2 合流
魔物達から身を潜め
少女は一人、ただ歩く
「あれ?…ここ…どこ?」
一人の少女がある谷底で目を覚ました。
ずいぶんと深く眠りこけてしまったのだろうか。
先程まで星が見えるほどの夜だったのに、
今では天から溢れんばかりの日の光がてっている。
だが、なんにせよ、ここは家ではない
「おうちに…戻らなきゃ…」
いまだ日は照っている。
少女は歩みを進めた。
すると、横に伸びる細い道の奥から、
何かが聞こえてきた
……!……!!
「何かしら?…」
風が空を撫でる音ではない、岩が崩れた音でもない、
何かの鳴き声のような、だが唸り声ではなく、
明らかに意思の疎通を取る声がする
譚・縺??謌代i縺ョ蜈?∈縲∵?繧峨↓髮?∴縲∵ア昴↓諤偵j縺ィ諱ゥ隶舌?逾晉ヲ上r !!!
誰かいるのか、自分一人ギリギリ通れる程度の道を
進む、ここまで近づいてようやく分かった、
人ではない。
少女は怖いもの見たさか、
はたまた自身の知識欲を満たしたいからか、
だがその2つに大した違いはなく、少女は己が目に
恐ろしい存在を映してしまう…
明らかに真っ当な生き物が鳴らす筈の無い音を奏でながら、奴は歩き回る。
その大地が割れんばかりに力強く踏みしめ、爪らしき物を喰い込ませる。
その四肢に支えられる身体は太く鈍重な印象を抱かせる
その身体から連なる首と尾は鋭く力強くしなっている。
まるで、生き物の様に。
だが、それが生きとし生けるものではないと確信させる部分がある。
骨だ、それも人骨、背骨、アバラ、腕と様々だ。
だがバラバラ砕けているのに、まるで繋がっているかのように動いている。そして…その見た目は人ではない
翼膜はなく、肉も無い、黒い瘴気と骨だけなのに、
今から飛ばんとするかの如く羽ばたく翼
理解できる。龍だ、コレは。
屍で出来た龍、人はコレを
屍龍擬グラーゴン
この谷底の中でも最強格のモンスターである。
少女は恐怖に足が竦んでいた。
だが、本能は腰を引き、足を後ろに引っ張る
当然、バランスが取れなくなった身体は尻もちをつき
手と足をせわしなく動かし後ずさる
…蟷シ縺崎?窶ヲ謌ヲ縺??窶ヲ縺?′莉翫〒縺ッ縺ェ縺?
奴は流し目に少女を見るが、
ドス……ドス……ドス……
弱く、幼い者に、何の感情も抱かずに歩き去っていった
その道を抜けて、壁に背が当たった時、慎重に腰を上げた
「……ハッ!…、…ッ!…」
少女はただ、歩いて行く。
先程来た道を引き返しその奥へと進んでいく、帰れる道があると信じて、ただ静かに、呼吸を整える気力も無く、少女は、怯えていた。
ほんの数年前に聞かされた、崖下に巣食う魔物の存在に、
それが夢物語ではなく、この世に実在することに、
恐怖した。
「…………」
泣きたいが、泣けない、泣いてしまったら、バレるそんな大きな声が出てしまえばバレる。バレたら、食われる。殺される。
それ程までに恐ろしい存在を、この眼で見てしまった。
震え、確かではない足取りのまま、少しすると、さっきよりも比較的に開けた道にでた。震えも収まり、息が整い、さてこれからどうしようかと頭を捻らそうとした、その時…
……!……ィ!!
また声が聞こえた。けど今度は多分きっと生き物の声だ。
けどさっきの奴ではない、だがそれでも、こちらに利がある者の声じゃない。
元来た道に下がるわけにもいかず。オロオロしていると、ほんの少し先に別れ道があるのが見えた。
そこに行けばやり過ごせる。そう直感し、走り出す。少女は思った。逃げ惑い、隠れ、恐怖する。その繰り返し、すがる希望も、この谷底には無いと思い始めた時
「……何…あれ?」
日の光に当てられ、他の地面や壁よりもほんの少し強く反射している何かを見つけた。
「……?」
また歩み出す。怖いもの見たさか、
はたまた自身の知識欲を満たしたいからか、
性懲りもなく、また、近寄る。
その謎の物体が自身の視界いっぱいになるほど近づき、理解した。
それは土を被り、周囲に腕が一本、足が二本辺りに、散らばっている。だがコレは、間違いなく人型だ、見た目は、なんとなく騎士を思わせるようなあしらいなど、様々なものが描かれているが、敢えて名前で言うなら、
鉄の巨人、と
周囲を歩き回り、正面に来た時、ふと思った。
「これ、どこかで…」
何処かで、見た気がする。そんな疑問が頭をよぎった
ここに来るほんの少し前だろうか、それよりもう少し前だろうか、
いや、それよりも、もっと、もっと前だろうか…少女が自身の記憶奥深くに探りを入れる…そう、確か…いつの日だったか…
それは両親が見たこともない部屋に入っていき、ドアノブが高くて入れず、お昼になるまでドアの前で待ち続け、部屋から出てきた時にびっくりされて、何があるのか聞いたときに、それが…
あともう少しでその記憶の在り処が分かるはず
だが…
「キィーッ!キィーッ!!」
「ッ!!!」
あの声だ。後ろ、しかも今度はかなり近い!
逃げるのは!…こっちも広い一本道…無理かも…
隠れれば…だめ!あっちからじゃバレた時に壁になる!
この状況を打開する策が、無い。
終わった、死にたくない、生きたい…!
様々な感情が恐怖と入り混じり、足がすくんで、歩けない
その場に現れたのは、いわゆるゴブリンの類、新しいエサが現れ、飢えたゴブリンはたまらず舌なめずりをする。逃げる事も、隠れる事も出来ず、その場にへたり込む少女、この後、自分の身に起こる事に怯えて目を瞑ると…
ガコォン!!
大きな鉄の様な塊が落ちた音がした
「……?……!?」
見れば、彼女を取って食わんとした魔物共の所には
巨大な拳一つだけがあった。
その場には、一人と、一機が、取り残された、
すると少女は、自身が助かった事実と、おとぎ話の様な展開に心躍らせていた。
「スゴいスゴい!あなたが助けてくれたの!?ありがとう!」
先程まで命を狙われていたとは思えないほど大喜びしていた
だが、どれだけ周りではしゃぎまくり、跳びはねても、鉄の巨人は返事をしない。
「…どうしたのかしら?」
コレだけ動き回れば嫌でも目につくだろうと思ったが、さも動いていなかったかのように振る舞う鉄の巨人、さっきのは何かの偶然だろうか?
だが周りにはこの剛腕が動く理由が無い。
少女は自身を助けてくれた鉄の巨人の上へと登り、不思議そうに顔を覗き込もうとした時、
何かを見つけた
「あら?何かしらこれ?」
その鉄の巨人の腹にまるで蓋の様な物が付いているのが見えた、それは少しだけ隙間があり、少女は誘われる様にその蓋を持ち上げると、そこには座り心地の良さそうなイスと、色んなパネルが見えた。興味本位でその中に入ると
バタン!
「きゃ!」
少女がその中に入った事で支えを失った蓋が少女が入ると同時に降りてきた、だが、そのまま勢いで蓋が完全に閉まり切ると、明かりが灯り、パネルだけではなく、周りのモニターも点灯し始め、最終的に全周囲のモニターが点灯し、急に謎の音声が流れ始めだした。
─コクピットハッチ ロック確認
─モニター 機動
─生体反応検知 マイク スピーカー ロック解除
少女は自分にとって聞き慣れない単語ばかり聞こえ
首を傾げていた。その時だった
─質問 貴方は何者ですか?
何処からか声が聞こえて来た。
「あなたは!あなたは誰!」
─質問 貴方は何者ですか?
質問に質問で返したが、まったく同じ質問で返され、渋々少女は答えるしか無かった
「私…サーシャ、私、サーシャって言うの」
─サーシャ メモリに該当人物のデータがあるか検索
少女の名前を聞いた瞬間、なにか思い当たることがあるかの様な反応を示し、少しの沈黙の後喋り始めた。
─不明領域より該当データ サーシャ・タナトス
─名前 サーシャ・タナトス 年齢???? 性別 女■
─身長 ■■■◎m 体重@@@@
─詳細 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーマルーーレ■スーーのーー
ーーーーーーーーーサ─シーーートスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー試験ーー機体ペ─ルナイトーーーーーーパイロットーーーーー予定ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーになったーーー
─注! 当該データは大部分が意図的な消去を強制的に
行われています。修復可能部分は修復済みですが、他部分は
修復不可能です。また本データのみならず、
ほかメモリ領域のデータ 99.5%が破損、残り0.5%の
データも不完全な状態です。
─該当データから関係者と判断、会話を開始します。
「つまり、私は、何なの?」
途切れ途切れの音声、内容の分からない詳細、少女は
自分の事なのに、自分がなんなのかを聞いた
─詳細な内容は分かりません。推察するに恐らく貴方
は私のパイロットとなる予定でした。しかし先日の襲撃
を受け計画は失敗、本機は八割が大破、貴方はパイロット
としての訓練を積めないまま、このような状況になり─
少女は困惑した、自分が鉄の巨人のパイロットなる存在で、自身がずっと日々すごしていればいずれ彼に乗り込む事になっていた事、知らない事、分からない事ばかり、しかし、それでも少しだけわかることがあった。
「…ペールナイト、多分…アナタのことよね…ペールナイト…ペール…そうねアナタのことはペールって呼ぶことにするわ」
彼の名前が分かった。両親は言っていた、特別な名前は、ともだちの始まり。彼とも友達になれる。仲良くなれる。
今は、それだけでも嬉しかった。そして、彼の方は…
─遅れてしまい申し訳ございません。自己紹介を、
私は、正式名称:汎用試作実験機─RD-P00─pale-knight
以後、お見知りおきを
彼が自己紹介を済ませると少女は様々な質問をした。
何が好きか、得意なことは、趣味は、本当に様々な質問をした。その大体は、
─そういったものはありません。
とだけ帰って来たが、それでも楽しかった。
そして…
「ところで、襲撃って何があったの?」
彼のログを閲覧していた少女が襲撃のことを聞いた。
彼は、
─襲撃の詳細な内容はデータが破損しているためわかりませんが、残っている内容としては、何者かが施設へ侵入、後に後継機2機を奪取、私を襲わせこの崖下に─
「え!もしかしてあなたも上から来たの?」
─その発言から推察するに貴方も上から落ちて来たのですか?
「うん!この前、寝てたらパパが起こしてきてね、急に外で待ってって、言われてそしたらおっきな音がして、後ろに行ったら落ちちゃって…」
─恐らくその大きな音は私の襲撃時の音でしょう。
─そして、恐らくですがその父親は私の知る助手に当たる人物です
「え…それって…つまり」
─貴方の父親は危険な状態にあると思われます
「た、助けなきゃ!ど、どうすれば!」
─1つ、手があります
「何?!」
─私を、修理、して下さい
屍龍擬グラーゴン
過去に龍に敗れた者達の魂と怨念により生まれた存在
同じ様に龍に敗れた者の魂と亡骸を集め巨大化する。
そのため、人 獣 魔物問わず融合しているが、龍、そして龍に起源を持つ生物の亡骸は何があっても集め無い。
龍に対して強い恨みがあるが、殺された者達の恐怖により、無意識に龍の気配、または痕跡を避けている。
理論上、無数の魂を纏っているため、その魂の記憶から、罠や魔法を活用できるだけの知恵があるが、常に憤怒に苛まれており、力任せの接近戦しかできない。




