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第一話


「隊長無事…です……か」


 そう言った瞬間俺の目の前から隊長の姿が消えた。


「くっ…一応生きては居る!!」


「そうですか良かった」


 片腕が吹き飛び血に濡れた隊長が真下に倒れていた。


「カイン!隊長を運んで後退しろ!!!」

「ここは俺らで何とかする!」


「だがお前たちが……」


「気にすんな、持久力には自信がある」

「それに、またあれが来るかもしんねぇ、とりあえず何も考えず走れ!」


「了解、死ぬなよ」


「あぁ」


 分隊の仲間達がその場を引き受けてくれた、このまま一緒に戦っても死人が増えるだけだからな。


「私の事なんて放っておいても良かったのだが…」


「みんな隊長に育てられたんですから、何がなんでも隊長だけは守りたいんですよ」


 背中の後ろから小さなため息が聞こえた。


「そんなもんかね」


「そんなもんですよ」


 戦場から逃げる様に走り前線基地までたどり着いた。

 救護所に直進し、衛生兵へ隊長を頼み俺はまた前線に戻った。だが戻った時には既に遅かった、仲間が居た場所は灰と化しその周辺には砲撃された跡だけが残っていた。


 敵軍の圧倒的な兵器状況の差でこちらのボロ負けかと思われたが、どうやら砲撃は全弾外れ、敵軍の基地に潜入が成功、そのまま敵兵の全滅。


 こちらは半分の兵が失われたが圧勝、隊長の片腕を奪った超電磁砲までも破壊、予想を遥かに超えた戦争だった。


 だが戦争が終わり帰ってきたのは彼らのドッグタグだけだった。


「何故ですか!彼らには砲弾は当たらなかったんですよね!」


「あぁ、当たらなかったさ」

「だがしかし、敵軍の基地の襲撃時、超電磁砲は発射体制に入っていた」

「どこかの部隊が囮役をしなければこちらだって全滅していたかもしれなかった、これでも戦死者を抑えた方なのだ」

「彼らにとってもこれが本望だったと思わんかね」


 隊長は泣くのをぐっとこらえて部屋から出て行った。


「いいのですか?指揮官殿」


「良いのさあの子にはもう私達と関わる事をやめさせた方が良いからな」


 先程まで隊長と話して居た指揮官とは思えないほどの優しい顔をしていた。

 

「隊長を軍から出すのですか」


「あぁ、と言っても離れたくないと駄々をこねると思うが」

「あとお前もあいつが軍を出る時はついていってやれ」


「いいのですか?私は異国の者ですが」


「信用してるから頼んでるんだ、任せた」


「了解……です…」

はじめまして、しろにあと申します。


今回、久しぶりに物語を執筆しました。

せっかくなので、連載という形で投稿していこうと思います。


よろしければ、最終章までお付き合いいただけると嬉しいです。


それでは、また次回。

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