㉘強襲
悪鬼とハガのがいた
紫空メトロポリスで
墓場警報が鳴った同刻。
祝律音と陸弦のいる骨暮里では…
同刻、墓場警報が鳴り響いた。その頃、陸弦と祝律音は、水の生命エネルギーの、演習場に向かっていた。その道すがら、森が両脇に、生い茂る、林道のような道が、しばらく続いていた。風が吹き荒れる。木々は、枝垂れ桜が、春には芽吹きそうな木が、林道の脇に連なる。柔らかな動きで、僕らを、茶化しているようにも見えて、ヒッヒッヒッと、薄気味悪い笑い声が、響いてきそうだ。数百メートル進むと、林道脇から、ザザッと、気配がして、男たちが、目の前に2~3人、後ろにも2~3人、僕らを囲むように現れた。猪や鹿、蛙の頭をした男たちに、いつの間にか、囲まれていた。『うわー!!!!、なんだよ~ビックリした~』祝律音は驚いて、叫んだ!陸弦は、静かに足を止め、祝律音の前に、制止するように、右手を伸ばし、『騒ぐな!バカ!』と言った。彼らは、6名いた。鹿頭に黒いスーツの男が2人。蛙頭の黒いスーツの男が、3人。猪頭の男が1人。この猪頭の男が、このグループでは、ボスらしい風格が漂っていた。猪頭の彼は口火を切った。『あなたが来るのを、待っていました』陸弦に向けて放った。陸弦はそれを、顎の先を、かるく撫でながら『ほう。せっかく拵えた、裏切りの愛弟子が、今の更に、ワシに何用じゃね??』そう言い、6人のそれぞれの風体を、確認していた。そして僕に『お前は動くなよ』とボソッと呟いた。僕は、陸弦がいて、安心感はあるものの、膝が笑っていた。
男は続ける『今、墓場界は、揺れています。墓場くんは、咆哮するだけの日々。力を、嘆きに変えているだけ。墓場界の秩序は新たに、長を置き、正されるべき時です。攘夷です。攘夷。我がNEO墓場界に攘夷すべき。
鹿間影堂天皇に実権を移すべく、NEOの時代に。どうか我がNEO墓場界に、先生の力を貸してください』
猪頭は雄弁に語った。『ふん、あきれたね、墓場くんの真意も知らず、あんたらごときが、覆せるものかよ』陸弦は、落ち着いた様子で伝えた。『NEO・墓場界、我々の影堂天皇の元には、もう金の卒塔婆が集まりつつ、ある。墓場くんは、近々、墓場力自体を失うでしょう。古参部隊の、墓場くん支持派も、だいぶ寝返っていますよ。あなたも、苦渋を飲まされる前に、こちら側へ、来ませんか。先生だったよしみで、あなたを助けたい。』猪頭が言う。
『ハッハッハッ!あんたに助けてもらうほど、耄碌してないよ。人数集めて、徒党組んで、かくれんぼや鬼ごっこなら、他所でやりな。』陸弦は、人差し指を下に、伸ばし、オーラを溜めているようだった。
『残念です。あなたほどの、手練れは惜しい。NEOの攘夷に、加わらないならば、死あるのみです。』猪頭は、言い放って、両手を高く上げた。『それは、こちらとて、同じこと。墓場くんに、楯突く輩、ましてや、愛弟子。あんたを生かす必要なし。と充分理解した。』
陸弦の、後ろには、もうすでに、大きな水流の竜巻が、立ち登っていた。高さにして3メートル、幅は10メートルくらいの、林道の道幅、全域を覆う竜巻だ。『ひえ~~!なんか戦いになると思った~』と叫んだ。




