メカナイズド・ハート 66話
(⌒▽⌒)
鈍色に輝く光が暗闇の中で見える。
ぐんぐん近づいてくる。
キラリキラリと淡い光を放ち、深海より深い暗闇の中では海面から降り注ぐ光のすじにも見える。
さらに近づいてくる。
もはやビー玉サイズにまで膨れ上がった光は、次第にその全貌を見せていく。
数十の中小さまざまな大きさのコロニー達が視界いっぱいに広がる。
遠くからはまとまって見えた光の塊も、その一粒一粒が30万人から100万人の人間を支えるコロニーである。
「ランデブー準備開始、敵の妨害を受ける前に速やかに終わらせるぞ。」
ベテランの船長は部下達に一声かけるとブリッジ席に腰を据えて艦全体と一体になる。
彼の周りでは航海長や機関部長、操舵長が手早く指示を周りに飛ばす。
「最終確認!!」
副艦長は声を張り上げる。
「機関部安全?」「よし!!」
「相対速度!!」「よし!!」
「残推進剤!!」「よし!!」
「積荷固定!!」「よし!!」
「総員ランデブー体制!!」「よし!!」
「ランデブー開始!!」
緊迫感がブリッジを支配し、ブリッジのスクリーンいっぱいに鈍色のクレーターだらけのコロニーの外殻が広がると、その分だけ全ての船員の緊張が高まる。
「ビーコン確認!!軌道に乗せます!!」
操舵長が自らの手でビーコンが示す軌道に艦を乗せる。
灰色のコロニー外殻の壁面に光が漏れ出す小さな穴が見える。宇宙港だ。
艦はビーコンの光に沿って自動操縦で少しずつ相対速度を縮めながらゆっくり確実に、近づいていく。
宇宙港周辺にはすでに先に到着した艦たちが、小さな曳航艦に押されながら各ドックに接岸していく。
ガチャンッ
足元から脳にまで響くような重低音と共に、艦が接岸した音が聞こえる。
「ふう〜。」
誰もが心の底から深いため息をつく。そして数秒後には艦内に歓喜の声があふれかえる。
久々の上陸に誰もがその目を潤ませていた。
「疲れた〜。」
「ね〜。」
ルーカスはエミーと共に、小さな窓から賑やかな宇宙港と溢れる作業員や作業ポッドを見て童心に帰ったように喜んだ。戦争の傷も残るものの、今まで訪れたコロニーに決して引けを取らない宇宙港は傷ついた自分達を優しく抱きしめてくれるような母性すら感じさせ、
「また近くのシーフードレストラン行こうよ!!」
「良いね!!これくらい大きなコロニーなら名店にいっぱいありそう!!」
2人の胸と腹は、食い意地と久しぶりにデートに対する喜びでいっぱいに膨れる。あまりの幸せに有重力下でも無重力空間のように浮かび上がれそうになる。
「おいどこ行くつもりだ、まずは仕事だぞ。」
腰に手を当てたセルゲイに水をかけられるまでは。
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