこの商品を注文するしかないのですわ!」

「アンタだけで頼めばいいでしょう!」

「この商品は二人組じゃないと頼めませんのよ!」


 すると、店員さんが本当に二人で飲み切れるか分からないジョッキサイズのドリンクを《《一つだけ》》持ってきました。


「お待たせしました~♪」 ドンッ! ←ドリンクを置く音


「こ、これは……」

「そう『二人でラブラブちゅちゅミラクルジュース』ですわ……」


 そこには一つのジョッキに中身がよく分からない青い飲み物と二人で飲めるようにハートマーク型のペアストローがブッさしてありました。


「もしかして、私達でこれをのむわけじゃないわよね?」

「因みに、この店はコラボグッズだけを目的とした大量注文を防ぐため、お残しは厳禁ですわ……」


「「…………」」 シーン……


「何でこんなもの注文してくれたのよ!?」

「仕方ないでしょう! これを頼まないとフリリーナとフータンの限定キーコースターが手に入らないんですから!」

「バッカじゃないの!? こんな恥ずかしい飲み物……二人で飲めるわけないでしょ!」

「貴方のお姉ちゃん(設定)は飲んでいますけどね……?」


 そう言って、わたくしが隣の席を指指すとそこには――


「りこちゃん! これがニャンドローネの限定キーコースターが貰える『ラブラブちゅちゅミラクルジュース』です」

「百合お姉ちゃん、おいしいね!」

「はい! とっても美味しいです♪」


 ――と、そこにはわたくしの妹と仲良く巨大なドリンクをペアストローで読む桜井百合の姿がありました。


「あれは中身が子供だから恥ずかしくないのよ!」

「恥ずかしいって言うなら、貴方だってニャンニャンしているんでしょうが!」

「な、なな、にゃんの話よ!?」


 この後、ジュースはジャンケンで交互に飲み合ってなんとか飲み切りました……。




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