メカナイズド・ハート 102話
本日の投稿は昨日よりも遅れてしまいました。
白い軌跡をなくなった左腕部の根元から垂れ流しているベル機を見て、シミュレーターのリアルさに驚くと同時に勝利を確信する。
しかし、同時に頭の隅にわずかに残る実戦で鍛えられた先行きを不安視する脳細胞が「勝敗はいまだ決していない、敵を侮るな」と叫び続けてる。
そして答え合わせのように、ベルの傷ついた【アースフィション】から垂れ流れる白い軌跡に交じって現れた数個の赤外線反応を検知する。
「やっぱりかぁ!!」
そう怒鳴りながらも、低速かほぼ失速状態から発射されたあまり速度の乗っていないミサイルを回避するために深く右旋回する。
数秒もしないうちにベル機と真正面から撃ちあった後も高速を保っていたルーカス機は、勢いよく右旋回を行う。旋回時にエネルギーをすさまじい勢いで消費しながらも、スラスターを吹かすことで追加のエネルギーを確保しながら低速のミサイルを完全に置いてけぼりにする。
ルーカスは視界の中に低速で漂うベル機をとらえると、すさまじい勢いで迫りながら残りの切り札として残していた2発の対ポッドミサイルを時間差を置きながら完璧なタイミングで放つ。
そのどちらもがレーダー誘導方式のものだ。
ミサイルを撃ち返されたベルは、素早く機体を急降下させて再度エネルギーを稼ぎながらフレアを巻き続ける。小さな金属管の中に入った化学物質が化学反応を起こして熱を発するものの、レーダー誘導ミサイルは誘導に赤外線を使わないために熱源が新たに発生しても痛くもかゆくもない。
ミサイルが一切動じないことに気づいたベルは、即座にレーダー誘導に効果のあるチャフを発射する。こちらはレーダー誘導方式のミサイルが照準と誘導に用いるレーダー波を銀紙のような、レーダー波を乱反射させる小物質を大量放出するものだ。
2発のミサイルのうちの一発は、チャフに影響を受けて外れる。しかし、時間差で遅れて発射されたもう一発は分厚いチャフの嵐の隙間を縫い、ベル機に近づく。
ルーカスは一瞬命中を確信するも、タイミングを合わせすぎたために時間差で発射された二発目のミサイルは命中のタイミングを失ったと感覚的に察する。
それを裏付けるかのように、ベル機めがけて発射されたミサイルは急降下と鋭い旋回と急加速を組み合わせたベル機の回避機動についていけずに通り過ぎてしまう。
なんてことだ。
ルーカスは自らの愚かさを恥じながらも、120mm砲の照準器の中にベル機をとらえる。そしてその直後、ベル機はすさまじい勢いでロール機動を取り始める。
ベルによる特訓シーンは次話で終わりです。




