水着コンテスト 2
朝食を食べ終えた直斗達は、その店の前で別れた。
どうやら水着コンテストは明日の午後から直斗達の泊まる宿の前の浜辺で開催されると言うのを宿のおっちゃんに聞いた。
直斗を除く女性陣全員が参加すると言うとおっちゃんが参加用紙を持ってきてコンテストの参加登録をしてくれる事になった。
氷依達は水着選びに行き、僕達は情報集めと魔法道具屋めぐりだ。
昨日、寝る前にミナホさんにメールを送った。
約束をしたことを守ったのだが、それから直ぐに電話がきて1時間も相手をさせられた。
その時にシルク海老の事を聞いてみたのだが、地元の漁師の協力と魔法道具エアーキャンディが絶対必要だと教えてくれた。
水中で呼吸するのに必要らしい。
ミナホさんのアドバイスでやはり冒険者ギルドに相談するのが一番の近道で、単独交渉はレベルが低い者は止めた方がいいとのこと。
彼女は今、隣の国に急きょ呼ばれたらしく火の国はいなく会えないのを酷く残念がっていた。
その他、魔法道具屋夜叉の月夜さんと奏でにもメールを送りソルトの町に来た目的を知らせてある。
それを知って月夜さんが良いもの~があるの~と、奏をこちらに送って商品を見せてくれる約束をした。
なんでも水中戦闘に便利な道具らしく、1個3万円と割りと高額なんで見て決めて~、ということで奏が来ることになった。
ファヤの街からこのソルトまで汽車で2日はかかるらしく夜の最終に乗って明日の夜に到着するらしい。
その際、月夜さんから奏を好きにしていいのでヨロシク~とメールを頂いている。
明日の午前中に来れるなら皆に紹介ついでに水着コンテストに放り込むのだが、無理そうだ。
ふとそんな事を考えながら白夜と手を繋ぎ冒険者ギルドの中に入っていった。
「シルク海老ですか。確かに沖で取れます。しかし潜って取らないといけない決まりなのですが?」
冒険者ギルドの相談窓口で職員のお姉さんとシルク海老について聞いてみたらそんな事を言われた。
「海の中に潜って取るのですか、武器の使用は?」
「はい、問題ありません。ただ乱獲を避けるために1隻50㎏と制限されてますがよろしいですか?」
制限があたったのかと驚いたが、依頼では45㎏だったのを思い出して。
「はい、大丈夫です。それと他の魚を捕っても大丈夫ですか?」
「基本的に魚なら問題ないです。貝や甲殻類などが制限対象です。」
直斗は貝や甲殻類ねと頭の中でメモをとる。
それから職員のお姉さんが漁業頭に連絡を入れ漁師を一人紹介してもらって、ギルドを後にした。
「マスター良かったですね。話がまとまって」
ギルドにいる間、白夜は直斗と別れ最新情報を仕入れにアチコチと動いていた。
その時に知ったのだろう、ギルドのお姉さんが紹介してくれた漁業頭さんが暇な奴がいるから使えと連絡があり、午後1時に宿の前で待ち合わせとなった。
現在、午前10時30分。
待ち合わせには余裕があるので、直斗は魔法道具屋に向かっている。
「ああ、運が良かったよ。白夜はなにか気になる事でもあった?」
「そうですね、隣の国で魔物大暴走が発生したらしいですよ」
「魔物大暴走?」
「はい。魔物狩りを怠ると魔物達が集まり、その国中を走り回り被害を与える厄介な現象です」
「………………本当に?」
「はい。それで近隣から冒険者を集めて討伐するらしいですけど………」
白夜の顔が微妙に歪む。
「?。どうしたの白夜?」
「はい、冒険者の集まりが悪いそうなんです。ですから………相当な被害が予想されます」
「そうなんだ………」
直斗は急きょ隣の国に呼ばれたと行って向かったミナホの事を思い出した。
たぶん、これの事だろうと思い多少の縁もあるので無事に再会できるよう祈った。
魔法道具屋についてそく、エアーキャンディを買った。
1個で1時間の効果があるというので2ダースほど買っておく。
その他、色々と物色していると道具屋の一角に水着コーナーがあった。
男物と女性物が一緒に売っていたので白夜に意見を聞いてみる。
「白夜、あれどうかな?」
直斗の呼び指す一角の水着コーナーを見て白夜が目を輝かせる。
「マスター、良いと思います」
「本当に?道具屋の水着だよ?このあと専門店に行ってもいいんだよ」
「マスター、アレを見たら他は見劣りしますよ」
直斗はそうなのか?と水着をよく見るが、よくわからない。
「おお~!あの水着のよさがわかるかね、お嬢ちゃん」
店の奥からこちらを見ていた道具屋の主人が白夜を尊敬の眼差しで見ている。
「えっと、どれが良い?」
直斗は疲れ果てた。
自分の水着は直ぐに決まった、問題は白夜の水着だ。
子供用の水着がやたらと多い。
なぜこんなにと思うほど奥から出てきた。
勝ち誇ったような道具屋の主人の顔がムカツク。
「マスター、こっちはどう?」
白夜が水着を着て直斗に見せに来る。
すでに8着目、直斗はすでに飽きていた。
幼女といえど女性、それがこんなに時間がかかるとは………………。
「白夜、もうすぐ待ち合わせの時間が………………」
「マスター!私が負けても良いのですか?でも時間がかっているのも事実ですので3番か8番目のこれかで決めましょう!」
白夜がいま試着している水着は黒の水着だ。
スクール水着のサイドを切り取ったようなデザインで、子供用とは思えないくらいだった。
「うん!似合ってるよ。それにしようか?」
「そうですか?私は3番目が良いとも思いましたが………マスターがそう言うのなら」
「いや!白夜が3番目の水着が良いならそっちでも………」
「はぁ~。マスター!自分の意見を持たない男なんて、カスですよ。ですから男らしく決めてください」
白夜が半眼で直斗を見る。
初めて見せた白夜の表情に直斗は内心オロオロと動揺したが、時間がないのも確かなので直斗は決めた。
「白夜!2着とも買おう!僕は8番目だし白夜は3番目。なら両方あれば問題なしだ」
「………はい!マスター。おじさん2着くださいな」
白夜が道具屋の主人に水着を2着差しだし購入した。
ギフトの装備画面に購入した水着をスキャンして取り込み、第2装備として登録。
これで着替える場所の必要がなくなり、ボタン一つですむ。
予想外に魔法道具屋で時間をくってしまった。
待ち合わせの時間がギリギリである。
直斗は急いで宿まで戻ると宿の前に待ち合わせの約束をした漁師らしき人が見えた。
日に焼けた肌に成長中ですという体つきの少女が水着を着たままそこにいた。
「すみません、遅れましたか?」
直斗は待ち合わせの漁師らしき少女に頭を下げる。
「?、あなたが光羽さんですか。時間は大丈夫ですので頭をあげてください」
漁師をしているとは思えないほど優しい声に直斗は頭をあげて少女を見る。
改めて見ると直斗と同じぐらいの年齢に見える。
赤茶色の髪を短めにカットしてあり、話し方と違って活発そうな印象がある。
「初めましてカナです。漁業頭から連絡あり、私が対応する事になりました」
「はい!ヨロシクお願いします。光羽直斗です、こっちは白夜で他に仲間が3人います」
直斗とカナは近くの店に行き話を詰めることにした。
「では光羽さん、期間は2日でいいのですね?」
「はい。カナさんから話を聞いてそれで依頼を達成できると思います」
「わかりました。明後日から2日間、ヨロシクお願いします」
「はい!お願いします。それでシルク海老を捕まえる道具と船のチャーター代でおいくらでしょうか?」
「そうですね。………………全部で9万円でいかがですか?」
「いいですよ。支払いは現金、それともカード?」
「できれば現金でお願いします」
「わかりました。当日にお支払します?」
「いえ、仕事が終わった報酬で貰います。光羽さんもあまり前払い的な事は言わない方がいいですよ、詐欺みたいな事もありますし」
「はい、すみません。注意します。それと僕は直斗と言ってください。カナさん」
「クスッ。わかりました直斗さん。では2日後に船の場所で待ってます」
喫茶店のようなお店からでて直斗とカナは握手をして別れた。
「へえ、直斗がナンパなんてねぇ」
「えっ!」
後ろからの声に直斗が振り向くと氷依がいた。
「違うよ!………………て、氷依………似合っている」
「そう、ありがとう」
長い銀髪に白の水着がよく氷依に似合っていた。




