メカナイズド・ハート 113話
大変遅くに投稿でやんす。
「おはよう、元気かい?」
「んなあ・・・、おはよう?」
聞きなれた声でルーカスが目を覚ますと、四肢がパイプ椅子に固定されていることに気が付く。パイプ椅子に注意を向けて下を向いたルーカスの顔を、前に目の前に立つ聞きなれた声を発する男がのぞき込んでくる。
「なんだよ。」
「は?」
ルーカスは下からのぞき込んでくるセルゲイに対して煩わしく感じ、ぶっきらぼうに対応する。しかし、セルゲイはそのような甘えを許さない。
「前を向け中尉、ただでさえ失点続きなんだ。これ以上会社に泥を塗るようなことをするなら・・・覚悟してもらうことになるぞ。」
「そうかい?俺のことはルーカスって呼んでくれていいんだぜ?セルゲイ中佐殿?」
ルーカスは自棄になり、目の前に眼光をギラギラと光らせるセルゲイに挑発的な言葉を言う。言い終わった直後、ルーカスは右頬に強い衝撃を受け、顔全体、首へと衝撃が伝わりガコッと首が限界まで曲がる。急に動いたおかげで首の骨が削れる音がして、首から上全体にしびれるような痛みと鈍い骨にしみる痛みが混在する不思議な感覚に陥る。
「いってえ・・・。」
「当たり前だろ?今ぶっ飛ばしてやったんだから。」
激痛で思わず呻くルーカスに対して、セルゲイは当たり前だとため息をつきながら諭すようにルーカスに対して話始める、
「おれが、以前お前とエミーを折檻したときの何を教えたか覚えてるか?」
「中隊は家族?」
「そっちじゃない。」
「命令に・・・、絶対服従?」
「それだよ。」
セルゲイは、これまたルーカスに対してなぜすぐ答えを見つけることができなかったのかとでも言うかのようにため息をつきながら、ルーカスの答えを肯定する。
「お前は警官たちに下されていた病院の維持命令を妨害して混乱を巻き起こした。警官たちに命令を下していたのは占領地の軍政に当たっているヤロポルク・コジロウスキ少将で、少将は俺たちの直属の上司と言っていい。」
「そうか・・・。でも俺は、目の前であんな風に人が殺されるともう。」
ルーカスは、セルゲイから言われる命令服従の原則を言われ続ける。ルーカスはその原則に同意する。しかし、ルーカスにはその原則と同じくらい頭の中に浮かんでくる情景がある。
「おれは忘れられないんだ・・・。市街地ごとゲリラ戦をする敵部隊を爆殺して、民間人ごと吹っ飛ばしたことを。」
ルーカスは、その言葉を吐き出してようやっと楽になる。
楽になってふと、目を上げてみるとそこには一切の感情を浮かべずに無表情でたたずむセルゲイがいる。薄暗い部屋の中で彼の大きく開かれた何も映らない目と彼の軍服についたやっすぽくどこか頼りがいのない銀色の金具だけがいつまでも光り続ける。
本当に遅くなってしまいました。




