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生まれたその日にダンジョンに捨てられた俺はドラゴンに育てられる  作者: トーヤ


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冒険者ギルド

門番さんに、冒険者ギルドまでの道を教えてもらったので、その通りに歩いて来た。


5分ほど歩いたところに、冒険者ギルドはあった。


おっきいなぁ。


俺は父さんと母さんに文字を教えてもらったので、読み書きは出来る。

と、思う。

家には、たくさん本もあったからな。

それに冒険者ギルドの看板は、読めてるからたぶん大丈夫だろう。


「おい、そんなとこに突っ立ってたらジャマだぞ」


冒険者ギルドを見上げてた俺の肩を、誰かが掴んでそう言った。


ラノベあるあるか!?

ギルドに入る前に、イベント発生か!?

いきなり〔不良冒険者に絡まれる〕イベントに遭遇するのか!?


思わず、すみませんと言いそうになり、門番さんの言葉を思い出す。


「あぁ、ごめん。デカいなぁと思って」


と、丁寧にならない感じで答えながら、振り向いたら、イケメンがいた。


おー、すげぇ。

さすが異世界。

こんな男前が存在してるのか!

顔面偏差値がハンパねぇ。

サラサラの金髪に左サイドの一房だけが紅いな。

瞳なんかキラキラの青銀だぞ!?

ザランデュエル父さんの次くらいには、カッコいいぞ!


「なるほど、この町に来たばかりだな?」


俺が頷くと、


「冒険者になるのか?」


イケメンに聞かれたので、


「そのつもりで、ここに来た」


俺はそう答えた。

するとイケメンは納得したように頷いて、


「だよな、俺はサイジュ。冒険者になって1年くらいだな」


なるほど、先輩だ?

1年ってことは、見習いかその上くらいのランクじゃないのか?

その割には、様になってるな?

イケメンは何をしても様になるってことか?


「俺はミゲル。さっきこの町に着いた」


「なら、さっさと冒険者登録しちまえよ」


「そのつもりだ」


ギルドに入ると、想像していた通り、食堂が併設された場所だった。

入って右側が食堂になっている。


すでに出来上がっている酔っ払いがそこそこいる。

依頼とかに行かねぇのか?


「あそこで登録するんだぜ」


サイジュが左端のカウンターを指で示して教えてくれる。


「わかった、行ってくる。ありがとう」




「こんにちは、登録ですか?」


受付のお姉さんが話しかけてくれる。


「はい。お願いします」


ゆるふわな印象のお姉さんは、1枚の紙を引き出しから取り出して、記入を促してくる。


紙を確認すると、ちゃんと読めるのがわかった。


「代筆が必要ですか?」


「大丈夫です」


俺は、名前、年齢を書いて止まった。

読めなかったわけではない。

わからなかったのだ。


「あの、職業ってなんですか?」

「えっ!?」


えっ?なんだ?

お姉さんが固まったぞ?


「あの年齢を聞いても?」


聞かれたので、15だと答える。

冒険者って、15歳からしか登録出来ないんだよな?

父さんからは、そう聞いていたけど違うのか?


「【選定(せんてい)()】は、受けていないのですか?」


【選定の儀】?


「それはなんですか?」


周りがザワッとした。


なんだ?

受けてないとおかしいものなのか?


「10歳の時に教会で、【選定の儀】を受けて職業を授けてもらうのです」


「そうなんですか!?」


あー、リデル母さんもザランデュエル父さんもドラゴンだから、人族の行事とか知らなかったんだろうな。


「それは、15歳だと受けられませんか?」

「いえ、受けられます。ですが、有料になってしまうのですが」


んっ?


「10歳なら無料だった?」


お姉さんはしっかり頷いた。


「それを受けないと、冒険者にはなれませんか?」


お姉さんは困った顔をして、


「なることは可能ですが、職業がないと、レベルアップが出来ませんので、ランクを上げることが出来ません」


んっ?

職業がないとレベルが上がらない?

いやいや、上がるよな?


職業のレベルってことか?

俺のっていうか個人のレベルじゃなくてか?

そもそも、それは別のものなのか?


職業のレベルが上がらないと、ランクが上がらないってことか?

ランクアップには、レベル数の条件もあるのか?

レベルが上がらないと、依頼をこなせないとか、そういうことか?


よくわかんねぇけど、それは困るな。

ランクが上がらないと、たぶんあれだろ?

受けられる依頼が安いのだけなんだろ?


「【選定の儀】に、いくらかかるかわかりますか?」


「確か銀貨3枚だったと思います」


銀貨3枚。


確か銅貨1枚で黒パンを2個買えると父さんが言ってたな。

日本円で200円か300円くらいってことか?

とりあえず200円くらいだと思っておこうかな。


銅貨10枚で大銅貨1枚。

大銅貨10枚で銀貨1枚だったな。

ってことは、日本円だと銀貨1枚が2万円くらいか。


銀貨3枚は6万円か…。

結構、痛い出費だな。


でも、これからのことを考えたら職業を貰わないという選択肢はない。


「わかりました。教会に行ってみます」


「銀貨3枚ですよ!?」


ゆるふわなお姉さんが、盛大に驚きを見せた。

そこまで驚くようなことなのか?

これから冒険者になろうって子供が、銀貨3枚も持ってるのはおかしいのか?


この町に来る途中で倒した魔物は、インベントリにたくさん入っている。

途中の村でも渡して来たけど、まだまだある。

が、この世界でのインベントリやマジックバッグの扱いがわからない。


だから小遣い稼ぎしながら、この町まで来たことにしようと思う。


「大丈夫ですが、ちなみに冒険者登録をするには、いくらかかりますか?」


銀貨10枚とか言われたら無理だからなぁ。


「冒険者登録には、大銅貨3枚です」


思ったより少なかったぞ。


「わかりました。なんとか足りるので教会に行ってからまた来ます」


「はい、お待ちしてますね」

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