メカナイズド・ハート 75話
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暴徒の一人が蹴飛ばされたことにより暴徒の集団がこちらにも意識を向ける。
しまった、不意打ちできるというアドバンテージを無駄に使ってしまったか?
一瞬そのように判断に迷いが生まれてしまう。
「オラアア!!」
怒りの包まれた声が暴徒から発せられ、消防用の斧を持った男が思い切り、振りかぶって一撃を加えてくる。
慌てて初撃をバックステップで回避し、返す刀で放たれた二発目の攻撃は素早く横方向にローリングをして攻撃をかわす。
しかし、ローリングをした後立ち上がりったところを背後から体当たりを喰らう。
押された勢いで前方に倒れるのを生かして、素早く受け身を取りつつ後ろから攻撃した暴徒の姿を確認する。
その際に、上に羽織っていたジャケットのチャックが緩み下に来ていた軍服の徽章が見えたようで暴徒の手が止まる。
なぜ彼らの手が止まったのか理解できないルーカスに向けて暴徒の1人が口を開く。
「お前ポーランド軍の士官かよ。裏切りものを懲罰しに来たが、思わぬ収穫だな。借りを返してやる。」
その言葉が終わるとともに彼らは再び武器を思いっきり振りかぶり、姿勢の低い状態にあるルーカス目掛けて手に持った武器を突き刺そうとしてくる。
ルーカスは彼らの悪意の暴風雨にさらされながらも、怖気付くことなく自らの怒りを爆発させる。
目の前にいる名前も知らない小男
目の前にいる名前も知らないクソガキ
目の前にいる名前も知らない腐れバカ女
目の前にいる名前も知らない脳まで加齢し切ったおいぼれ
目の前にいる名前も知らないデカい口を叩きながらも後ろに隠れている小心者
全てただのゴミどもだ。
ルーカスの貴重な平和を破壊する侵略者どもだ。
怒りの感情は一瞬で沸騰する。
バンッ バンッ バンッ バンッ
暴徒達の顔に鉛玉が撃ち込まれ、血が花のように撒き散らされる。一瞬の死を回避した暴徒達にもすぐに次の鉛玉が撃ち込まれ次の一瞬が訪れるまでの間に死ぬ。
バンッ バンッ バンッ バンッ
空虚な炸裂音が響くと共に、体がフロアの床に落ちる鈍い音が響く。
階段で2階の窓から侵入してきた暴徒達はその戦意を失い我先にと逃げだし怪我を覚悟で飛び降りる者と、決死の一撃を喰らわせようとする者で暴徒達は別れ、大混乱に陥る。
バンッ バンッ バンッ バンッ
しかしその間もルーカスの発砲が止むことはなく向かってくる者も、背を向けて逃げる者も平等に撃ち殺していく。
一撃を加え、しかし死に切れずに床に伏し、壁に体をもたれかけながら血を流す者達は無視する。
球が切れれば素早く弾倉を交換し、目の前にいるジプシーよりも見苦しい者達を清掃する。
「くたばれよこの野郎ども。」
ルーカスの口元から溢れた言葉は一言だけ。その一言にルーカスは全ての持ちうるだけの悪意を込める。
これではさながら悪役だ。
ルーカスはそう思う。
しかしエミーやベル、セルゲイがやるような狂気と悲しみに満ち溢れて嗤うことはできない。
顔は引きつり、怒りを表情に込めて目を釣り上げようとしても悲しみのあまり目元から涙が込み上げてしまう。
ええ感じです。




