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生まれたその日にダンジョンに捨てられた俺はドラゴンに育てられる  作者: トーヤ


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【快適亜空間】ランクアップ?

いやー、驚いた!

サイジュ、王子様だって。

通りでイケメンなわけだよ。

不敬とかで咎められるかと思った。

だって俺めちゃくちゃタメ口きいてるぞ?

そのままでいいって、言ってくれたけど本当にいいのかね?


しかし、サイジュがラノベに出て来るようなアホ王子じゃなくてよかったなぁ。

俺様偉いとかじゃなくて、ホントよかったよ。



「サイジュ、実はこの亜空間ってさ、入ったところにしか出られないんだよ」

「んっ?それはさっき、逃げ込んだところってことか?」


俺が頷いた時に、紙がひらひら落ちてきた。

今かよ!?

俺だけじゃないのは見てわかんだろ!?

サイジュにバラしてもいいのか?


神様の声が、頭に響いた。


『大丈夫だぞ』


マジかよ。

落ちて来た紙を見て、ありがとうって思ったよ。


「サイジュ、この亜空間がランクアップしたみたいだ!中にいる人が【クレアボヤンス】を使えれば、好きなところに移動できるようだ」


こんなの転移とかわらないじゃないか!

すごいぞ!?


「ミゲル?今、降って来た紙はなんなんだ?」

「あっ、実はこの亜空間って創造神様からもらったものなんだ」

「はっ!?」


まぁ、そうなるよな。


「なら、なんだ?さっきの紙は、"創造神アレクサンドリール様"からだ、とでも言うのか?」

「正解!」


俺は、サイジュに紙を手渡す。

すると、紙に何かが追記されたのだろう。


サイジュが目をまんまるにして、ものすごく驚いていて、おもしろかったな。


「本当だっただろ?」

「あぁ、本当だった…」

「これも秘密で頼む」


神様とコンタクト取れますとか、知られたらヤバくねぇ?


サイジュが頷いてくれたので、


「サイジュは、【クレアボヤンス】のスキルを使えるようになってくれ?」

「わかった、また魔法陣を展開してくれるか?」


俺は、【クレアボヤンス】の魔法陣を展開する。

サイジュの目に魔法陣が浮かぶ。

サイジュの目から魔法陣が消えたのを見て、【クレアボヤンス】の魔法陣の展開を解除した。


「使えそうか?」

「うーん?遠くって言われてもなぁ」


あー、何を見たらいいかわからないのか。


「なら、通る予定の最初の村とかを見てみたらどうだ?」

「なるほど!やってみる」


なんて村だっけ?

あっ、アキア村だったか?


サイジュが頑張ってる間に、俺は神様に確認だな。



『神様、勝手に人を入れちゃってごめんな』


念話の要領で、頭の中で会話が成立する、らしい。


『問題ないよ。ミゲルにあげたギフトだから』

『そうか、ありがとう』


良かった、怒られなくて。


『そうだ、照り焼きラビット、おいしかったよ!』


そりゃよかったな。

毎回喜んでくれてるらしいな。


『神様、質問してもいいか?』

『なにかな?』

『この亜空間ってさ、部屋増やせたりするか?』


サイジュの寝る場所がないんだよな。

あの部屋にベッドとか寝具をもう一つ入れるのは、無理があるんだよな。


『出来ないことはないが』


なんか条件とかあるのか?


『なんか難しいのか?』

『そうではないんだが…』


なんだ?

歯切れが悪いな。


『クッキーとやらを作ってはもらえないだろうか?』

『クッキー!?』

『レシピ本で見てだな。食べてみたいのだが』


クッキーかぁ。


『確認なんだけどいいか?』

『もちろん』

『こっちの世界には、バターはあるか?真っ白な小麦粉は?真っ白な砂糖は?グラニュー糖もあるか?タマゴはあるよな?1グラム単位で計れる計りはあるか?で、肝心なのが温度設定の出来るオーブンがないと焼けないんだが…』


神様からの返答がないんだが?

どうした?


『ごめん、確認していた。白い小麦粉も砂糖もなかったよ。バターもタマゴも品質が違いすぎるし欲しい時に手に入らない可能性の方が高い。計りもオーブンもなかったよ…だから快適亜空間に追加するよ!』


マジかよ。


『いいのか?』

『もちろんだよ。僕が食べたいと言ったんだからね』


これで、ビールサーバーがあれば、嬉しいけど、クッキーに関係ないしな。


『ミゲル、ビールサーバーとはなんだい?』


あっ、心の声って、筒抜けなんだっけ?


『あー、ビールサーバーってのはだな、ビールって酒が出て来る装置?って言えばいいのか?』

『ビール?エールとは違うのかい?』

『あー、似た感じだけど味は全然違うな。日本のビールは美味いぞ!』

『ミゲルはそれが飲みたいんだね?』


そうだな。


『あったら嬉しいな』


こっちのエールは、微妙すぎて飲む気にならないんだよなぁ。


『了解した。色々準備して部屋も増やすから少し待っててくれ』

『わかった、ありがとう!』



「ミゲル、難しいな…【クレアボヤンス】」

「マジか…【ステルス】の方が難しいかと思ってた」

「【ステルス】は、ミゲルのお手本があったから、なんとかなったけどな。【クレアボヤンス】はなぁ…」


あー、これは見本を提示出来ないな。

さて、どうしたもんかね。


……あっ!


「一回【クレアボヤンス】の発動止めてくれるか?」

「止めたぞ?」

「【クレアボヤンス】を発動しないで、魔法陣の展開だけ出来るよね?」


サイジュは、さらりと魔法陣を展開してくれる。

さすがだね。


「これでいいか?」


俺は頷いてから、


「魔法陣ってさ、色んなものを設定出来るようになっているんだよ、実は」


そう、俺も場所設定したり、数設定したりしてただろ?

すっかり忘れてたよ。


「はっ!?魔法陣って発動すればいいだけじゃないのか?」

「もちろんそれで問題ない。けど設定したらもう少し使い勝手が良くなるよ」


サイジュは、言葉の説明だけだと理解しにくいみたいなんだよな。

1度【クレアボヤンス】の展開を止めてもらう。


「たとえば、【ライト】ってスキルがあるのは知ってる?」

「あぁ、それは俺も使える」


それなら、話が早いな。


「【ライト】発動してみてくれる?」

「わかった」


俺も、ただ発動する。


「光の玉がひとつ出たよね?」


サイジュが頷く。

俺は発動を止めて、【ライト】の魔法陣を展開する。


個数を5個と設定する。

発動。


「はっ!?なんで光の玉が5個も!?」

「それは、俺が魔法陣を展開した時に、個数を5個って設定して、【ライト】を発動したからだよ」

「そんなこと出来るのかよ!?」


サイジュもやってみてと促すと、


「設定ってどうやるんだ!?」

「あー、魔法陣を展開した時に、【ライト】なら個数3個とか思い浮かべれば大丈夫だよ」


サイジュの周りに、光の玉が3個出現した。

おー!さすが。

座学より実地の人だったか。


出たー!やったー!すげー!って喜んでる。

王子様?

その喜び方はどうなんだ?


「わかったぞ!【クレアボヤンス】は場所を設定してやればいいんだな?」

「正解!」


点と点が繋がるようになってきたね。


「見えた!アキア村!」


1発でか?

すげぇな?


「それなら、アキア村とアキカ村の真ん中とか、練習だな」

「なんでだ?」

「いきなり村の目の前に、ここから出るわけにはいかないだろ?」


あぁ、そっか…とサイジュは納得したみたいだ。


「そうだよな」


それが出来たら、もっと遠くをみられるようになってほしくて、俺はこう言った。


「出来るなら、距離伸ばすこともやってみて」


サイジュは、頷いて【クレアボヤンス】を繰り返していた。

お読みいただきありがとうございます!

もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m

トーヤのテンションがあがります(笑)


感想、誤字脱字報告もありがとうございます。

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