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隣の席の美人主任に資産形成を教えてもらう話  作者: 唯乃


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8/8

銘柄選定とこれから

勤務を終えてアパートに戻ると、僕は狭い部屋の机にノートを広げた。蛍光灯の下、まとめ直したメモが並んでいる。

経費率、信託報酬、純資産額、インデックスかアクティブか……ページの隅々まで走り書きが残っている。


結論は決まっていた。

コア資産は長期・分散投資でいく。全世界株インデックスファンドを毎月積立。サテライト枠は小さな個別株で経験を積む。


僕はPCを立ち上げ、証券会社のサイトを開く。最初に全世界株インデックスの積立設定を入力。信託報酬の低さと純資産額の大きさが決め手だった。初回はスポットで少し大きめに買い、あとは毎月自動で積み立てる。


そして次に、前から気になっていた株主優待のある銘柄を購入する。業績や指標を最低限押さえ、リスクを自分なりに受け入れたうえで、発注ボタンを押す。


画面に「約定」の通知が浮かび上がる。

「最終的に決めるのは林くん、あなた自身よ」――主任の言葉が、静かに響いてくる。


机に寄りかかりながら、初めての投資家としての夜を、少し誇らしい気持ちで迎えていた。



数週間後、郵便受けに封筒が届いた。中には株主優待の案内と、映画の割引クーポン。初めて購入した銘柄は、実はこの株主優待目的で購入したものだった。


優待券を鞄に入れ、いつもより早く出勤する。


朝から胸の動悸が止まらない。

これから、この優待券を口実に、梶原主任を映画に誘おうと思ってるからだ。

頭の中で何度も主任を誘うシミュレーションを繰り返す。

そうこうしてるうちに、主任が出勤してきた。


「おはよう。林くん、今日は早いのね」

微笑みながら主任が挨拶してくる。


僕は拳を握り締め、覚悟を決めて主任と向き合う。もしかしたら、今の心地よい関係が崩れてしまうかもしれない。それでも、主任との関係を一歩進めたい…


「おはようございます。主任、あの、実は……」


勇気を振り絞って、言葉を紡ぎ出した。


(終)

これで一旦終了です。御愛読ありがとうございました。もしかしたら、もう一話だけ追加するかもしれません。

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