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終わりと始まり

死は突然なものである。

人は日々飯を食らい、睡眠を取り、欲を満たして生活している。

飯を食わなければ死ぬ。睡眠を取らなければ死ぬ。心を壊しても死ぬ。しかし飯を食い、眠り、欲を満たしても人は死ぬ。不老不死ではないのだ。命は有限、いつかは終わりが来る。それが自然の摂理なのだから。抗うこともできない。

俺ー神代 蓮(かみしろ れん)ーも今日をいつも通り過ごしていたはずだ。だけど死んだ。死んだのだろう。享年20歳。長いような短いような人生だった。しかしこの真っ白な空間はどこなのだろう。あの世というところだとしたらなんともつまらなそうな場所だ。何もない静かな空間。つまらないがどこか落ち着く。とても落ち着く、落ち着く・・・いやつまらなすぎるな。あまりにも何もなさすぎる。あの世なら他の死人とかはいないのだろうか。声を出そうにも無理そうだ。そもそも手足があるような感覚もないし。口とかもないのだろう。

ん⁉急に明るくなった。なんだ

「お主が最後の魂のようだな」

突然現れた老人?だろうか顔がよく見えない。白い服に灰色の長髪。まさにアニメで見るような

「そう、神じゃ」

え、俺今声出したか?いや出せないはずだ。じゃあなんでこの人物は俺の言いたいことがわかったんだ。

「神だからじゃよ。神ゆえにお主の思っていることがわかる」

まじか。本当に神なのか。てか神って実在したんだな。なぁ神様ここはどこなんですか?俺は死んだんですか?このまま昇天するんですか?

「これこれ一度にそんなに聞くでない。時間はあるからのぉ。お主の知りたいこと教えてやろう」

それから神は俺の質問に答えるように話し始めた。


ーー地球内部のマグマが突然噴火して内部爆発を引き起こした。それによって地球は滅んで全ての生命が消えてしまった。そして大量の死人の魂が天界にやってきた。普段魂がやってきたときはその魂の穢れを見て天国と地獄どちらに送るか決めているのだが、今回はあまりにも数が多すぎたため神々で魂を分けて管理を任せることになった。そしてこの神はもらった魂を自分が管理する世界に召喚しようとしているらしい。その目的は文明の発展のためだと言う。普通は知識ある者を選ぶが今回はもらった魂全てを世界に入れてその影響が良い方に傾くことに賭けたとのこと。神は魂一つ一つに能力を授け、生きていく力を与えているらしい。異世界転成なのかと聞いたらそうではないと言われた。転成とはその世界に存在する肉体に魂を上書きすることだが、今回は魂が多すぎるため転成用の肉体が用意しきれないから元の肉体のまま世界に入れる”召喚”という方法にするらしいーー


なるほど。アニメのような異世界ものか。だったら魔法とかがある世界なのだろうか。少しわくわくする。

「そうじゃ魔法が存在する世界じゃな。他に聞きたいことはあるかのぉ」

俺の知り合いが同じ世界に召喚されている可能性はありますか?

「絶対とは言い切れないが可能性はあるのう。わしがもらったのは日本の関西地域の魂の一部だからそこにお主の知り合いの魂が混ざっていれば可能性がある」

そうか。じゃあいると信じて探してみてもいいな。あれ、でもこういう時ってアニメだと神から使命を受けるとかあるけど俺もなにかしなければならないのか?

「そういうのはないぞ。お主はやりたいように自由に生きてくれたらいい」

そういうことなら遠慮なく自由に生きますね。

「ではお主が行く世界について簡単な説明をしてやろう。お主が行くのは魔法が存在する世界。人間の他にも獣人やドワーフ、魔族、魔物などまさにお主が言うアニメの世界観のようなところじゃ。これからお主を世界に飛ばすがどこに飛ばされるかはわしにもわからん。なのでいくつか力を授けようと思うのじゃが、お主はこの世界でやりたいことなどはあるか?」

やりたいこと、、、か。そうだな、魔法かな。やっぱ魔法があるなら使えるようになりたい。うん、俺は魔法を極めたい!!

「魔法を極めたい、か。ならばお主の体には常人の10倍ぐらいの魔力が宿るようにしてやろう。そしてこれらのスキルの中から適当に3つ選ぶのじゃ」

3つか。ではこれと、これと、、、これにします。俺が選んだスキルについて神は教えてくれた。

スキル『無詠唱』これは通常魔法を発動するのに詠唱が必要だがこのスキルがあれば無詠唱で発動できる。しかしただ念じれば発動できるというわけでもなくその魔法が発動する原理を理解していなければならない。

続いてスキル『気配察知』自分を中心とした円の中にいる生命反応を感知することができる。

最後はスキル『魔法書』これは現時点で神が知りうる全ての魔法が載っている図鑑。

これらのスキルを授かっていざ召喚だ。

「では神代蓮よ。第二の人生を自由に有意義に謳歌するんじゃよ」

はい。神様ありがとうございました。

そして辺りはまた強い光に包まれた。


「ん?ん~。ここ、は。本当に異世界に来たのか?」

辺りは背の高い木々で覆われている。森だろうか。少し薄暗くどよっとした空気感の森だ。俺はここから第二の人生をはじめるのか。とりあえず一人でも知り合いを見つけないとな。

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