リーヴシェランの事情
リーヴシェランは病んでます。
「何故わかった」
絶対知られることはない、と思っていた計画を悟られ、デニスロードは驚愕した。
椅子から立ち上がり、艶然と微笑むリーヴシェランは女王のようだ。
「伊達にお兄様を見ておりませんわ。それに、アリア様はとても優秀な方。他国に嫁がれては国の損失です」
リーヴシェランの言葉に3人は頷く。
「それで、何が欲しい?」
「アリア様が産む子供を1人。わたくしの公爵家を継ぐ子として」
「リーシェは誰かと婚姻し、子を持つ気はないのか?」
公爵になれば、家の為に結婚と後継者の話は切り離せないものだ。
「わたくし、殿方はお兄様以外は気持ちが悪く、子を持てるとは思いません」
リーヴシェランは潔癖で、欲望に塗れた男というものを拒絶している。
幼い頃から美しかった。そして、王女である彼女に邪な欲を宮廷の男達は持ち、隠さなかった。
その所為で彼女は男嫌いで、完璧である兄以外に想いを寄せる事が出来なかった上、我欲に塗れる令嬢も拒絶していたのだ。
だが、初めて見たアリアの瞳はどこ迄も澄み切ったもので、彼女の瞳を独り占めしたかったが、兄達を出し抜けるとは思えない。
ならば、兄達に協力し、初めて心から欲しい、と思うアリアを手に入れようとした。
アリア自身は兄達が、自分はアリアと兄の血を引く子供を手に入れるだけだ。
勿論、我が子として惜しみない愛情は注ぐつもりだ。
「リーシェが協力してくれるなら、この計画はもう成功したと言ってもいい」
デニスロードがにやり、と笑えばカサンドラも艶やかに笑い、ジークハルトは満足げに頷く。
「では、アリアと私達の幸せの為に」
「ええ。彼女とわたくし達の幸せの為に」
4人は笑顔で頷いた。
闇は深いんだろうなぁ。




