メカナイズド・ハート 74話
昨日更新できなかった分少々文字数多めで投稿させていただいております。
痛みに震える体と脳を必死に抑えながら、素早く巨大な業務用冷蔵庫と役割を交換する。
業務用のものとしてはかなり小型で軽量化された日本製の冷蔵庫であるが、それでも体重が100キロを超えないルーカスと手抜き工事で取り付けられた安物の金具よりも遥かに効果がある。
ドアは衝撃によって揺れ、金具が一つ一つ根本から外れたことはあっても、ドアとほとんど同じ大きさを持つ巨大な冷蔵庫は巨大なつっかえ棒としてその役割を果たしている。
その様子を見て、冷蔵庫の力強さの感心すると同時に絶対的な安心感と途方もない疲労感で膝から崩れ落ちてしまう。
「大丈夫ですか?」
店員達も安心感で一息ついた後、自らの店員としての立場を理解し我に帰ったように周辺の客に丁寧に状況を収拾しようとしていた。
「お怪我等はありませんか?ああ、凄い傷ですね。」
「いや、この程度どうってことないさ。イテテテッ。」
ルーカスは優しい従業員の1人に暖かい蒸気で温められたばかりハンドタオルを渡さる。
ずっと室内にいたために特に汚れている箇所もなく顔を拭く必要はないだろうと手を振り断ろうとするが、勢いのままもらってしまう。仕方なく手早く顔を拭いてみると、途方もないない量の粉塵が空を舞っていたことや、額から滝のように汗が流れていることを感じる。
バリンッ
ガタタッ
2階から一瞬訪れた平和を撃ち破る音が響き、悲鳴も狭い店内に響き渡る。2階にいた数人の客が攻撃されたのだろうか?
先ほど一瞬だけ視界の中に入った暴徒の投石攻撃による傷の手当てをエミーがしていたのを思い出す。
しかし明らかに足音が多い。
2階にはエミーがいる。
ルーカスにはその事実だけで充分すぎる。疲れは一瞬で吹き飛び、階段を3段飛ばしで駆け上る。
1秒もしないうちに到達した2階はすでにカオスとかしていた。数の少ない店員と客だけでは満足に戦意と数に勝る暴徒達には敵わないだろう。
あたりを見回せば、恰幅も良い男性客が1人フロア中央で、スプラッター映画さながらの生々しい傷跡を見せつけながら仰向けに倒れている。さらに、フロアの隅ではエミーと数人の客達が必死に棍棒やナタ、斧で武装した暴徒達に対して椅子を武器に抵抗を試みている。
危ないッ
思わず声を荒げそうになる。
暴徒の1人が腕力に任せてエミーの持つ椅子の足を掴み床に向けて押し下げて隙を作り、素早く手に持ったナイフをエミーの首元の乳白色の綺麗な肌に深々と突き刺そうとする。
エミーはそのような攻撃を許すほど甘くない、素早く手に持っていた椅子を諦め相手の突き出したナイフを横から素手でピシャリと弾き、体を捻り相手の脇腹に蹴りを爆発させる。
体重体格で劣るエミーの放ったものであったが、その一撃は破壊的だったのだろう。
紙一重で致命傷を避けるエミーと暴徒達の戦いを見て感心している場合ではない。
ルーカスはもっとも近くにいる長い金属パイプを持った暴徒の1人を後ろから蹴飛ばす。
リーチの長い金属パイプで暴徒の壁の後ろからエミー達を攻撃しようとしていたのだろうが、そうは問屋はおろさない。蹴飛ばされた勢いでパイプ持ちの暴徒は他の暴徒仲間数人の背中に激突する。
最近随分寒いのでおでんを食べました。
体に出汁が染みて美味しいですね。




