第3-3章 ヴァンパイの睡眠
遅くなりすいませんでした。
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運ばれてきた食事は自分が考えていたヴァンパイアの食事とは大きくかけ離れていた。
300グラムはあると思われる動物の肉のステーキと野菜のスープ。
そしてワイングラスに注がれた真っ赤な血。
肉の焼き加減は血が滴るほどのレアだった。
グラスに注がれたのが血でなくワインだったら高級レストランのメインディッシュとなんら遜色ないクオリティだ。
食事が運ばれてくると途端に食欲、、、というよりは渇いてくるのがわかった。もちろん料理の香りではなく血の香りによるものだ。
ともあれ、料理はとても美味しく感じた。そして周りのヴァンパイア達を見て思ったがみんな食事のマナーがいい。みんなしっかりとフォークとナイフを使い、好き嫌いすることなくきちんと完食している。
こうしてみると貴族が楽しく会話をしながら食事を楽しんでいるようにしか見えな。
審問の時は緊張でそれどころではなかったが落ち着いた今、他のヴァンパイアをみるとみんなイケメンばかりだと思った。
もともとこの世界の住人は元の世界で例えるなら西洋向けの顔の作りだとおもたっが、ヴァンパイア達はそれに拍車をかけてかっこいい。彫りが深く真紅の瞳、肌は白い。元の世界ならみんなモデルとして活躍できるんじゃないかと思うくらいだ。
そして服装はアサシンクリードのアサシンが来ている服にそっくりである。
「アッシュ、ヴァンパイアはみんなこんなにイケメンなの?」自分もこうなれるのかと気になり聞いてしまった。
「イケメン??どおゆう意味だ?」
元の世界の言葉を普通に使ってしまって焦った。
「顔が整っているいるというか、、人間だったら女性がよって来そうなさ、、」と誤魔化した。
「そうなのかな?気にしたことなかったな。けどヴァンパイアは長年生きていると顔が似てくるらしいぞ。自分の顔に興味あるやつなんてなかなかいないと思うけどな」というとアッシュはグラスの血を飲みほした。
自分も食事に戻り、一口ワインを飲んでみた。
思い出したくもないが人間の血とは明らかに違うのがわかった。
人間の血を飲んだ時ほど満足感がなく物足りない感じだ。
例えるならば 夏、運動した後に冷えたものが飲みたいのに、ぬるい水しか飲めない感じだ。
満足感はないけどとりあえず喉は潤う。
審問の時、大広間にいたヴァンパイアだけでも100人以上はいたように見えた。その人数分の血を確保するのは大変だろうから動物の血で補っているのだろうと一人で納得した。
食事も終わり、アッシュと共に食堂を出て迷路みたいな洞窟を歩くと今度は二人で使う部屋に案内された。
「ここが俺たちの部屋だ!好きにくつろいでいいぞ」アッシュはかなり嬉しそうに言ってきた。
そう言われて中に入ってみると思ったよりは綺麗な部屋だった。相変わらずどの部屋も岩をくりぬいたものだ。
部屋は正方形で広さは16畳くらいのだろうか。部屋の入ってすぐ左には騎士の鎧一式が壁に掛かっている。入って突き当たりの壁の左隅には膝下くらいの高さの長方形の石がある。おそらくベットだろう。部屋の右隅には俺のベット思われる石が置いてある。ヴァンパイアと言えども石で寝れるほど無頓着になれるのか?と思った。
部屋の真ん中には長方形の木造のテーブルと二脚の木造の椅子がある。
「この先ずっと相部屋なの?」思わず俺は聞いてしまった。
サッとこっちを向いたアッシュは「え??嫌だ?」少し悲しそうに見えたが
「100年ずっと相部屋はきつくない?」と苦笑いで答えると
アッシュは「個人差はあるけど何年かすれば試練が与えられるからそれをクリアできれば一人前と認められて一人部屋が与えられるからそれまでかな!」と言った。
俺は「一人前とかあるの?」と聞くと
「お前も人間でいた期間があるわけだしヴァンパイアと人間の関係は知ってるだろ?ヴァンパイアも常に戦いに備える必要があって一人一人が戦力だから自分の力を示す必要があるのさ」と下を向き少し悲しそうな表情でアッシュは答えた。
アッシュが他のヴァンパイアと違うのだろうか。それとも俺の中のヴァンパイアに対する冷酷というイメージが間違っていたのだろうか。
少なくともアッシュは会話が好きで感情豊かで人間より人間らしいと思ってしまう。
そう考えているとアッシュが「明日に備えて今日はもう休むか。人間の睡眠とは感覚が違うから慣れるまで時間かかると思うけど」というとベットにい横になった。
俺も自分のベットに横になるとアッシュが「ヴァンパイアは寝なくても活動できるけど起きててもやることがない時は横になる。慣れれば起きるタイミングとかも感覚で掴めるようになるよ。目を閉じて無心になって暗闇の奈落に落下することをイメージするといいぞ。その時に奈落を深くイメージするほど長く寝てられるよ。俺たちは感覚が鋭いからいろんな音がする外ではなかなか寝れないけど。よし!寝ろ!」と言うとアッシュは静かになった。
とりあえず試してみるかと思い、元の世界にいた時、ディズ○ーシーのタワーオブ○ラーのに乗ったのを思い出し、暗闇の中でその時の落ちる感覚をイメージした。