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読者さんの動きを知ろう 1

「日高屋」というラーメン屋さんをご存知でしょうか。

 埼玉県を中心にチェーン展開しているラーメン屋さんで、私も同県に住んでいたことがありますから、よく食べさせていただきました。


 ただ、このお店、ラーメンの味はいたって普通です。私はこのお店より美味しいところを知っています。


 にも関わらず、この日高屋、老舗チェーン店をも追い抜き、かなりの業績を収めています。この日高屋を利用する人は私だけじゃないんですね。


 これに関して、面白い記事がありました。


 日高屋は、吉野家やマクドナルドがある店の近くに意図的に出店しているそうです。

 なぜか。

 これらのお店は、出店する前に、採算が合うかを徹底的に調査しているそうです。駅の利用者数、人の動き、客層などなど……。それを踏まえ、利益が見込めると判断した場合に出店に踏み切るのだとか。


 日高屋の経営陣はそれを知っていました。

 ですから、あとはマクドナルドや吉野家の近くに店を構えてしまえば、客を取り込めるのではないかと考えたのです。値段的に見ても、これらのお店に見劣りしないくらいリーズナブルですからね。


 ここで面白い話があります。

 日高屋の経営陣は、おいしいラーメンをつくることについて、以下のように述べています。


 ーー十人中、十人がおいしいと言うラーメンをつくるのは無理。だからそのうち六、七人がまあまあ美味いと感じるラーメンを提供するようにしていたーー


 実際、その通りですね。

 私が日高屋を利用する理由は、お腹が空いたときにどこにでもあること、味が安定しているため、「ラーメン食べたい気分だなあ」という気分のときにふらっと立ち寄っているからです。


 ここで、真剣に味を探求しているラーメン屋さんは「ふざけるな! 客の舌は腐ってる!」なんて言えませんね。生活できなくなっちゃいます。


 私は知っています。

 日高屋よりはるかに美味しいラーメン屋さんを。

 しかしながら、不況に耐え切れず、とうとうそのお店はなくなってしまいました。

 日高屋よりずっと美味しいラーメンを提供しているにも関わらず、です。


 同じことが、「小説家になろう」でも起きているんじゃありませんか?


 ランキングに載っている作品よりも面白い小説はいっぱいあります。

 けれども、それらの作品の多くは、ほとんどポイントもつかずに埋もれていくばかり。


 美味しいラーメンをつくろうと研鑽しているお店。

 最高のエンターテイメントを提供しようと四苦八苦しているなろう作家。

 それでも日の目を浴びることはできません。

 なぜならば、それらの努力は「有名になる」という目的は達成できない(というより、達成しづらい)からです。


 もちろん、味が評価されて繁盛しているお店も沢山ありますが、それも稀でしょうね。

 

 私も一応ランカーです。

 ですが、ランキングに載っている作品よりも、昔書いたブックマーク100以下の作品のほうがよほど力を入れて書いていましたし、どっちかと言うとそちらの作品を読んでほしいくらいなのです。

 

 ですから、私含めランカーは勘違いしないでいきたいものです。


 私たちの作品はたまたまランキングに載っているけれども、それは決して他作品より優れているからではありません。

 面白い作品を書く努力を怠ってはいけません。

 むしろ多くの読者さんに読まれる分、通常よりも頑張らないといけません。


 ……いつまでも、なろうのランキングは当てにならないなあ、なんて言われ続けるのは悔しいじゃないですか。

 

 つい熱くなってしまいました。

 次回からは、より具体的な攻略法に踏み込んでいきたいと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 人気があるのと、「良いもの」は別の視点だとよくわかります。例にあげられたラーメンに限らず、「良いもの」ってのは美術品でも万人に理解されてるわけではないと思います。 「良いもの」と皆が評価さ…
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