今度は何ごっこ? 住めば都
んー、この感覚もちょっと久しぶりな感じがするねぇ、周りを見回しても木に囲まれていて遠くまで良く見えない、木に登って見渡しても周りを山に囲まれていてそれ以上先は見えない、今どの辺りだろうか…?
そもそもここは何所なんだろうか…見たこと有るような気がしないでもないのは、何所にも似た様な場所は有るからだろうか?ただ植生が違うだけで森の中に入ったら景色なんて似た様な物だしなぁ…
幸いなことに今回水の流れる音が聞こえているし、近くに川が有るのでまずは近くの川まで移動、ただ周囲は山に囲まれてるから…川を下って行った先は湖かなぁ…?今回は川を上っていて山頂を目指すか。
「というわけで山に登ろう、ちょっと高いけど多分大丈夫」
「いや、それは確かにあなたなら大丈夫でしょうけど、私達は一般人、多少頑丈になっているとは言え、山頂まで行ったら高山病待ったなしですよ」
「お兄さんなら確かに平気でしょうけど、中腹辺りから雪が積もっていてどう考えても人が登っていい様な山じゃないです、確実に滑落事故が発生します」
「素直に川を下ってその先にあると思われる湖でしたっけ?そこに行きましょう?あんな山に登ったら確実に誰か死にます」
「そこまで言うなら…」
山を越えて人里を探すのは諦め、多分この先にあると思われる湖で過ごすことに、完全に山に囲まれていて何処かに海へ抜けるような場所があるようには思えない、まあ…まだ湖があるとも決まっていないけど…
まずは水の流れる音を頼りに川をめざし、川に着いたら流れに沿って川を下り、多分この先にあるんじゃないかなぁ…と思われる湖を目指して移動、というかなんで葵さん達まで居るんだろうね?狐さんの考える事は良く分からない…
一応何かあった時の為にルシフとダイヤがついて来ているので、怪我や病気に関しては…そもそも病気になる事は無いね、怪我はちょっとしたりするかもしれないけどすぐ治るし…ついて来てるのはどちらかと言えばここで過ごしている間に仕事が溜まらないようにルシフ経由で届けるためか…ダイヤは…いつも通りにただついてきただけだな、雑用とかを手伝ってくれるからいいんだけどね、取りあえず困ったことが有ればダイヤに言えば大丈夫。
3時間ほど川沿いにあるいた所で大きな湖を発見、タフな恵里香さんやロザリアは兎も角、葵さんやら春香さんやら透さんやら、立ち止まった時に急に疲れが来たのか今はへたり込んでいるのでダイヤに任せてまずはテントの用意、ファイブAも普段からよく動いてる割には完全にダウンしている。
「さ…流石に…獣道という…獣道を進むようなのは…なれて…ない…です…」
「テントを立てたからその中でゆっくりお休み、多分夕方までにはログハウス位ならできると思うから」
「まったく資材が無い状態から数時間で建つログハウスとか違法建築もびっくりですよね、書割で作ったと言ったほうが説得力がある位には」
「はいはい、恵里香ちゃんも茶々入れてないで倒れてる人をテントに運び込む、その後でお湯を沸かしてマッサージねー、ロザリアちゃんも置いていくから手は足りるでしょ」
「それはまあ何とか」
「じゃあちょちょいっと建築してくるから、ここは任せたー」
「ここが何所なのかはもうこの際どうでもいいとして、どんな建築にしようかな?」
「湖上に建てるか湖畔に建てるか、水は澄んでいて綺麗だから湖上に建てても良いね、湖畔なら湖畔で浜辺かな?」
「誰も居ないのですから、迷ったら両方建てればよろしいのでは?」
「それもそうだね、まずは場所を決めて、それから周囲の木を引っこ抜いて整地…かな?」
「菜園を作る所も欲しいので少し広めにした方が良いですね、それと湖上に建てる分を考えると…まあかなり必要ですよね」
「まあ近場から、だね、余り景観を壊さない程度に間引いて、向こう岸はあまり良く見えないからそっちから多めに…かな?」
「じゃあぱぱっと邪魔な木を引っこ抜いて建築資材に回して、足りない分は向こう側から持って来ようか」
「縄張りはしておきます?」
「あー、そうだね、後でこれもこれ持って付け足して広くなり過ぎると何時まで経っても終わらないから、一応目安としてしておいてー」
いくらでも使える場所があるとどんどん増設して行って、ログハウスのつもりがちょっとした旅館程度には広くなっていたり…あの時建てたログハウスは今はどうなってるんだろうか?一応まだ残ってはいるらしいけど、そのうち廃棄されるーって言ってたし、まあどうでもいいか。
「ログハウスって言ってたけど丸太のまま?それとも製材してロッジにする?」
「製材して長さを確保したほうが良さそうな気はするんだよねぇ…1人ならどうって事は無いけど、今回は何故か葵さん達がいるし…ロッジの方が良いかなぁ?
ちょっと広めで2階建て、2階で寝泊まりして1階は台所とかお風呂とか…かな?」
「じゃあ全部製材しちゃうね、その間に舗装とか済ませておいてー」
「はいはい、終わったら水道やら何やらも作っておくね」
「湖から水を引いて田んぼを作ったので稲にするためのお米を下さい、明日にはもう収穫できる環境を作っておきましたので」
「これだけあれば足りるかな?ついでに野菜の種も渡しておくね」
「畑の方はまだですが、田植えをしたら作っておきますね」
食料の方はダイヤに任せておけば問題なし、収穫できるのは明日になるけど、、今日の分は…見た限りでは魚が結構泳いでいるし、魚を釣って食べればいいか。
拠点にするためのロッジ周辺の木材をある程度引っこ抜いたり伐採した後、目視するには遠すぎる対岸まで行き、多めに木を引っこ抜いて地均しをしてからロッジまで帰還、ルシフにお任せしていたのでもう外観は完全に出来上がっている、後はベッドやテーブル、椅子を作ればほぼ完成、水道だけでなく、台所のオーブンやコンロ、換気扇もちゃんと機能しているので問題なし。
「ご主人様ー、変換ボックスちょうだーい?もしくはガラスとか鉄材、布とか綿その物とか、流石に窓ガラスが無い吹き抜け状態はちょっと、ベッドも骨組みだけだしねぇ」
「変換ボックスは今ダイヤが持って行ってるー、多分温室用のガラスを作ってると思うー」
「あー、じゃあついでに窓ガラス用のガラスだけでも貰ってきます、窓枠はもう木材でも良いですね、ただの拘りですけど」
「ついでにこれも持って行って桟橋を作っておいてー、桟橋用に木材を加工しておいたから、嵌めこむだけで結構しっかりとした作りになるから、紐で縛って固定する必要はないはず。
長すぎたらはみ出た分を切り落としておいてね」
「適当に打ち付けて上から嵌めるだけですね、それじゃ行ってくるねー」
ロッジと桟橋、田畑と温室が完成した所でほぼ夕暮れ時、お腹の具合からすると今から魚を何匹か釣って料理すればちょうどいい位、さぁて、食材を釣りに行きましょうかね。
「いやー…凄い速さでロッジが完成しましたね…本当に夕方前には立派な建物が出来ましたよ…ログハウスではなくロッジになってますが…」
「はいはいー、テントはもう片付けるからロッジの方に移動してねー、2階は一応全員分の個室が有るから、何所が良いかは早い者勝ちで決めてね、お風呂や食事をする所は1階ね、着替えに関しては部屋が決まった後に各自の服を渡すから箪笥に入れてね?
特に決まり事はないけど、湖に行くときは誰かに声をかけてからね?まだ船は作ってないけど、そのうち船で湖に繰り出す事も有るかも知れないし、転覆したりしたら直ぐ分るようにしないといけないしね」
「それは良いのですが…何時くらいに帰れるのでしょうか?」
「さぁ…?今回のごっこ遊びが終わるまで…じゃないかなぁ?一応仕事の方はこっちに持ち込まれるようにしてるし、家の方もちゃんと管理する人を送ってるから大丈夫だけど…
取り敢えず最長でも1年くらいで終わるんじゃない?早ければ明日には」
「何ごっこかにもよるんじゃないですかねぇ…?」
「今回のごっこ遊びは確か…山狩りならぬ星狩りごっこ?遭難した人を山に入って探し出すアレです、あれを居るであろう星から探し始める感じです、文字通り星の数ほどある星から選んで、その星全体を捜索していなかったら次の星へーって感じです。
計算して割り出すか感で辿り着く方が速いかって感じですねー、まあそんな感じなので最低でも半年は覚悟してくれれば?
一応仕事は毎日私が向こうに行って取ってきますので、特に滞る事は無いと思います」
「私達が一緒に連れてこられる意味は有ったんでしょうかねぇ…?」
「多分ある…?ご主人様とかダイヤだけだと間違いなくあの山を越えて移動していくし、1日で進む距離も相当な物だから正解を引いても見つけるまでが物凄く辛い、そこに葵ちゃん達が加わる事に寄って移動距離制限だね、あの山を越える事は出来ないからもうここに留まって生活をするしかない、その分総当たりでの見つかるまでの時間が早くなりやすい、探すメイド達には葵ちゃん達も一緒って言う情報は有るから、少なくとも無理であろうと思われるルートの捜索まではしないから、結構効率よく探し出してくれるはず」
「要は枷なんですね、それ以上移動しない様にするための」
「そうそう、あの山を越えられるくらいの能力があれば多分一緒に連れてこられる事は無かったともいえるね」
「アレは普通の人にはまず無理です…まだ世界一高い山を半袖で踏破する方が現実味が有ります…」
「今は雲一つない空だから見えてるだけだけど、今いる場所も何だかんだで標高1500メーターくらいの場所だよ、で、それを囲う様にある更に高い山、山頂は大体標高17000メーターくらいじゃないかな?間違いなく普通の人は死ぬね、ははは」
「見た感じ傾斜も凄そうですし、登る前に登山家も裸足で逃げ出しそうですね」
「最大傾斜は90度を超えて反り返ってるね、しかも凍結してるから滑る、命綱はもう着けるだけ無駄だね、まあここにいる限りは安全で平和だし、何より空気が綺麗、ちょっとしたバカンス気分で過ごすことだね、仕事はちゃんと毎日持ってくるけど」
「模様が違う程度で普通のトラウトっぽいですね、バター焼きで食べるのが良いんでしょうか?」
「毒性もないし寄生虫も居ないからお刺身でも大丈夫だね、ちょっと摘まんでみたけど味は鮭より濃い感じ?今日釣った分の中に卵を抱えているのは居なかったから卵は分かんない」
「今日はこれしかないので火を通しましょうか、お刺身だ何だはまたお米とか野菜を収穫してからで」
「じゃあ全部塩焼きにしちゃうね、一応内臓と骨は全部取り除いてあるから、そのままかぶりついても大丈夫、頭とヒレ以外は全部食べれるはず」
「見た目丸焼きなのに骨が無いとかシュールですねぇ…食べやすいのは有り難いですけど」
「まあ明日にはお米も収穫できるから、真面な食事になるのは明日からかな?」
「人はパンのみに生きるにーとは言いますけど、そもそも主食が有ってこその副菜ですよねぇ…使い方は全然違いますけど」
「そんな言葉が有るんだねぇ」
「食べ物云々で使う意味では無くて、精神的な満足感もどうこうって内容です、でもお腹が減ったら精神的満足もくそもないと思いますけどね、満たされてるからこそ言えるような言葉です。
精神的な満足だけでは生きてはいけませんが、パンが有れば生きてはいけます、感じ方は人次第ですけどね、栄養が偏って死ぬとか言われたら元も子もないですけどね」
「まあそんな話はどうでもいいや、取り敢えず焼けたから持って行こう」
「そですね、今は言葉がどうこうより焼き立てのお魚、こっちの方が大事です」
翌日はダイヤと一緒にお米と野菜の収穫、お米は精米がめんどいので刈り取った稲ごと変換ボックスに入れて精米、藁が残らないので納豆を作ったりするのがちょっと面倒だけど、納豆も変換ボックスに大豆を入れればできるからいいや。
収穫を追えたら昨日の続き、昨日作って貰った桟橋を延長して湖上に建築を開始、こちらはロッジと違い水中にも建築、一面ガラス張りで水の中が見える様に、水が綺麗な所だからできる事だよねぇ、濁っていたら泥水を眺めているのと何も変わらない。
ガラスも金槌を思いっきり叩きつけたくらいでは割れない強度が有るので安全面もバッチリ、継ぎ目も無く1枚のガラスから作られているので気密性も問題なし、空気もちゃんと循環するので酸欠になる事も無し、後はベッドだ何だと運び入れればちょっとした高級リゾートの出来上がり、地味に断熱加工もしてあるので、水で冷やされて寒くなる事も、逆に水が温められることも無い、空調により常に快適な空間…水の中というのも秘密基地感が有っていいよねぇ…
こちらは1室限りだが、元々寝泊りするのはロッジの方なので大丈夫かな?
建設作業が終わった所で船造り、手漕ぎ用の舟ではなく、ちゃんとしたエンジン付き、バスボートが4隻にクルーザーが1隻、でもやっぱり木造、塗装してあるのでパッと見木造には見えないけど…
手漕ぎは湖が広すぎて危険なので無し、雨がまだ降るかどうかわからないけど作った船は係留して浮かべたままにしておく、多分雨が降る事は無いと思うんだよねぇ…振ったとしても小雨程度、ボートが転覆するような雨は降らないはず。
船と係留するための桟橋が完成した所で今日の作業は終了、もう後は野菜のお世話とかお米の収穫とか、おかずにする魚を釣る位…のはず。
恵里香さん達の釣具は仕事を取りに戻ったルシフについでに持ってきて貰ったし、後はもうここで暫くのんびり過ごすだけだな。
でもやってる事がいつもと変わらない気がするのは気のせいではない…はず?




