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自縄自縛な僕・三人の女神   作者: 松永 もっこり
22/27

夏休み 奈津美編 上


今日は嫌な夢を見なかった。

唯の事を忘れたいわけじゃない。

でも、思い出したくない。

矛盾する咲人の心。


まぁ、いい。朝からこんな事を

考えるのはやめよう。

とりあえず起きようかな。


「お兄ちゃん、朝だよ〜!

日曜だからって寝過ぎはだめだよ!」


妹よ、日曜というより夏休みだ!

と言おうか思うとした時

楓による全体重のせのプレスが

咲人の寝込みを襲う。

咲人にクリティカルヒット!


「ぐはぁっ!....おいっ、楓。

お兄ちゃん、寝込みきそれは

かなりきついんだがっ...」


肺から空気が出て行く。

いくら、楓が軽いからと言っても

強襲はないだろ!


「これで、起きたよね!お兄ちゃん

ほら早くご飯食べてよねっ」


「あ、あぁ。とりあえず

お兄ちゃんの体が回復してからな」


「そんな事言わずに

早く食べるよ〜」


「お兄ちゃんな

楓のボディプレスのいたみが

取れなくてきついんだ」


痛がる咲人など、気にせず

楓は咲人を無理矢理連れて行く。



「なぁ、楓。お前体重どのくらい?」


「ねぇ?お兄ちゃん。女の人に

体重聞いたらダメって

言われた事ないかな?」


「ごめんなさい、もう聞きません」


「よろしいっ」


楓は基本休みの日でも学校に行く日

と変わらないぐらい早起きである。

いや、もっと早い。

普段が6時ぐらいに起きるとすれば

5時には起きる。日曜朝のアニメを

楽しみにしてる小学生のようだ。


本人曰く

「休みだから早く起きたら自由時間

が多いじゃん!!」

だそうだ。

大変、朝が苦手な咲人には理解

できない行動だった。


「あっ、お兄ちゃん。今日の昼は

一緒に作ろうよ!」


「ん?あぁ、いいよ。何作るんだ?」


「決めてないよ!」


決まってないんかい

なんでそんなに得意げな顔なんだ


「だから、後で買い出し行こう!」


「ちゃんと今日の特別課題を

終わらせてからな?」


「う、うん。も、もちろんさ〜」


楓は急いで自分の部屋へダッシュ

で向かった。

どうやら、忘れていたらしい。

早く終わらせるに越したことは

ないからな〜。

俺も朝の内に今日の課題やろうかな


本質的には真面目な咲人は

起きてからの勉強は日課に

なっている。

おかげで、転校してきてからの

遅れも取り戻しつつある。



.....


四時間ぐらいたっただろうか。

と言ってもまだ昼前なのだが。


咲人の部屋のドアが弱々しく開いた

楓の姿がそこにはいた。

まるで、三日三晩寝てないような

人のようにしか見えない。


「お、お兄ちゃん。終わったぜ!

さ〜買い出しいこうかぁぁ」


「お、おう。少し休憩してから

行こうか、楓。」


「あいあいさぁぁぁ〜」


こんだけ頑張ったんだったら

ちょっと豪勢なご飯を一緒に

作ろうかな。

さて、楓が回復するまであと少し

勉強しようかな。」


30分ばかりたった。

すっかり楓は回復していた。



「さあさあ!お兄ちゃん!

何買う?何買う?私?

私買っちゃう?」


「変な事言うな、楓。周りの視線が

とても痛い。あと不用意な発言

をするんじゃない」


「照れちゃって〜」


「照れてない、普通の反応だ。

で、何買うん......だ...?」


「そうだね〜、ん?

どしたのお兄ちゃん」


咲人の視界の先には見慣れた

女子がいた。買い物カゴには

大量の食べ物やら何やらが

はいっていた。



「おい、奈津美。なにしてるんだ?」


すごい勢いで鼓 奈津美は

振り向いた。イタズラがばれた

時のような表情をしている。


「さ、サッキー。久しぶりだね〜。

いや〜、夏休みは部活ないからさ

家で料理の勉強

しようかなと思ってね。っ!?

ね、ねぇサッキー。後ろの女の子が

すっごい顔してるんだけど...。

サッキーの知り合い?」


「お兄ちゃん、この人誰なの?」


「お兄ちゃん...?」


あぁ、そういえば楓は奈津美の事

知らないのか。


「楓、同じクラスの鼓 奈津美だ。

挨拶さなさい。」


「兄がいつもお世話になってます。

夢崎 楓です。よろしくお願いします」


さっきの表情が嘘のように

礼儀正しいできた妹になった。


「へえ!妹さんなんだ。

鼓 奈津美です。

よろしくね、楓ちゃん」


うわぁ、奈津美さんの笑顔すごい

可愛いな〜。優しい感じがする。

ま、まぁお兄ちゃんとは何も

さなさそうだし、いいかな。



「それにしても、夏休みにも

料理の勉強とは相変わらず

頑張るんだな。

そうだ、奈津美。俺達も今からさ

昼ご飯作るとこだったんだけどさ。

奈津美が良ければうちで一緒に

作らないか?」


「え?いや、でも悪いし。

親御さんにも迷惑かけそうだし..」


「そこんとこは大丈夫。うちの親は

両方とも単身赴任だから。

気にしなくていいよ。」


「うーん。ならお邪魔しようかな」


「えっ!?」


「どうした楓?もちろん、楓とも

一緒に作るからな」


頭を撫でる咲人。もちろん、咲人は

伊達に兄をしてる訳ではない。

おそらく、楓の機嫌が悪くなりそうと

判断しての行動だ。フォローの

抜かりはなかった。



はずだった。


「なるほど〜、楓ちゃんの頭を

撫でてるから、慣れてたんだね。

だから、あんなに撫でるの

うまかったんだ〜、納得!」


奈津美の発言がなければ。


「お兄ちゃん、どういうこと?」


「え、いや、何のことかな〜?」


「まぁいいや。奈津美さん!

是非一緒に作りましょう!

そして、その撫でた時のこと

教えて下さいね」


「うん、楓ちゃん。よろしくねっ」



ヤバい、奈津美の頭を撫でた事が

あるのが楓にばれた。

これはどうしたものかな。



波乱のクッキングタイムが

待ってそうである。



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