ゲームって何?
アリアと騎士様の会話。
時が少し戻るが、アリアはリーヴシェランの護衛騎士のレオアニスに屋上の状況を聞いていた。
「手摺りに何かしらの細工はされていない、との事ですが」
「はい。ただ、リーヴシェラン殿下がいらっしゃる少し前に、ピンク色の髪をした一年生がいた事が判明しました」
レオアニスは濃い茶色の髪を短く切り揃え、ヘーゼルの瞳は猛禽類の様な鋭さで辺りを見回している。
背も高く、小柄なアリアは彼の肩くらいしかない。
「ピンクの髪の一年生?誰かしら」
「セレナ・コール男爵令嬢です」
ピンクの髪は珍しいが、他に居ない訳では無い。
「何故、その方だと断定できるのです?」
「始終、怪しい言動でしたので」
彼女が屋上で、ぶつぶつ言っていたのを聞いていたものが居たらしく、レオアニスは危険人物だ、と認識したようだ。
「話を聞いた生徒によりますと、セレナ・コール男爵令嬢はこの世界がゲームで、自分がヒロインで王太子殿下始め魔術師のシオンナリスや私に監禁やストーカー?される事を願っている、と」
レオアニスの言葉を聞き、アリアが首を傾げる。
「監禁は理解できますが、ゲームやストーカーとはなんでしょう?」
「私も理解出来ませんが、あまり良い意味ではないように思います」
この世界にはゲームやストーカーと言う言葉は無い。
2人は分からない言葉に唸ってしまいそうだが、頭を切り替えることにした。
ヒドインは本当にやばい人認定されました。




