夢叶の誕生日プレゼント
これが、これが書籍!
新緑艶めき、さらつやしっとりしてきた5月の昼、有給休暇を取って待ち構えていた宅配便。
緩衝材付きの封筒を慎重に開封すると、ツヤツヤの書籍! ちょっと鼻がギュンとする匂い!
アイドル衣装を纏った尊いうちの子たち5人が描かれたまるたんやんまイラストの表紙! イラストは全てチェック済みだけど、恐る恐る本を開いてみるとそこには破壊力抜群の尊さの嵐!
森崎夢叶、ときめきで心臓バクバクである……!
そして本日5月18日は、わたしの誕生日。31歳になってしまった…………。
歳を取っても嬉しくはないお年頃、しかし最高の誕生日プレゼント!
舞ちゃんや猫島くんは、この喜びをずっと前に味わったのか。
喜びに浸りつつ、わたしにはこの書籍を一人でも多くの人に届ける責任がある。発売は1ヶ月以上先になるが、雲雀沢さんと連絡を取り合って最大限のプロモーションに努める。
願わくば、続刊を。
一方で、舞ちゃん、美奈ちゃん、猫島くん、涼子ちゃん、たぶん名も知らぬ若い男の活動も続いてゆく。
しかし前提は『売れる』である。
作家はいつでも就職できて、いつでも辞められる。とある作家は作家を辞めているのに編集者が付いていて原稿を提出し、大手レーベルから出版もしている。そんな曖昧な職業でもある。
でも売れていないと、再就職は難しい。
つまり巷で時折高らかに叫ばれる「俺たちの戦いはこれからだ」である。
そう、わたしたちの戦いも、まだまだこれからだ。
「ふひ〜」
ドキドキしてたら心臓が疲れて、眠くなってきた。ちょっとひと休みしよう。
わたしは愛しの書籍を座卓にそっと置いて、顔面を両腕に埋め盤上に伏せて昼寝を始めた。
〜続編へ〜




