18.ライス
「我がラルメア王国の王都ライスは光の都と呼ばれるくらいに美しい都なんだ。教会系統の人たちは聖都とも呼んでいるね。」
ロランが王都についての説明を始めた。
折角、辺りを散策するのに、その場所のことくらい知っておこうよ。と彩音が提案したからだ。
「王都がこの形に今から五代前の王の時だそうで、その時シェード公国との戦争で大勝して、多額の賠償金をもらったから建造する余裕が出てきたというわけだね。」
いや、詳しく説明してくれるのはすごくありがたいんだけど、まったくもって頭に入ってこない。
周りも同意見だろうと思ってみると、恵子は口元がプルプルしていて、今にも噴き出しそうだ。
うん、思ってたよりひどかったな。
突然ライスとか言い出すのもどうかと思うけども。
おおっ、ここで聞くのか皇!
「ライスの名前の由来ってなんなんですか?」
「よく聞いてくれた!ここは神様が降りてきたとされている場所でね、だから聖都って言われてるんだけど、その神様が最初に一言こう言ったんだって。
『私はライスが食べたいっっ!!』ってね。」
その瞬間俺たちみんなが堪えきれなくなって、噴き出した。
「「「ぷっっーーーはははははっ」」」
ロランがものすごく挙動不審になっていた。
「えっ、えっ、みんな突然どうしたんだい?」
「ライスっていうのは私たちの世界の主食の一つなの。」
「へぇ〜、神様もライスが食べたくなったのかもしれないね。」
『『『わかってるよ!!』』』
そう思ってはいたが、顔には出さない。
「さっ、じゃあ、そろそろ一番活気のある通りに着くよ!初めてくるならここは外せないからね。」
そうロランが言うと何人かが走り出した。
「あ、ちょっ、待って、欲しいものを見つけたら、僕のところに来てねー!」
ロランのその言葉を皮切りに、全員が異世界で初めての自由行動を始めたのだった。
引っ越しで忙しくなりそうなので申し訳ありませんが、三日に一回更新にします
(一月中)




