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◆ 裏話:この部署「仕事をしない時間」を自慢し合う奇妙な集団だった。

吉口、入先、関根。

この三人は、部署の中で「仕事をしない時間」を

自慢し合う奇妙な集団だった。


中心にいたのは吉口だった。

彼は“親玉”のような立場で、何年も仕事をしていなかった。

その吉口の周りで、入先と関根が小競り合いを続けていたが、

結局のところ 何か月も全く仕事をしていない入先が“勝ち” になった。


どれだけ働かずに一日を終えられるかを競い、

その勝敗が暗黙の序列になっていく――

もはや職場とは呼べない空気が出来上がっていた。


吉口は、自分が仕事をしない理由を

「人を育てるため」と繰り返し説明していた。

その言葉を、倉田部長は疑うことなく受け入れていた。


部長は、仕事をしていない彼らを“サポート役”だと

捉えていたのかもしれない。


高学歴の三人が裏で部署を支えている――

そんな誤解が、どこかで生まれていた可能性がある。


いつの間にか吉口は、仕事をしなくても咎められない空気の中にいた。

それが部長の意図だったのか、

それとも吉口が巧みに作り上げたものなのかは分からない。


ただ、結果として吉口は、働かなくても問題視されない

立場に近いものを手にしていた。


部署の誰もがその空気に違和感を覚えていたが、

部長お墨付きの曖昧な評価に反論する者はいなかった。

その曖昧さが、部署の空気をゆっくりと腐らせていった。


入先は、ただ座っているだけで一日が終わる。

関根は、本編には登場しないが、

日に日に評価が落ちていく加藤をからかいに来るだけの、

非常に胸糞悪いおやじだった。


彼らは、自分が働かないことを恥じるどころか、

それを“特権”のように扱っていた。


本編ではこの部分をあえて描いていない。

あまりにも生々しく、職場の腐敗をそのまま書くと

物語のトーンが壊れてしまうからだ。


しかし、加藤が静かに怒り続けていた背景には、

この“三人”の存在が確かにあった。


彼らは働かず、学ばず、責任を取らず、

それでも自分が正しいと信じていた。


その歪んだ空気の中で、

加藤だけが黙って仕事を続けていた。


その孤独がどれほど深かったかは、

この裏話を知ると、より鮮明に伝わるはずだ。

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