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碧い航海日誌   作者: 松本朱海|徒然なるままに
最初の話

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14、 たかこちゃんの受験

受験の合格発表。

嬉しいはずなのに、誰かのことを思うと、少しだけ気持ちが揺れる。

そんな時、たかこちゃんが思いついたのは——やっぱり、たかこちゃんらしい方法でした。

先に進学先が決まったのは、私。


結局近くの私立に決めてしまった。

単願とはいえ、受験勉強はかなり真剣にやった。

ママや周りの大人たちは「大丈夫だよ」って言ってくれるけど、

合格発表までは生きた心地がしなかった。


合格発表はパソコンで。

ドラマでよく見るような、学校で掲示板を見て明暗を分けるイベントではなかった。


時間ちょうどにページを開く。

画面が切り替わる間、落ち着かない。

あとは野となれ、山と…まで唱えたら…


あった!あったよ!

やったー!

…よかった…

よかったー!!


落ちていたら誰にも会いたくなくなるからと、

部屋で一人で見ていた。

やったー!

何回目か叫んだ時に、ノックが聞こえた。


「たーこちゃん、やったねー!おめでとー!」


ぱん!ぱん!

ママがクラッカーを鳴らす。


「やだー、やめてよー、もう!」


ママやりすぎだよー、まぁ、いいけどさ!


「今日はごちそうね!準備しなくちゃね!」


ママはルンルンで去っていった。

そうだ!朱海さんに報告しよーっと。


最近は週末に少し図書館で会うくらいで、

それぞれ必死に追い込みをかけていた。

ので、何だか久しぶりに楽しく会話ができそうだった。


朱海さんにまずは合格の報告!

おめでとうと、頑張ったね!をもらった。


「朱海さんは?どうだった?」

「…ちょっとね、もう少し頑張ってみるよ」


あ…自分だけしか見えてなかったな。

朱海さんの結果が出ないというパターンは考えていなかった。


…こういう場合、どうしたらいいんだろうな…。

何て返そうかな…。


「頑張って!」かな?

「応援してます!」?

「受かったらお祝いしましょう!」?


どれも違うかな。

私だったら?

何て声をかけて欲しい?

さっきまでの嬉しかったのに、もう違う世界にいるみたい。


でも…、そうだな。

やっぱり、行こう!


初詣に行った神社。

二人でお笑いライブを見た鳥居、

今日はひとりで来た。

朱海さんに渡すんだ。


お参りをして、高校の合格のお礼と、朱海さんの合格を

いっぱい、いっぱいお願いした。

オレンジの袴の巫女さんに、お守りをひとつお願いした。

太陽みたいな、きれいな朱色のお守り。

朱海さんの色。


すぐに部屋に戻って、朱海さんに手紙を書いた。

勉強の邪魔にならないように、短めに、かわいいメモ用紙で。

神社の紙袋にお守りと一緒にいれて、ポストに届けよう。


玄関で靴を履いた瞬間、すごい事に気づいた。


…私、朱海さんの家、行ったことない…!


いつもそう、詰めが甘い。

すごく良いことを思いつくくせに、ゴール直前で転んでしまう。

あぁ、まただ。

いざって時に失敗する。


玄関で落ち込んでいると、ママが来た。


「朱海くんのおうち?たかこ、七海ちゃんの家は?知らないの?」 


そうだった。兄妹じゃん。

すっかり忘れてた。

ママに見送られて家を出た。

ママちゃん、ナイスアシスト!



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