作戦その一です。
作戦その一はカサンドラから?その二にした方が良かったかな?
「宿題提出の為に廊下を走るなんて……」
カサンドラは計画に渋っていたが、アリアがクスクス笑い、変わりましょうか?と聞けば、諦めた様に宿題を手に廊下を走り始めた。
軽やかな足取りで廊下を走るカサンドラを他の学生達は笑みを浮かべながら道を開けてくれ、カサンドラが目で礼をしながら角を曲がろうとした時、レオアニスとぶつかった。
「きゃあ」
「はっ、すみません」
衝撃は大した事が無かったし、咄嗟にレオアニスがカサンドラを支えたので倒れる事もなかったが、手に持っていた宿題の束がバサバサと落ちる。
「申し訳ありません」
「いえ、此方も急いでいたので前を見ていなかったから」
2人して屈み込み、宿題の束を拾う姿を廊下の角でセレナが顔を引き攣らせて見ている。
「これで全てですか?」
「ご親切に。はい、大丈夫です」
レオアニスから宿題を受け取ると、カサンドラは柔らかな笑みを浮かべ、頭を下げると受け取った宿題を抱え、また廊下を走り始めた。
走り去ってしまったカサンドラの背中をレオアニスがじっと見詰める横顔は何処かうっとりしているようにも見え、セレナの顔が更に引き攣っていく。
試験はノーカンで行こう。




