↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/185

メカナイズド・ハート 150話

本日は2本投稿になります。

「訓練生諸君!!整列!!敬礼!!」


ルーカスの副官のミリアム少尉の声で百人以上の部下達が一斉に敬礼をする。壮観だ。


「休め!!訓練隊長訓示!!」


ザッ ザッ


訓練生達は一斉に音を立てながら綺麗に秩序だって休めの体勢を取る。たった3週間でこれだけの秩序と統率が取れるようになっていれば、ある程度はやれるだろう。


ルーカスは訓示の後に詰まっているであろう大量の業務を念頭に置きつつ、手早く訓示を進める。訓示の内容はいつだって変わらず同じような新兵達を激励するような内容だけだ。


「訓練生!!訓練隊長殿に敬礼!!」


再び秩序だって訓練生達は敬礼をする。

彼らの顔は、もはや生意気なクソガキでも真面目な訓練生の顔でもない。一人前の兵士の顔つきだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


訓練生達を送り出して数日後、ルーカスに思っても見なかった命令が届く。


「転属?あれだけ中隊指揮官として論外なレベルの命令違反をやらかしておいて?」

「そのようです、不思議ですね。」

「それ以外には何もないのか?」

「わかりません。ただ来るべきベルリン攻略戦に投入される可能性はかなり高いかと思われます。」


ルーカスは副官のミリアム少尉が言った言葉を聞いて押し黙る。


「そうか・・・、せっかく後方での仕事に慣れてきてこのコロニーも好きになってきたのに残念だな。」

「ですね・・・。便の手配をしておきますね。」

「頼む。」


だいぶ副官としての仕事が板についてきたのか、ミリアム少尉が引くつぐ部隊のいるコロニーまでの便を手配してくると申し出る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


移動と引き継ぎ等の雑務をこなして数日後、眼前にはどこかで見た顔を揃えた大隊が並んでいる。


「俺が3週間で初めて育てた大隊を指揮するのか。」


ルーカスは半ば後悔に包まれながらも大隊の部下達を眺めていると、訓示をすることになる。


「困ったな、何も考えていなかったぞ。」


そう小さく呟きつつも、しっかりと息を吸い胸を張り口角を上げて喋り出す。


「諸君!!勇敢な諸君達に再び会えて光栄である!!厳しい訓練は確かに君たちの生存へと繋がっていることを知れて私は嬉しい。しかし、私は再会の喜びを横に置き先に行っておかなければならないことがある。それは!!今日ここで再会できたお前達と再び!!離れ離れになるかも知れないということだ!!我々は精強だ!!しかし敵は狡猾で我々の仲間達を連れていくことだろう!!」


ルーカスはそこで一息おく。


「だが!!我々は最終的には勝つ!!お前達には死を恐れず勇敢でいて欲しい!!」


ルーカスは再び息をひと息ついて、目の前に綺麗に整列して休めの体勢をとっている隊員達の顔を見回して顔の一つ一つを確認して彼らのその目を突き刺すように見る。


「それまでは!!この再会と武運長久を願って乾杯しよう!!祖国万歳!!」


ルーカスの言葉でポッドパイロットの控え室が歓声に包まれる。


ルーカスは今やポーランド人の誰よりも音頭をとって万歳を叫べるようになった気がする。しかし、同時にますます心の中の冷酷な部分が尖りだし、自らが戦争の狂気に飲まれていくように感じる。


「こんなにしていたら頭がおかしくなってしまうよ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。