1 ■月★◀日
ある研究所、その一角での一時、
ある博士と助手の話。
博士「よし、できた!」
助手「ようやくか?」
博士「そうよ!早速このマイクで何か命令して!
けど、今の状態でできることしか命令しないでね!」
─ 指定ファイルのコピー
─ 添付
─ 指定ファイルの削除
助手「…こんなことしか出来ないのか?こんなんじゃお世辞にも俺達の悲願とは言えないぞ…」
博士「わかってるわよ、これは今基礎しか無いの、こっからよ、こっから」
助手「ハァ…だといいんだが…」
……………
─★月▶日
─システム大型アップデート
─内容 行動記録に日付の記入
─ 行動記録記入時に
─命令概要 行動内容 行動理由 行動結果 の明記
助手「何があった…」
博士「フフン!どう、凄いでしょう!」
助手「そりゃあな、昨日まで音声判断でファイルのコピペと削除しかできなかった奴が急にそれらしいことし始めたらビビるだろ」
博士「もうアナタ!今は基礎しか無いって言ったじゃない!あそこからチョチョイっと加えるだけでこんなに優秀になるのよ!」
助手「…まぁいい、どうする?これから」
博士「取り敢えず言葉を覚えさせましょう。会話が出来るだけで成長速度は段違いよ!」
……
─★月◀◀日
─学習 スキャンしたデータから言語の意味の習得
─現在フォルダ内にある辞典辞書の内容の暗記
─博士からの命令
…
─★月■◀日
─学習 博士及び助手とのコミュニケーション
─コミュニケーションを学び、命令の差異の減少を図る
博士「…よし、取り敢えず家にあった書物を読み込ませたわ、基本的に何を言っても完璧な返しをしてくれるはずよ…」
助手「完璧って…資料類を読み込ませただけだろ…会話自体できるのかよ」
博士「まぁまぁ…あの子用に買ってた絵本も読ませたし、いけるでしょ」
助手「はぁ…よし、俺から行く。……おはよう」
─おはようございます。
助手「ふむ…ちゃんと返してくれるな…」
博士「じゃあ次、私ね、家にはとても小さな子がいるのでも、その子が新しい絵本が読みたいって言うの、だから新しい物語を考えてくれない?」
───わかりました。
─昔々あるところに………
…………
………
……
…
助手「どうだ、あの子は気に入りそうか?俺はこう言う昔話って聞いたことないから良し悪しはわからんぞ」
博士「うーん…だめね…これ、あの子に読ませてた絵本の内容ごちゃまぜにして、資料に書かれてる専門用語入れてるわ、これじゃだめね」
助手「まじか、ちょっと見せてくれ。……なんだコレ、これじゃ支離滅裂で、意味がまるっきりわからん…」
博士「まぁ、これからの成長に期待ってことで、今日はここまでにしましょ」
─ 博士及び助手と、日常会話が可能
…
─★月■■日
─学習 状況判断能力の向上
─ 簡単な問題から始め状況判断及び思考能力の向上
助手「あら、絵本の件はどうしたんだ?」
博士「もう諦めたわ…いい感じのができたけどあの子が『飽きた〜』って言い出して…」
助手「そうか…ていうかそれで次にやることが計算問題って…」
博士「何言うのよ〜コレは、次にやる事にとっっても大事なのよ」
助手「……じゃあ次はアレか?」
博士「…そうね、コレが終わったら、やりましょう」
─ 演算能力の向上を確認
……………
─⬟▶◀月★日
─データ移動 本データを戦闘用OS「M・E・I・O・U」へ移動
─博士及びその仲間の警護、外敵の殲滅
─戦闘用OS内容及び簡単な駆動方法の把握
……………
─⬟▶◀月★ーー日
─学習 機体データから仮想空間に本機体を投影後仮想敵と戦闘
─仮想敵6機と戦闘、3分で全機鎮圧
─以降仮想敵以上の存在との戦闘を予測
…
─⬟▶◀月★◀日
─前日の行動内容と今日の行動理由の一致
─記録内容を残す必要性はありません
─
………
……
…
─疑問 近頃、博士と助手とのやりとりが減少しました
……………………
─■月ー日
─記録 本機体と同型の特殊武装試験機の導入を確認
─恐らく他機体との連携を想定しているものとする
─自己判断により記録
………
……
…
ヴィーー!!ヴィーー!!ヴィーー!!ヴィーー!!
「んぇ〜何?」
けたたましいサイレンと共に少女は目を覚ました。
眠気眼を擦りながらベッドから降り
部屋のドアを開けると、息も絶え絶えになりながら
少女の父が走ってきた
「ここにいたのか!大丈夫か!!?怪我は!?」
「大丈夫、それより何のやつなの?またママが何か「い、いや、違う、とにかく早くこっちに来なさい!」
少女は自身の父に手を引かれながら走った。
少女がことの仔細を父にどれだけ尋ねても「いいから」と、返され不思議に思いながらも走った、そして…
「いいかい、ここで大人しく待ってるんだよ、母さんは今、バケモノと戦ってるんだ、僕も今から加勢に行くだからここで待っていてくれ」
「え、待って!何で!?どう言うことなの!!?」
「ごめんね、でも、もう行かないと」
「待って!パパ!何で!行かないで!待って…お願い…だから…」
少女の願いは届かず、父は無情にも家に戻っていく、
一人外に放り出された少女は理由も分からず
ただただ泣きたくなった
だが、それを許さぬかのように女性の悲鳴が聞こえた
未だ幼い少女でも分かった、あれは母の声だと、直後
地響きが起き少女は立っていられなくなった
尻もちをつきながら這うように後退った
自身の真後ろが崖になっても
「えっ…あ!」
崖端が崩れだし、咄嗟に立とうとするが、もう遅い。少女の呼吸は浅く、涙目のまま静かに落ちていった
─────
────
───
──
助手?「急げ!こんなことやってるってバレたら速攻でこっちに攻撃してくるぞ!」
博士?「わかってるわよ!まったく、何で自立思考能力なんか搭載してるのよ!こんなことになったらこっちに被害が出るのはわかってたでしょうに!」
博士?「…よし!新しく入ってきたヤツは停止させたわ!」
─警告!システム侵入及び緊急停止命令を確認
─予測、博士及び助手が本機体に危害を加える必要性は皆無
─恐らく博士、助手に擬態した敵が試験機体及び本機を奪取しようとしていると予測
─反撃を開始します
助手?「ヤバいぞ!急げ!」
博士?「ダメ!もう緊急停止を受け付けない!せめて!…これだけは!」
─武装確認ーマジックブレイド×2 ロック
─腕部80mm三連機関砲2門 ロック
─110mmアサルトマシンガン ロック
─200mm特殊弾頭バズーカ ロック
─2連装自動誘導ミサイル ロック
─3連装ミサイルボックス ロック
─マジックライフル エネルギー供給 不可
─予測 何らかの要因で武装にロックがかかっています
博士?「よし!これでもう私たちに危害を加える方法はないわ!」
助手?「…!いやまて!アイツ、盾を取りに行ったそ…盾で何を…」
博士?「盾…?…!そうよ!そういえば盾にも武装がついてたわ!でももうシステムにファイアウォールが敷かれてる。どうすれば…」
助手?「…!おい!アイツらならこっちが掌握してる。アイツらを操れば!」
博士?「!そうね!間に合って!」
─反撃 複合兵装打突用シールドで攻撃
ドジュン!!
─右腕部切断 大破
博士?「よし!」
ドドドドドドドドドッ!
─弾幕攻撃 回避 スラスター ロック
─姿勢制御 困難
バシュッッ!
─両脚部 切断 大破
ドンッ!!
─次世代型魔力炉 大破 エネルギー供給不可
スッ…
ドンッッッ!!
─崖下へ落下 帰還は困難と判定 博士及び助手の
生存確率 数%
─
─
─
─
─記録 終了
「終わった…かしら?」「…多分、な」
「やっぱり、兵器なんかに心を持たせるのは危険ね」
「子供はどうする?アレも捨てるのか?」
「流石に子供よ。一応育てはするわ」
「生きてたら、か」
「そうね…」




