㉙チート級のクスリ
陸弦と祝律音は、6人の猪鹿男に
囲まれる。
猪頭の男は、陸弦の、巨大水流竜巻に、物怖じもせず、『先生の、水龍天触手破』は久々に見ました。相変わらず、様子見に使う、惰性の拳。それは、今のワタシには通用しませんよ』そう言い放ち、
太極拳のように、ゆっくりと手足を、型にはめて行く、スローな、動きが、残像を見せる。猪頭の右腕に、水龍の一部が、キュッキュッキュッと、音を立て、吸い取られていく。水龍そのものが、猪頭の右腕に、吸い取られていくように見える。キュッキュッキュッと音が増していく。回転しているのだ。右腕が高速回転して、水龍を吸い取り、巨大化していく。その回転した水龍の中で、乱気流の中のように、雷が響きわたり、大荒れの天候のようになっている。それを、瞼を薄くして、覗くように見た、陸弦は『まさか、キサマ、水のモードだけではなく、雷のモードも会得したか!チート級のクスリでも使ったか?2つのモードは、実際、使いこなせない。身体が持たないのだ。墓場界のバグを起こすか、チート級のクスリを使うか、覚醒モードのみに効くドーパミンか、まず、通常じゃ有り得ん。』『キサマ、死ぬぞ!』陸弦は、猪頭の右腕を警戒しながら、叫んだ!『攘夷の為、後世に繋がる墓場界の為!この命、捧げる所存。NEOに幸あれ!志を共にすべし!』猪頭は、陶酔仕切っていて、両方のモードの、力の使いすぎで、クスリが回っているのだ。目は虚ろ、口からは、ヨダレがダラリと垂れて、セリフも何処か、言わされているような、操られているのかも、知れんな。陸弦はそう思ったが、殺さずして、
この祝律音のいる状況を回避できるか…。最悪、本当に、殺してしまうかも知れん。
今は、祝律音を連れて、逃げることが優先じゃな。陸弦は、そう考えていた。猪頭は、右腕に吸い込んだ、水龍を雷を混ぜて、コントロールしている。容易に操れるものではないようにみえる。暴れているウナギを、捕まえているように、猪頭はクッ!ムッ!と声が漏れている。だが、次の瞬間、完全に水龍を、掌握したように、水龍の動きは止まり、グルグルと回転はしているが、無駄がない。飼い慣らされた犬のように、水龍は、猪頭に従順になっていた。陸弦に、照準を合わせ、水龍がグルグル回る、時折、雷がバチバチと、水龍内で、轟音が聞こえる。陸弦を、目掛けて放とうとしている。『自分の技を、喰らうことは、なかなかないでしょう。プラス、ワタシの雷鬼龍と混合した。水のモード師範、陸弦破れたり!』猪頭は、右腕を構え、発射しようとした時、水龍の回転で、地面に水が、跳ね落ちて、猪頭の足元には、水溜まりが出来ていた。その水溜まりの水が、震えている。陸弦が、その水たちを、操っているのだ。たちまち、その水は、ネジのように、トルネード状になり、水の先端は尖っていて、数十個も水ネジが、作られて、一斉に襲いかかろうとする、スズメバチのように、いきり立っている。その水ネジたちは、小刻みに、震えながら勢いよく飛び出した。ビュンビュンビュンビュンビュンビュン!と猪頭の、顔面に、向かって突き刺さっていく。鼻、目、口、耳、あらゆるところに、刺さり、猪頭は堪らず、悲鳴をあげる、ウオオオ!ウオオオ!その時、猪頭はつい、両手で顔面を覆うと、右腕にある水龍が離れ、水龍は、上へと龍の形をして、飛び出し、雷を纏いながら、上空でUターンして、真っ逆さまに猪頭を目掛けて、大きな龍は口を開けて、咆哮した。ガアアアアア!顔面を押さえ、苦しんでる猪頭は、上空を気にしたが、瞬く間に、猪頭を飲み込んで、そのまま地面へ、叩きつけられ、その奥の方へと消えていった。龍の咆哮だけが聞こえくる。ガアアアアア!アアアアアア!




